担当することになりかけ、まず、「どう着地させよう?」と思いました(結局、担当からは外れました)。
トップリングの場合、仕様で決まった設計法を見たことがありません。一方、対策方法は地すべり同様に切直し(排土)+排水、切直しができない場合は地すべり同様にアンカー、そしてそのための計算法はすべり計算の逆算に限られるようです。
個人的には、クリープ境界面(破断面)のせん断抵抗力を増やすより、トップリングを起こしている板(層)の間のせん断抵抗力を増やす方が効果があるように思います(破砕が進み、地すべりに移行しかけているような場合は地すべり対策同様でOKだと思います)。が、そのような設計は見たことありません。
去年、大学の先生(とっても元 JH 職員)の講演で、面白い例え話を聞きました。JH ですから、切土施工中に起こったトップリングであり、比較的若い場に限ってのことだと思います。
「トップリングは本が将棋倒しをしているようなもの。頭をガムテープで張ってやれば、動かなくなる。地すべりのようなすべり計算・対策はダメ。みなさんも良い対策方法を考えてください。」なるほど!と思いました。素人目線では長めのロックボルトやケーブルボルトを板に垂直に打ち、全面を固めに行く方が素直な対策なのかと思います(現場条件に制約を受けますが)。計算は板間のせん断力と抵抗力の割合(安全率)を見てやればOKでしょうね。ま、このあたりは設計者の面白いところなのでしょう。
こういった流れが出来上がっている背景には、地質屋の誘導の失敗も含まれているように思います。トップリングでも、すべり面と見紛うような境界面を断面図に入れてしまい、フェレニウスで解けば良いと誘導してきたことが一因にあるのでしょう。
現場や設計者、お客様を見て、チャンスがあれば正しいと思われる設計法を試してみないと、前に進まないのでしょうね。
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