2011年1月18日火曜日

高密度?弾性波探査

高精度弾性波探査は、従来のはぎとり法とは異なり、成層構造を仮定せずに解析できるため、得られる結果が高精度となります。PCの発展の賜物です。

今日、高精度弾性波探査の結果を他社に送っていると、高密度弾性波探査と言う言葉で返事が返ってきました。時々、聞きます。いったい何が高密度なのでしょうか?

名称の似たような探査に高密度電気探査というものがあります。実は、何が高密度なのか知りません。単順に、測点間隔が密なだけなのでしょうか?2極法や4極法などの手法自体は昔から変わっていませんが、電極の組み合わせ総当り戦的な計測ができなかったのでしょうか?
以前、4極法を実施したときに6時間以上連続測定していたことがありましたが(機械が電極組み合わせ自動で選択してくれるので、測定が始まるとただ見ているだけです)、これはさすがに昔はできなかったでしょう。昔はどんな「低密度」な手法をとっていたのでしょう?気になります。

話は戻しますが、高密度弾性波探査というのも受振器設置間隔が密なのでしょうか?
機会があれば専門の方に聞いてみましょう。

トンネルと地すべり

地すべりブロックど真ん中にトンネル坑口を設けるため、安定計算をすることになりました。(なぜそこに坑口を計画されたのかは不明です。)

実績的には道路公団の手法ですが、これに対応したソフトがありません。この時期、手計算は避けたいので、SSA_3Dを使おうかと思っています。
前から書いている設定困難な3次元安全率ですが、2次元計算の必要抑止力から求める方法にしましょう。フォーラムエイト、鵜飼先生の提案手法です。
http://www.forum8.co.jp/product/uc1/jiban/pdf/LEM20040901.pdf
http://phreeqc.blogspot.com/2010/08/blog-post_14.html

やや後ろ向きの感はありますが、実務上は良いでしょう。

2011年1月16日日曜日

酸性水の実務的計算法

トンネル掘削で出たずりを盛土に使用する場合、酸性水や重金属汚染が問題になります。自然由来の汚染問題です。これを正攻法で解くには浸透流-化学反応連成解析(非定常)が必要になります。
酸性水対策はlimestoneベースのPRBがいいなと思いテキストを読んでいましたが、そのような連成解析ベースの設計法は確立されていないようでした。そこで思いついたのが、簡易な計算法です。概要は以下の通り。

安全側の濃度計算
(岩石が出しうる最も低いpHで、境界において基準値を超えるかどうかの計算)
①CNS分析でpyrite、calcite含有量推定。
②バッチ式溶出試験と地球化学コードにより、maxの濃度(飽和濃度)とpHを求める。
③濃度固定で飽和移流分散-化学反応連成解析(定常)を行い、境界での濃度を基準値と比較。
④超える場合はPRBの設計。カラム試験より有効間隙率、実流速(滞留時間)を求め、設計長を結滞。地球化学コードでチェック

こんな感じでしょうか。地下水の水質分析が必要になりますね。地盤の化学特性はXRD+RockJockで推定です。安全側の計算になるため、基準値を超えないならそのまま施工しても問題ないでしょう。

しかし、後ろ向きですよね。
書いていて、急につまらなく思いはじめました。正攻法から逃げているだけですもの。こんな方法では駄目ですね。

やはり自然のままにモデル化し、評価するべきです。

FEMAP

「はじめてのCAE 静的解析偏」が届いたので、仕事も忙しい中、夜中にFEMAPを触っていました。

6時間ほどで一通り終わりました。操作入門に徹しており個人的には物足りない内容でしたが、それでもFEMAPの操作感を得ることはできました。
基本は材料を設定し、メッシュを切って要素にプロパティーを設定し、拘束条件、荷重を設定するといった流れで、SoilPlusと同様でした。CatsFlow時代はFEMAPベースだったので当然かもしれません。

しかし、本当に知りたい所であった複雑なメッシュ作成に関しての知見は得られませんでした。まだまだ時間がかかりそうです。

2011年1月15日土曜日

音波探査

今週末、音波探査結果の解釈について御指導いただいておりました。

結果を見て素人の私が予想していた答えと、専門の先生の答えは結構違っており、また、それが「なるほど!」と理解できる答えばかりなので、非常に勉強になりました。
音波探査による結果は音響インピーダンス(速度は変わらないので密度)の差でしかなく、それを解釈するには地質の知識が不可欠ですし、それらを詳細に見つけようとするには探査の知識が不可欠です。また、それらを照らし合わせた経験も重要になってくるようです。

探査機自体は100万~のようで、すでに保有している航跡を得るためのGPSとも連携できます。1日あれば広域のデータが得られますので、海上調査では威力を発揮します。護岸調査でもボーリングを補間するために手軽に使えるのではないでしょうか?

結果の表現はやはり3次元ですね。3次元でとったデータは3次元で表現するほうが素直ですし、直感的に理解しやすいです。少し調べると、SEGYデータはVoxlerで読めることがわかりました。http://www.hulinks.co.jp/software/voxler/fileformat.html
このソフトは手元にあるため、コチラもチャレンジです。

いずれにしても、このような機会が得られたことに感謝です。

2011年1月9日日曜日

SKB

先週、本を9冊注文しました。計5万6千円です。専門書は高いですね~。洋書が特に高い。でも、Geochemiや水質分析、それらの対策の話は日本の研究よりもはるかに進んでいるので仕方ないですよね。痛いですが。

そういえば、地下深部の新鮮な花崗岩類の透水性について数年間地下にもぐり続け調べたことがありますが、そのときに役に立ったのがSKBの文献です。膨大な資料が今も公開され続けています。http://www.skb.se/
ここでは結晶質岩の透水性について各国が参加し国際的に研究されたことがあります。日本もJNCが参加していました。日本の地層処分の研究もココの流れを汲んでいます。で、残念ながらその報告書だけは非公開なのですが、地質について非常に重要なデータが示されています。特に「地質と水みちは関係ない」といった結論は衝撃を受けました。(余談ですが、現在、瑞浪では関係有といった内容の発表がされています。)当時、私も含めた各社の地質屋さん10人程度でかなりの数の切羽、大背、BTV、コアなどを観察し、議論しましたが、結局は結論付けられず他に何かあると思っていた矢先の話でした。前にも書きましたが、初期地圧を組み合わせる必要があると考え始めたのは、この資料を読んでからです。ターニングポイントとして十分な価値を持つ報告書でした。

地質屋は地質のみに結論を求めがちですが、自然現象でその分野のみに答えがあるというのは不自然です。自然は複雑です。また、地質屋は物理的・化学的な議論を避けたがりますが、自然現象を説明するにはそれらの知識も必要です。それらを習得して初めて地質屋と宣言して良いのではないでしょうか?どこかの経営者が技術者はT型、π型であるべきといっていましたが、まさに地質屋は様々な設計手法や物理化学知識を習得したゼネラリストであり、地質に特化したスペシャリストであるべきなのでしょう。
まだまだ学ぶべきことは多くあるようです。

SSRFEM

平面ひずみ状態で思い出しましたが、10年以上前、地すべり学会のFEM講習会に言ったときの話です。
講師の方がSSRFEMを紹介されていました。地すべり学会誌の講座でも紹介されている手法です。http://www.landslide-soc.org/landslide/education/pdf/finite_element_method_for_landslide_analysis_04_40-3.pdf
あるモデルを説明する際に、「平面ひずみ状態であるから2次元モデルで表現した場合・・・」ということを言われました。「では、設定する強度定数も平面ひずみ状態のものを使用するのか?」と質問したところ、「モールクーロンの破壊基準が平面ひずみも三軸も関係ないので、そこまでこだわらなくて良い」と返答されました。
今でも真意はよくわかりません。実務的には2次元の強度定数は現状あわせなので、順解析でもそれなりの強度に調整するのでしょう。

2次元が前提であれば、SSRFEMは、良い手法だと思います。自動的に最もすべりやすい面の位置を探索できますし、地質的な弱面も反映できます。安全率も通常のLEMと同義なので、Fp=1.2の経験則を受け継ぐには実務上都合が良い手法だと思いました。
しかし、この手法は現在でもほとんど使われていません。鉄道の内部基準で取り入れられた程度でしょうか。安全率も含め、安定計算に関する経験則はかなり根が深いものなのでしょう。

ただし、道路土工の盛土基準に変形・浸透流解析が取り入れられたこともあります。非常にゆっくりですが真実に近いモデルで解きたいといった純粋な技術者の思いや、ハード、ソフト面でのFEMの裾野は広がりつつあると感じています。今後の動向に着目です。