今晩から気象庁の特別警報が始まります。
雨に関する発報指標は土壌雨量指数。大雨注意報や警報と同じです。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/kizyun.html
土壌雨量指数は全国一律のパラメータで計算されています。気象庁で採用された当時、そのパラメータは公開されていませんでしたが(私の調べ方が足りなかったのかもしれませんが)、現在は公開されています。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/dojoshisu.html
計算は全国一律なのですが、得られた結果に対する評価(発報基準値)は地域毎に異なっています。同じ土壌雨量指数が算出されても、大雨警報などで取り扱う場合には、その数値の意味が地域によって異なるということです。詳細は知らないのですが、雨慣れしている地域は基準値を高めに、雨慣れしていない地域は低めに設定されているようです(さすがによくできています)。今回の特別警報では、数十年に1度の値となっていますので、雨慣れというとらえ方は、大外れではないでしょう。論文を調べたら出てくるとおもいますが。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kijun/index_shisu.html
よく似た情報で土砂災害警戒情報があります。これは特別警報や大雨警報の1軸(土壌雨量指数)+履歴ではなく、多くは2軸(60分積算雨量+土壌雨量指数)+履歴のようです。国交省河川局砂防部が詳しい資料を公開されています。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/doshakeikai.html
http://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/sabo/dsk_tebiki_h1706.pdf
つい先日、先輩の話を聞く機会がありました。
深層崩壊と雨の関係について色々話されていました。目指すところは、土砂災害警戒情報のような2軸指標でなく、1軸の単純な指標だそうです。実際、一連の深層崩壊について実証されていましたので、正解かもしれません。
先輩によれば、素因の話がまだ残っているとのこと。
はい。地質屋は深層崩壊予測に対して明確な答えを出しているレベルにないといえるでしょう。誘因からせめて、説明できない個所の素因を調べる、といった手法のほうが前に進みやすいかもしれませんね。
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