(前の話:https://phreeqc.blogspot.jp/2016/09/xrf_99.html)
先輩の考えは以下の通り。
・スクリーニングは個人的に提案していない
・スクリーニングで OK でも、溶出量で OUT になる場合がある
・溶出量と全含有量に相関があるとは言えない
相関が認められないことは、書き物にありましたね。 それを根拠に、スクリーニングを飛ばすことは、実務上、合理的な判断になります。
一方、先の土研さんの図書では、以下のように書かれいています。
スクリーニング基準値は、これまで行われた多くの建設工事における発生土利用実態から、自然由来重金属等による人の健康影響が明らかになった事例がないことを背景に、我が国における土・岩に含まれている自然由来重金属等の通常の値(平均値)以下の含有量の発生土については、問題なく利用可能であろうとの考え方に基づいて設定されたものである。社会問題になるかどうかを、全含有量試験値のみで、経験的に判断しているわけです。例えば、φがどのくらいの土なら斜面がすべらないか?を安定計算なしで経験的に判断しているようなものです。
では、それと相関がないと言われる溶出量試験、または土壌含有量を優先する根拠は何でしょうか?(少し知恵のついた新入社員に聞くと「基準だから」と答えそうな質問です。)
個人的には、どちらも似たようなものだと思っています(どちらかと言うと、根拠の分かりやすいスクリーニングの方が説得に有利だと感じています)。どちらも、含有形態の把握や熱力学計算が丸々抜けていますので。このあたり、5,6年前から何も変わっていません。
https://phreeqc.blogspot.jp/2011/11/as.html
https://phreeqc.blogspot.jp/2010/08/blog-post_16.html
「基準通り」は合理的ですが、正解を得られるとは限りません。技術者として合理性を保ちつつ、正解を求める根本的な視点を忘れてはならないでしょう。
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