設計者より、複数の土層を平均した透水係数について質問がありました。
話を聞いてみると、どうも鉛直流れと水平流れを区別せず、土層全体の等価透水係数を算出されているようでした。
簡易な水理公式で湧水量などを求めたい場合、井戸周辺から集水するような流れは水平、止水矢板を用いた掘削で底盤から湧水する場合などは鉛直で代表させれば良いと思います。
各土層の透水係数と層厚、水頭差を利用すれば、簡単な四則演算で答えが出せます。土質力学の授業でも教えていらっしゃるのでしょうか?ネットでは以下の様な資料が引っかかりました。
モデル図
http://ftn.jp/tec8_8.7.pdf
式の展開 (個人的には各水頭差を用いた展開の方が良いと思います)
http://geotech.civil.yamaguchi-u.ac.jp/dorikih/kaito/vol6.pdf
http://www.research.kobe-u.ac.jp/eng-geotechlab/files/doriki_1/09_%E9%80%8F%E6%B0%B4(2)(%E9%80%8F%E6%B0%B4%E4%BF%82%E6%95%B0)_20160531.pdf
これらについて書いてある図書はあまり見ませんが、以下の図書にはシミュレーションを前提として等価な透水係数の計算式が書かれています。最後の付録の箇所だったと思います。
地盤工学会「 地下水流動保全のための環境影響評価と対策―調査・設計・施工から管理まで (地盤工学・実務シリーズ 19)」
鉛直・水平のみの流れという現象は、実際にはレアだと思われます。が、求めたい精度と手間を考えると、等価透水係数で代表させる価値は十分にあると思われます。
ま、それ以前に、各土層の鉛直・水平透水係数を原位置で精度良く求める必要性にも留意しないといけませんが。
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