2011年11月15日火曜日

崩壊現場で地質を考える

今日は崩壊現場で1時間半ほど地質を見ていました。

といっても、崩壊から1ヶ月以上過ぎていますので、あとは対策待ちの現場です。誰もいませんので、落ち着いて観察できます。前日に上司よりアドバイスを頂いたこともあり、それらを確かめながら細かく見て行きました。

断層破砕か熱水破砕か、せん断構造があるかどうか、貫入岩の分布と熱水脈との関係、鉱物と風化・変質との関係、亀裂面の性状、透水性の違い、などを細かく見て行きました。
最初は繋がらなかったのですが、1時間くらい考えていると、頭がスーッと整理でき、地質が見えるようになりました。疑問点が次々解消でき、何故崩壊したかがイメージできるようになりました。地質のモデル化から計算ツール、手法まで一気に整理できました。サンプルもいくつか採取し、研究職にXRDをお願いしました。

これらの崩壊過程を検証するためには、必ず計算が必要になります。残念ながら、今回は踏査のみですので、計算に必要なパラメーターが得られていません(災害復旧においてはゴージャスな計算ですし、不要ですが)。その検証を得て、初めて露頭を前に考えたことが正解だったと言えると思います。地質屋さんの悪い点ですが、言いっぱなしが多いんですよね。今回もそうなりますが。

露頭を見つめ、答えを得るという基本的な地質屋の仕事は、鍛練次第で時間短縮ができると思います。災害現場のように時間がなくても、力量のある方は瞬時に答えを得るかもしれません。私はまだまだです。見逃しも多い。違和感は残さずに、短時間で答えを得られるよう、今後も努力していきたいものです。


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