河川水・地下水一体の汚染解析業務が国土交通省より公示されています。
http://chotatsu.mlit.go.jp/new_kensaku/KoboPrev.asp?no=11641
膨大な量の解析を8カ月強でこなす、なんともハードな業務です。
内容を見て、ある意味感心しました。露骨ですね。
阿武隈川、汚染というのは、セシウムを対象としているのでしょうね。
こういった解析、先に大気、次に海洋、地下水の順になると思っていました。地震直後、すぐに実施されるべきでしたがデータが公表されず、数ヶ月経って、ようやく地下水が出たという印象です。
http://phreeqc.blogspot.com/2011/03/8.html
背景は微妙ですが、まあ、公開される結果に期待しましょう。
2012年2月27日月曜日
原著論文に戻る
本を読んでいると、時々誤植に出会います。
私は自分でも情けないほど漢字に弱いので、通常は気付かず読み飛ばしてしまいます。(筆記試験も手書きで準備をしないと、漢字が全く出てきません)。
しかし、数式はどうしても引っかかってしまいます。式が途中で追えなくなりますので。これは誤記といった方が良いのかもしれません。
今日も本を読んでいて、簡単な積分の展開で躓きました。途中の展開が飛んでおり、次の式がどうしても理解できなかったのです。1時間ほど悩んだ後、表示の誤りではないかと思い出典の原著論文を確認したところ、やはり誤植でした。他にもいくつか誤植(H2OがHz0など)がありました。
出典の論文を読むことは、とても重要です。
誤植に限らず、式の適用範囲や仮定、試験法の制限などといった付加情報が飛んでいることが多々ありますので。例えば、道路橋示方書の変形係数の欄にある平板載荷試験は鉛直方向でなく、水平方向での実施結果ですからね。これ、書かれていません(そういえば、新しい示方書、早く入手しないと)。
こういった日々のブログも、手書きにしたら漢字の練習になるでしょうね。
タブレットで手書き認識させると良いのかな。時間かかりそう。
2012年2月26日日曜日
Hfo
汚染水に含まれる物質としてAs, Cd, Pb, B, Zn, F, Fe を適当に組み合わせ、Hfo に吸着させた後、さらに純水と反応させ吸着量の低下傾向を見てみました。
課題抽出レベルの試算ですが、これだけたくさんの元素を1度に扱ったのは初めてです。
PHREEQCの 1次元の Advection で汚染水を300シフト、その後、純水に切り替えて1700シフト流してみました。
結果の解釈は難しいですね。
Asは単独(といってもH+の影響あり)のケース、複数元素を扱ったケース両者とも、約14~20%程度の減。溶出試験なら純水が流出し始めた1シフト目の1%未満の低下量とあっていればよいのでしょう。
・・・と思いきや、全く離脱しないケースもありました。元素組み合わせ以外に、strong / weak の両方を熱力学データベースが考慮しているかどうかも、結果に影響しているかもしれません。こういった多くの元素・ species を1度に扱いたい場合には、水質分析結果をみて組み合わせを考えるだけでなく、自分でデータベースを編集しておく必要がありそうです。
まあ、どの species が吸着しやすい、離脱しやすいなど、ある程度の傾向が可視化できましたので、引き続き計算していきましょう。
課題抽出レベルの試算ですが、これだけたくさんの元素を1度に扱ったのは初めてです。
PHREEQCの 1次元の Advection で汚染水を300シフト、その後、純水に切り替えて1700シフト流してみました。
結果の解釈は難しいですね。
Asは単独(といってもH+の影響あり)のケース、複数元素を扱ったケース両者とも、約14~20%程度の減。溶出試験なら純水が流出し始めた1シフト目の1%未満の低下量とあっていればよいのでしょう。
・・・と思いきや、全く離脱しないケースもありました。元素組み合わせ以外に、strong / weak の両方を熱力学データベースが考慮しているかどうかも、結果に影響しているかもしれません。こういった多くの元素・ species を1度に扱いたい場合には、水質分析結果をみて組み合わせを考えるだけでなく、自分でデータベースを編集しておく必要がありそうです。
まあ、どの species が吸着しやすい、離脱しやすいなど、ある程度の傾向が可視化できましたので、引き続き計算していきましょう。
2012年2月23日木曜日
破砕岩
地すべりと断層の破砕岩の比較が今月号の応用地質に載っています。
土研の脇坂氏が数年前より口頭発表されている内容です。
昔、三波川の地すべりばかり扱っていた時期があります。236ページの写真3(1)、4(1)は似ているコアをよく見ました。こういった不自然で、パンと割れたようなイヤな亀裂は印象に残ります。地すべりに限った亀裂だとは考えていませんでしたが。
237ページの写真は、昔、断層か、熱水破砕かを議論した結晶質岩の破砕部を思い出しました。破砕しているが変位の証拠がない(中も周辺も)ため、断層と断言できない = 熱水破砕?と言いながら、大背の前で数人の地質屋と観察しました。明瞭なせん断構造・形態を有するものも多いけれど、このような粘土の中の粒が割れただけのような破砕部も多く見てきました。
熱水破砕部がすべりを起こすとどう変化するのか見てみたいですね。
しかし、こういった現象は試験室で再現できないのでしょうか?高圧の場合、低圧の場合、引っ張りの場合、圧縮の場合等々。それぞれの亀裂の発生形態で、「やはり地すべり特有なんだ」ということになれば、説明しやすいのですが。
基本的には、地すべりは「地質+荷重のバランス」だと思いますので、その一方だけ追い求めて解けるものとは思いません。しかし、現状は後者優勢ですので、このような研究が進めば地すべりの「解法」が進展するように思います。
今後の検証が楽しみです。
土研の脇坂氏が数年前より口頭発表されている内容です。
昔、三波川の地すべりばかり扱っていた時期があります。236ページの写真3(1)、4(1)は似ているコアをよく見ました。こういった不自然で、パンと割れたようなイヤな亀裂は印象に残ります。地すべりに限った亀裂だとは考えていませんでしたが。
237ページの写真は、昔、断層か、熱水破砕かを議論した結晶質岩の破砕部を思い出しました。破砕しているが変位の証拠がない(中も周辺も)ため、断層と断言できない = 熱水破砕?と言いながら、大背の前で数人の地質屋と観察しました。明瞭なせん断構造・形態を有するものも多いけれど、このような粘土の中の粒が割れただけのような破砕部も多く見てきました。
熱水破砕部がすべりを起こすとどう変化するのか見てみたいですね。
しかし、こういった現象は試験室で再現できないのでしょうか?高圧の場合、低圧の場合、引っ張りの場合、圧縮の場合等々。それぞれの亀裂の発生形態で、「やはり地すべり特有なんだ」ということになれば、説明しやすいのですが。
基本的には、地すべりは「地質+荷重のバランス」だと思いますので、その一方だけ追い求めて解けるものとは思いません。しかし、現状は後者優勢ですので、このような研究が進めば地すべりの「解法」が進展するように思います。
今後の検証が楽しみです。
Surface Complexation Modeling
PHREEQCで吸着を扱おうとすると、自然と ferrihydrite の surface complexation modeling もコンセプトの1つに入ってきます。
この鉱物の logK がデータベースに入っていますので、簡単に扱えます(というか、このデータしか私は扱えません)。
sourceはコチラ↓。
David A. Dzombak; Franois M. M. Morel, 1990
Surface Complexation Modeling: Hydrous Ferric Oxide
有名な本(というか、データベース)なのですが、私は持っていません。この話を扱い出すと欲しくなるのですが、高くて買えません。他の教科書に解説はありますし、データ自体は手元にあるので、毎回「ま、いいか、」となります。
で、最近またこの Hfo を扱い出したのですが、入力パラメーターの意味するところを完全に忘れていました。教科書を見直してようやく思い出す始末(Ex7.9に詳しく載っています)。もっと頻繁に手を動かさないとダメですね。理論も復習しないといけません。
現状、このような surface complexation modeling はもちろん、geochemical modeling 自体、流行っていません。Hfoと species の中の1つだけ扱うなら、手計算でもある程度は可能でしょう。しかし、そこに他の元素が入ってきただけで、一気に困難になります。さらに、それらの物理的移動(地下水流動など)があれば、もう計算機に頼るしかないでしょう。
自然由来重金属のマニュアルでは移動の計算も視野に入っていますが、残念ながら移流分散のみで水質を予測する現状には限界があるということです(もちろん、反応を連成させても限界はあります)。
今後は反応計算だけでなく、分子シミュも発展してくるでしょう。
まだまだ頭に入れることは山のようにあるということです。
この鉱物の logK がデータベースに入っていますので、簡単に扱えます(というか、このデータしか私は扱えません)。
sourceはコチラ↓。
David A. Dzombak; Franois M. M. Morel, 1990
Surface Complexation Modeling: Hydrous Ferric Oxide
有名な本(というか、データベース)なのですが、私は持っていません。この話を扱い出すと欲しくなるのですが、高くて買えません。他の教科書に解説はありますし、データ自体は手元にあるので、毎回「ま、いいか、」となります。
で、最近またこの Hfo を扱い出したのですが、入力パラメーターの意味するところを完全に忘れていました。教科書を見直してようやく思い出す始末(Ex7.9に詳しく載っています)。もっと頻繁に手を動かさないとダメですね。理論も復習しないといけません。
現状、このような surface complexation modeling はもちろん、geochemical modeling 自体、流行っていません。Hfoと species の中の1つだけ扱うなら、手計算でもある程度は可能でしょう。しかし、そこに他の元素が入ってきただけで、一気に困難になります。さらに、それらの物理的移動(地下水流動など)があれば、もう計算機に頼るしかないでしょう。
自然由来重金属のマニュアルでは移動の計算も視野に入っていますが、残念ながら移流分散のみで水質を予測する現状には限界があるということです(もちろん、反応を連成させても限界はあります)。
今後は反応計算だけでなく、分子シミュも発展してくるでしょう。
まだまだ頭に入れることは山のようにあるということです。
2012年2月20日月曜日
stylolite
本を読んでいて分からない岩石名?鉱物名?が出てきました。
stylolite
聞いたことがありません。
ネットで調べても日本語のページはほとんどないので、日本で調べている研究者はいないのでしょう。
圧力融解でできる構造 (surfaces) のようですね。
Qz やcalcite が clay-rich or micaceous laminae に接し融けて、縫合線や歯ような噛み合わせの面を作るようです。融けた元素が拡散し周囲の空隙沈殿するため、mmオーダーで見ると透水性にも影響しているようです。
次から石灰岩をみるときには気をつけて見てみましょう。
stylolite
聞いたことがありません。
ネットで調べても日本語のページはほとんどないので、日本で調べている研究者はいないのでしょう。
圧力融解でできる構造 (surfaces) のようですね。
Qz やcalcite が clay-rich or micaceous laminae に接し融けて、縫合線や歯ような噛み合わせの面を作るようです。融けた元素が拡散し周囲の空隙沈殿するため、mmオーダーで見ると透水性にも影響しているようです。
次から石灰岩をみるときには気をつけて見てみましょう。
2012年2月18日土曜日
Unreasonable Model
例の Geochemical Modeling の本の内容です。
どのようにすれば空間的、時間的に限られた実測値を用いて答えを出すことができるか?を期待して読んでいた箇所ですが、ようやく読み終わりました。50ページを、読む日があったり、なかったりして、1か月強。
しかし、内容は期待とは少し異なっていました。
複雑な現象をモデルに取り入れようとすると、必要なデータの種類が多くなります。しかし、実際は限られたデータしか得られないことが多い(金銭的にも時間的にも)。では本当の答えが出ないのであきらめるのか?無理に答えを出すのか?というとそうではありません。
その限られたデータと解釈の中で、可能性のあるプロセス組み合わせを全てモデル化してみる(本ではその数が160にもなっていました)。計算機はモデラーの意図したプロセスを空間的、時間的に補完し、結果を返してくれる。モデラーはそれを reasonable、unreasonable なモデルに区分できる。つまり、可能性を潰しながら真実に近いモデルに迫ることが可能というわけです。正解だけでなく、Unreasonable Model を探すというのも計算の重要な役割でしょう。
今まで、正解ばかり性急に求めすぎていました。そういう着地点も誠意があって良いのかもしれません。
また、以下の言葉も印象に残りました。
私の場合、思考過程が進むたびに、新たな見落としが顕在化し、現場に戻ることが多々あります。現場に答えはあるのだけど、なかなか1度では見抜けません。時間がかかります。先日も、モデル計算の結果、矛盾が生じ再度現場に行くことがありました。
http://phreeqc.blogspot.com/2012/02/jarosite-2.html
いずれも、私にとっては有益な情報でした。
では、次の事例に進みましょう。
どのようにすれば空間的、時間的に限られた実測値を用いて答えを出すことができるか?を期待して読んでいた箇所ですが、ようやく読み終わりました。50ページを、読む日があったり、なかったりして、1か月強。
しかし、内容は期待とは少し異なっていました。
複雑な現象をモデルに取り入れようとすると、必要なデータの種類が多くなります。しかし、実際は限られたデータしか得られないことが多い(金銭的にも時間的にも)。では本当の答えが出ないのであきらめるのか?無理に答えを出すのか?というとそうではありません。
その限られたデータと解釈の中で、可能性のあるプロセス組み合わせを全てモデル化してみる(本ではその数が160にもなっていました)。計算機はモデラーの意図したプロセスを空間的、時間的に補完し、結果を返してくれる。モデラーはそれを reasonable、unreasonable なモデルに区分できる。つまり、可能性を潰しながら真実に近いモデルに迫ることが可能というわけです。正解だけでなく、Unreasonable Model を探すというのも計算の重要な役割でしょう。
今まで、正解ばかり性急に求めすぎていました。そういう着地点も誠意があって良いのかもしれません。
また、以下の言葉も印象に残りました。
No Model is ever final.Any models are never とはニュアンスが違うのでしょうね。だから、現地、室内試験、モデルの解釈などを頻繁に行き来する必要があるとのこと。その通りだと思います。
私の場合、思考過程が進むたびに、新たな見落としが顕在化し、現場に戻ることが多々あります。現場に答えはあるのだけど、なかなか1度では見抜けません。時間がかかります。先日も、モデル計算の結果、矛盾が生じ再度現場に行くことがありました。
http://phreeqc.blogspot.com/2012/02/jarosite-2.html
いずれも、私にとっては有益な情報でした。
では、次の事例に進みましょう。
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