2014年9月27日土曜日

ストレーナーの影響 その4

前回は開口率1.7%のストレーナーでした。

今回は、よく使用している3%です。ガス管に 2mm の穴を千鳥で開けて使用しています。孔は大きく、数の多いほうが良いのですが、そこは強度との相談になります。

結果は以下の通り。
まずは透水係数の影響です。↓
開口率3%あればほとんど影響ないですね。厳密には浸透流で設定した96%の透水係数(=流量)を算出しています。


水頭による影響もほぼなし。



このストレーナーを現場透水試験に使用する場合、補正なしでもOKでしょう。
実際は目詰まりが発生している場合、その影響も考慮すべきなのでしょうね。ま、試験後のチェックでほぼ目詰まりしてこなかったので、これまでの条件では無視しても良い結果ではありましたが。

やはり使うツールについてはその特性を把握しておくべきですね。



2014年9月24日水曜日

ストレーナーの影響 その3

実際の試験結果で透水係数を同定し、その後、平衡水位と定常水位の差(変動量s0)を変化させてみました。



ストレーナー使用時は半分よりやや高めでしょうか。前回、透水係数を変化させた場合とほぼ同値です。

やはり、現場透水試験でこのストレーナーを使用する場合、「倍半分」の答えを出すと考えておいた方が良いのでしょう。


2014年9月23日火曜日

ストレーナーの影響 その2

数値実験の続きです。

桁落ちが発生したモデルを、m 単位から cm 単位に設定し直し、より低透水側での影響を見てみました。

結果はコチラ。


今回の条件で、このストレーナーを使って現場透水試験を実施した場合、地盤の透水係数に対して約半分の透水係数(=流量)を算出するようです。
裸孔の場合は、浸透流と現場透水試験の計算式で、ほぼ同じ答え。本当に、昔の人は偉いですね。感心です。

あと、水位差の影響くらいはチェックしておきたいですね。


2014年9月22日月曜日

ストレーナーの影響

今回の現場透水試験では、ボーリング屋さんにストレーナーを準備していただいきました。

が、持ち込み時に確認しますと、開口率が2%程度と小さめ(こちらも準備すべきでした)。特に低透水で影響が出るだろうと感じ、この休みの間に数値実験(浸透流解析)で影響を見てみることにしました。

条件は以下の通り。
・ストレーナー開口率1.7%(φ5mmの千鳥配置)
・ストレーナー区間長(試験区間長)は0.42m
・自然水位(平衡水位)は試験区間上端より0.25m上
・定常水位は試験区間上端より2.07m上(注水式定常法)
・流量は15L/min

ストレーナー周りのメッシュです。ストレーナー部分の要素を外して不透水としています。穴のあいた部分だけ地盤(緑)にくっつけて、通水するようにしました。内部(青)は仮に k=10m/s としています。境界条件としては、100m 外側に定水位(自然水位)を張ったのと、ストレーナー内部上面に定常水位を設定しました。試験孔を中心とした90度(1/4)の3次元モデルです。



現場透水試験結果として再現してみると、透水係数は k=1.4E-4m/s でした。一方、これを浸透流解析で流量の再現できた透水係数は k=2.5E-4m/s でした。倍半分ですが、思ったほど影響は大きくありません。

次に、ストレーナーがない場合(外した要素を土・水として戻しました)の計算をしてみました。
結果、同じ区間長の裸孔では 4.84E-4 m3/sの注入量が発生するようです。
その値を現場透水試験結果として計算してみると、透水係数は k=2.66E-4m/s となりました。浸透流の設定が k=2.5E-4m/s ですので、ほぼ正解です。昔の人は偉いですね。

透水係数を変えていくつか試してみましたが、やはり同様の結果でした。以下の通りです。裸孔では、浸透流で設定した透水係数と、現場透水試験の算定式による透水係数がほぼ一致するのに対し、ストレーナー使用時は後者が半減しています。ま、当然といえば当然の結果ですが。
透水係数のもっと低い側まで計算してみたのですが、桁落ちしてしまいました。グラフの k=5E-5m/s でも、桁落ちの影響が出ているかもしれません。



上記より、今回の条件では「開口率2% のストレーナーでは試験結果に影響が出る」ということになります。ただし、透水係数で倍半分といったところですので、オーダーで議論する精度を考えると、案外、影響は小さかったという印象です。倍半分は考察時にカバーすれば良いですね。
もう少し、透水係数が低い側でどうなるか、水頭差が低ければどうなるか、調べてみたいところです。

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20140923追記
やはり、低透水側で桁落ちの影響が出ていました。
http://phreeqc.blogspot.jp/2014/09/2_23.html


現場透水試験 その3

その他です。

当然、透水試験区間の掘削で、泥水の使用はダメ。孔内水平載荷試験(プレッシャーメーター試験)を実施する場合は泥水必須ですので、できれば本孔・別孔で2種の試験を分けるのがBESTです。本孔で透水試験・孔内水平載荷試験の両方を実施する場合、同深度は不可、透水試験を先に(浅い深度で)実施します。

揚水式定常法では、最近は小さなエンジンポンプを使うのが主流です。水位が深い場合のみ、小口径の水中ポンプを使用します。
注水式定常法の場合、ノッチがなくても塩ビの分岐をケースやガス管の頭につけることで実施可能です。ホースに分岐を付けて、流量を絞る方法もあります。

あと、現場で一番気にするのが止水ですね。
試験深度を決めた場合、その前段のケーシング追い込み時に止水をかけます。具体的には、無水で焼き付かせたり、打ち込んだりしてケース周りに水みちを作らないようにします。ストレーナーを入れる場合には、洗浄時にケースとの間で水位が変化しないか測定し、止水性をチェックします。ストレーナーの試験区間上端にシール材(吸水膨張材)を巻いて止水する場合もあります。ストレーナーやロッドを使用する場合には、接続ネジ部にシールテープやPEテープを巻いて漏水しないようにします。

内業では、適用式に注意が必要ですね。
試験区間と地下水位、あるいは難透水層との離れが孔径の4倍以上ない場合、鏡像理論を適用した式を使用します。また、孔崩れなどにより試験区間長が孔径の4倍を下回った場合には、4倍以上の仮定を取り払った式で計算します。このあたりは基準書の解説にありますので、結果的には条件に応じた式を選定するだけのことです。導出を追えば、納得できると思われます。ただ、市販ソフトでは、このあたりに対応していないものがあるようですので、気を付ける必要があります。ま、EXCELで処理されている方も多いと思いますが。

また、測定水位の記載にも注意が必要です。
試験手法のモデル図が基準書 p519 に載っています。h0の取り方が定常法と非定常で異なっていますが、これ、改訂で修正されていません。どちらでもよいのですが、水位差 s=|ho-h| となっていますので、GL表記か管頭からの表記かに統一しておく必要があります。
データシートにおいても、基準と矛盾する表記箇所があります。改訂の際は、ほとんど気にされていなかったのでしょう。データシートでは定常も非定常もGL表記となっています。しかもs=(h0-h)となっています。この辺は意識して記載する必要があります。


このように書き出していくと、それぞれ細かいですが、すべて当たり前の事項です。よく指導されたオペさんは、若い方でも常識としてルーチンワークに取り入れられています。
一方、私が当たり前のことを当たり前のようにできるようになったのは、ここ最近でしょうか?状況に応じてすぐに判断しないと現場が止まりますので、新しい情報が得られるたびに判断しなおし、指示するようになります。つい、あせって何かを忘れてしまいます。今まで良いオペさん達に助けられてきました。
最近は、お客様やオペさんよりも年上になることが多々あります。これからは彼らを助ける側にならないといけません。


2014年9月20日土曜日

現場透水試験 その2

現場透水試験の孔の仕様です。

試験区間の仕様としては、「ピエゾメーター法」が最も多いと思います。ケーシングの下に、裸孔区間を 0.5 m 程度設け、そこで試験を実施する手法です。
地盤工学会基準の解説によれば、ピエゾメーター法は他の手法に比べて透水係数が高めに出るとのこと。鉛直方向に比べ水平方向の流れの影響が大きくなるためでしょうね。そのため、基準では「ピエゾメーター法」で統一を図っているようです。ただ、他の手法を妨げるものではないとも書かれています。試験深度が浅くても、そこまで孔のもたない場合が多いので、通常はケーシングを追っていきます。そのため、全深度裸孔の「オーガー法」で実施することはまずありません。あるとすれば「チューブ法(孔底法)」ぐらいでしょうか。

試験区間まで追い込むケーシングの段数、深度により、現場の手間が変わってきます。そのため、積算上は上記ピエゾメータ法でも「ケーシング法」、「2重管法」などと区分され、しかも深度別の価格になっていることが多いようです。

試験区間は清水掘り限定のため、コアチューブを抜いた瞬間 or 試験中に、孔壁の一部の崩れることがほとんどです。緩い砂礫や細粒分の少ない砂で顕著ですね。
2年前に改訂された基準では、試験後の試験区間長(孔崩れ)を測定し、それをデータシートの決められた欄に記載するようになっています。今まで、試験中に撮影する現場記録写真の深度と、データシートの試験深度(=試験後の試験区間長)が異なってしまうので困っていたのですが、これからは矛盾なく記載できるようになりました。

また、裸孔が持たない場合は、ストレーナー管を用いたピエゾメーター法とするか、「チューブ法(孔底法)」になります。ストレーナー管はφ86ケースに入るφ60のガス管を加工したものをよく見かけます(私もガス管を使用しています)。先端のみストレーナー加工とし、ネジ部にシールを巻きながらつないで挿入します。
ただし、開口率の問題について、具体的な解説はありません。引用文献を追っても出ていません。ま、透水性矢板で開口率1%以上あれば問題ないとされていますので、大きな水位差を与えない条件であれば、通常のストレーナーで案外問題ないのかもしれませんね。以前より気になっていますので、時間があるときに確かめておきましょう。


現場透水試験 その1

土砂部で現場透水試験を実施しています。

地盤工学会基準では、「単孔を利用した透水試験方法」ですね。
これ、案外、細かい取り決めがあります。

スタンダードな手法としては、「注水」or「 揚水」、「定常(低水位)」or「非定常(変水位)」の組み合わせですので、計4種になります(注水式の定常法など)。

注水か揚水かは、施工目的によって選択するのが理想です。
例えば、掘削による湧水量把握や、ディープウェルなどの地下水位低下工法を考えるのであれば、揚水式、薬液注入などでは注水式を選びたいところです。ただ、揚水式は孔崩れや孔内でのボイリングを発生させやすいので、適用し難い地盤も多くあります。孔が持たないようであれば、水位変化量を小さくするか、ストレーナー設置とするか、あるいは注水式を選択するか、となります。
また、現場条件も考慮が必要です。都市部で排水処理が困難な場合は注水式を、周囲に水源がなく利用できる水が少ない場合は揚水式を選択せざるを得ない場合があります。
あと、地下水位の直下で実施する場合も注水式になりますね。

非定常は、一気に孔内水を低下させるか、上昇させることが、適用条件となっています。一気に低下させる場合、当然孔崩れが発生し易いので、ここでも、注水式非定常法を選択する場合が多いと思われます。個人的には、一気に水理場を変化させることが難しく、またすぐに測定を始めるのもあわただしいため、定常法のほうが好みですね。
透水係数の高い場合はなかなか水位が上昇(下降)しませんし、戻りも一瞬ですので、定常法を選択することになります。基準では、k=1E-5m/s程度以上で定常法が適、1E-4m/s以上で非定常が不適となっています。が、透水係数は試験をして結果を出すまで分かりませんので、現場では水の下がり方、上がり方をもって判断します。具体的には、水位がほぼ落ち着くまで、1~2分程度(データ取得で10点以上)あるかどうかを判断基準にすれば良いと思います。

解説によれば、得られる透水係数は、揚水より注入でやや低め、定常より非定常でやや低めとなっています。経験上、そのような傾向はあると思います。定常・非定常で大きな差は感じませんが、注水と揚水では大きく変わる場合があります。洗い方が足りないのかもしれません。


手法選定のポイントをまとめると、以下の通りになります

・現場条件(排水処理、水供給)
・施工条件(揚水量?浸透量?)
・水位変化による孔崩れの有無
・水位変化の速さ

詳細はすべて基準に書いてありますし、地質屋さんに聞けば答えてくれると思います。