2013年9月12日木曜日

Dtransu の流速 その2

飽和時の計算について、マニュアルには何も書かれていませんでした。


仕方ないので、ソースを見てみました。

ここですね。


C     DETERMINE RELATIVE HYDRAULIC CONDUCTIVITY
C
        LTB = MTBL3D( MAT )
        DO 61 K=1,NN
          I = LM(K)
C
c-------- confined problem ----
          if( kan2.eq.0 ) then
            CR(I) = 1.0
            TXX(K) = 100.0D0
            go to 61
          end if
c
          IF( P(I).LT.0.0 ) THEN
          CALL INTERP(XYP( 1,NMTB(1,2,LTB)+1 ),TX,P(I),NMTB(2,2,LTB),1)
          TXX(K) = TX
          IF( CR(I).LE.0.0 )
     2    CALL INTERP(XYK( 1,NMTB(1,1,LTB)+1 ),TX,CR(I),NMTB(2,1,LTB),0)
          ELSE
          CR(I) = 1.0
          TXX(K) = 100.0D0
          END IF
C
   61   CONTINUE



      SUBROUTINE SETCR( KODE,P,P1,CR,T,CS,POR,XYK,NK,XYP,NP,XYC,NC )
C
      IMPLICIT DOUBLE PRECISION (A-H,O-Z)
C
      COMMON / CTPRM2/ KAN1,KAN2
C
      DIMENSION XYK(2,NK),XYP(2,NP),XYC(2,NC)
C
      IF( CR.GE.0.0D0 ) RETURN
      IF( KAN2.EQ.0 ) GO TO 2000
      IF( P.LT.0.0D0 )  GO TO 1000
C
C---- SATURATED ---------------------------
C
 2000 CR = 1.0D0
      T  = POR
      CS = 0.0D0
C
      RETURN
C
C---- UNSATURATED -------------------------
C
 1000 IF( KODE.LT.1 ) CM = P
      IF( KODE.GE.1 ) CM = (P+P1)*0.5D0
      CALL INTERP( XYP,T,CM,NP,1 )
      CALL INTERP( XYK,T,CR,NK,0 )
      CALL INTERP( XYC,T,CS,NC,0 )
      T = T*POR*0.01D0
      CS= CS*POR
C
      RETURN
C
C
      END




コメントがないので誤っているかもしれませんが、飽和のフラグを立てると、比透水係数1、体積含水率 = 有効間隙率で計算しているのでしょう。単純に、この条件で負圧となれば不飽和時よりも上昇流や水平方向の流れが発生しやすいということでしょうね。


結局、変換ツールのソースを、圧力水頭がマイナス時は、Vi ⇔ { 0, 0, -0.1} として吐き出すように修正しました。不飽和の部分では鉛直下降流が起こっている、という、よくある簡略化です。

そうすると、TECPLOT の streamline が、思い描いたように綺麗になりました。


うーん、いいのか?



2013年9月8日日曜日

Dtransu の流速

Dtransu の計算結果を Tecplot で可視化しています。

といっても、移流分散ではなく、浸透流。
流速3成分から streamline を描こうとしていたのですが、なかなかできません。

Tecplot の設定は問題なさそうでしたので、変換結果を見ました。すると、節点流速が出ていません。そりゃ、描けないはずです。

Dtransu に付属の変換ツールの詳細を見てみますと、流速を読み飛ばす仕様になっていました。それなら、「読んだ後に節点情報とまとめて書き出せばよい」と考え、ソースを修正。
修正したソースをコンパイルし、実行すると、ちゃんと書き出せました。で、それを Tecplot で読み込み。

が、エラー。
なぜ?と思いながら調べてみますと、原因は私のミスでした。
変換ツールが読み飛ばしていた流速は、要素流速。これを節点流速だと思い込んで、節点情報に付加して書き出していました。Dtransu の浸透流では、要素流速しか書き出さない仕様で、節点流速に直してくれないんですね。移流分散は実流速を節点流速として書き出してくれるのですが。

Tecplot では要素流速の取り込み方がわからなかったのと、それを別途書き出して読み込ませるのも手間なので、結局、ダミーの移流分散として回すことにしました。


計算時間は掛かりましたが、節点流速は書き出されました。
濃度を設定していないため、非数 NaN を 0 に変換し読み込むと、ようやく streamline を描くことができました。長かった。


しかし、これで終わりではありませんでした。
なぜか不飽和の部分で上昇流が発生。今回は飽和の計算しかしていないので、不飽和部分が圧力水頭を持っているとは考えていませんでした。

この続きは、また後日。

2013年9月7日土曜日

斜面災害

8月末から9月頭にかけて、2度の大雨でした。

「大体、2回目の雨で崩れるよね」なんて言ってたら、その日の午後に呼び出し。
国道が崩壊した現場と、市道がすべった現場の2種類でした。出張の合間に、内業を進めようと帰社したら、逆に仕事が増えてしまいました。

国道は完全に地質屋のミス。でも、こういうこともあるのだと、改めて勉強になりました。

市道は早急に観測体制を確立する必要がありました。伸縮計を設置したのですが、通信機や警報機、回転灯などの配線接続は電気工事屋さんみたいな仕事です。もともと、伸縮計の設置は一人ではできなかったのですが、今ではより多くの知識と人数が必要になりました。

当然、その日のうちにネット上で監視できる体制にするため、通信機やサーバーの設定も必要です。今では携帯、スマホで経時グラフを確認できるようになっています。

開発側も大変でしょうが、使う側もそれなりの努力が必要です。






2013年9月3日火曜日

デニソンサンプラーと削孔径

二重管サンプラーの代表として、デニソンがあります。

デニソンサンプラーの中にはシンウォール管が入ります。そのため、掘削径はシンウォールより一回り大きいφ116mmとなります。これは一般的によく知られていますし、正解です。

しかし、二重管サンプラー = φ116mmは誤り。二重管サンプラーもトリプル同様にいくつかの径が出ています。掘削径 86mm で採取できるタイプも販売されています。地盤工学会基準「地盤調査の方法と解説」にもいくつかの径が紹介されています。

しかし、デニソン以外のサンプラーは、あまり見ません。トリプルの86タイプで硬質粘性土も採取できるからでしょうか?

ちなみに、固い粘性土であれば、小径倍圧サンプラーという手もあります。これなら、φ66mmでも採取可能です。ただし、水圧をかけるため、通常のホースでは破裂しますし、場合によっては機械が浮かないようにアンカーを取る必要があります。水周りを耐圧仕様にする必要があるため、やや面倒です。個人的には避けたいサンプラーです。

粘性土の場合、個人的にはアクリル管よりシンウォール管のほうが取り出しやすいので好きです。デニソンで上手に取っていただけるほうがありがたいですね。

トリプルサンプラーと削孔径

ボーリング調査時の乱れの少ない試料採取では、一般的に、以下の削孔径が必要とされています。

シンウォールサンプリング:φ86mm
デニソンサンプリング:φ116mm
トリプルサンプリング:φ116mm

ところがこれ、トリプルのφ116mm は誤りです(積算上はφ116mmしかありませんので正解ですが)。

市販品の中にはφ86mm で採取可能なトリプルサンプラーがあります。昔からよく使われており、普及しています。
私が頻繁に目にするのがコアーパック社の86TRIPLE。
砂を取るのにφ116mm は必要ありません。φ86mm で十分です。径が小さいと、試料落下のリスクも小さくなります。

オペさんにも何度か話を伺いましたが、サンプラー径が 116mm から 86mm になっても、礫径の影響はほとんど受けないそうです。礫にあたると、どちらも入らない印象が強いようです。それよりも、落下のリスクが小さい、削孔径の小さい方が容易等のメリットを選択される方が多いようです。

メーカーにも話を伺いましたが、一概に「礫が大きければ大きなサンプラーを」、というわけでもなく、「現場に応じて」とのことでした。要は、腕と経験で判断、ということなのでしょう。腕は重要だと思います。


分業が進み、現場を眺めているだけでは、径の違いにすら気づかないのでしょうね。いまだにトリプル=φ116mm が常識?となっているのはそのせいでしょう。

2013年8月31日土曜日

地震応答の把握

「考え方がよくわかる設計実務 3 耐震設計の基本」大成建設を読んでいます。

これによれば、耐震設計のフローは以下の通りとなっています。
①耐震性能と地震力の設定
②地震応答の把握
③構造物への地震入力と解析
④構造物の健全性照査
②まで読みました。よくわかります。が、これを読むまで②と③が頭の中で混ざっていました。②は地盤がどのように動くか、③は②で求めた地震外力を何らかの形で構造物に作用させ、構造物の変位や断面力がどうなるか、を求める過程ですね。橋梁屋さんや建築屋さんなどにとっては③のほうがメインでしょう。

②については以下の通り。

  • 簡易設定法
    設計水平震度、応答変位(地盤の固有周期と速度応答スペクトルを利用)の2種。
  • 等価線形解析法
    結果として等価となる G, h を用いる。振動数領域の動的解析法としてSHAKE が代表。
  • 逐次非線形解析法
    振動系の運動方程式を時間領域で逐次的に解いていく方法(直接積分法)。各時間ごとに G, h を変化させ、時々刻々と計算し応答を求める。解法に Newmark のβ法がよく用いられる。
  • 有効応力解析
    液状化の検討に使用される。透水を考慮しないFLIP、考慮する(応力と浸透を Biot で連立させて解く) LIQCA が代表。

Newmark のβ法の説明はわかりやすいですね。簡単な積分と図が示されています。なぜβを0.25とすることが多いのかは、今まで「そんなものだ」と思っていたのですが、そうすることで平均加速度(一定)になるんですね。うーん、何でも読んでみるものです。


2013年8月29日木曜日

気象庁の特別警報

今晩から気象庁の特別警報が始まります。

雨に関する発報指標は土壌雨量指数。大雨注意報や警報と同じです。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/kizyun.html

土壌雨量指数は全国一律のパラメータで計算されています。気象庁で採用された当時、そのパラメータは公開されていませんでしたが(私の調べ方が足りなかったのかもしれませんが)、現在は公開されています。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/dojoshisu.html

計算は全国一律なのですが、得られた結果に対する評価(発報基準値)は地域毎に異なっています。同じ土壌雨量指数が算出されても、大雨警報などで取り扱う場合には、その数値の意味が地域によって異なるということです。詳細は知らないのですが、雨慣れしている地域は基準値を高めに、雨慣れしていない地域は低めに設定されているようです(さすがによくできています)。今回の特別警報では、数十年に1度の値となっていますので、雨慣れというとらえ方は、大外れではないでしょう。論文を調べたら出てくるとおもいますが。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kijun/index_shisu.html

よく似た情報で土砂災害警戒情報があります。これは特別警報や大雨警報の1軸(土壌雨量指数)+履歴ではなく、多くは2軸(60分積算雨量+土壌雨量指数)+履歴のようです。国交省河川局砂防部が詳しい資料を公開されています。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/doshakeikai.html
http://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/sabo/dsk_tebiki_h1706.pdf



つい先日、先輩の話を聞く機会がありました。
深層崩壊と雨の関係について色々話されていました。目指すところは、土砂災害警戒情報のような2軸指標でなく、1軸の単純な指標だそうです。実際、一連の深層崩壊について実証されていましたので、正解かもしれません。

先輩によれば、素因の話がまだ残っているとのこと。
はい。地質屋は深層崩壊予測に対して明確な答えを出しているレベルにないといえるでしょう。誘因からせめて、説明できない個所の素因を調べる、といった手法のほうが前に進みやすいかもしれませんね。