2016年9月19日月曜日

重金属等の起源

建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版) 資料集 (平成22年3月)の 「3. 岩石・土壌に含まれる重金属等の起源を識別する試験方法」にて、XRF の利用が紹介されています。
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/region/recycle/pdf/recyclehou/manual/sizenyuraimanyu_zantei_siryou.pdf
  • 例えば鉛がカリ長石に含まれる場合には (図-5) 、カリウムと鉛の全含 有量の間に正の相関が見られる 2)。
  • ひ素と鉄の全含有量の間に正の相関がある場合には (図-6) 、ひ素は鉄鉱物として存在する可能性が高い 3)。
  • 蛍光X線分析法は土壌中に含まれる大半の元素を分析することができる ため、ひ素やカドミウム、鉛などの汚染が自然由来のものか、人為汚染に起因するかを判断するための重要な情報 を提供できる。
2) 独立行政法人産業技術総合研究所地質調査総合センター (2003):土壌・地質汚染評価基本図「5 万分の 1 姉崎」.
 3) 独立行政法人産業技術総合研究所地質調査総合センター (2006):土壌・地質汚染評価基本図「5 万分の 1 仙台地域」.
イマイチです。
ま、こういった方法で起源の可能性を示すことのできる場合もありますよ、程度の紹介だと思います。

日本分析化学会「X線分析の進歩」では、イメージング処理ができるよう機能強化された蛍光X線分析装置での分析例が掲載されています。1つの試料・分析装置で元素濃度とそのマッピング結果が得られると、起源についても説得力が出てきます。こういった説明をしないといけないのでしょう。ここまで説明できれば、足元が固まり、この後に予測計算を実施しても信頼性が高まります。実験と計算結果の整合を見てもよいでしょう。が、マニュアルは上記の通り。現段階ではそこまで目指されていないのでしょう。

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