物理探査へのスパースモデリングの適用を調べていた際に、Joint Inversion というキーワードが目に留まりました。
いくつかの解き方があるようです。
複数の物理量を個別に最適化すると、それらの結果から統一された解釈を生み難くなります。本来、ある関係式で物理量が結びつけられているはずなので、それを定式化し inversion 時に考慮しよう、という流れが最も理解しやすいと思います。
pyGIMLi では、岩石の空隙率と飽和度を介し、弾性波速度と比抵抗値を結合しています。
Carsten Rücker(2017)pyGIMLi: An open-source library for modelling and inversion in geophysics
The Archie equation relates the bulk electrical resistivity of a medium ρ to the fluid resistivity ρf and saturation S depending on porosity ϕ (Archie, 1942):petrophysical は貯留性の視点からみた(空隙に目を向けた)岩の物理量でしょうか。Archie equation はリザーバーとしての砂岩に対し報告されていた式のようです。結晶質岩ではありません。透水性との関係も図に表現されています。
ρ = a・ρf・ϕ^(-m)・S^(-n) (11)
To create geophysical parameter distributions, we apply common empirical petrophysical models, e.g., Archie's equation (eq. (11)) that provides the resistivity ρ as a function of saturation S. Sonic velocity v (or its reverse, the slowness s) as a function of porosity ϕ and saturation S is given by the time-average equation (Wyllie et al., 1956):
s = 1/v = (1-ϕ)/vm + ϕS/vw + ϕ(1-S)/va (12)
https://onepetro.org/TRANS/article/146/01/54/161691/The-Electrical-Resistivity-Log-as-an-Aid-in
この関係式の利用は日本でも報告されています。
https://phreeqc.blogspot.com/2012/10/blog-post_23.html
文献の対象は花崗岩。当時、亀裂の影響について引っかかっていますね。ま、堆積岩や堆積物を対象にしたり、地球規模のマクロなスケールだと使えそうです。が、15年経過した現在、土木分野ではインバージョンにまで至っていません。浸透しない理由を挙げることは容易ですが、努力しない理由にはなりません(反省)。
先日の海外のセミナーでは、8つの物理量をインバージョンで扱われていました。いくつか結合できる点は想像できますが、8個全ては想像できません(他の流儀の解き方かもしれません)。
関係性をコツコツ研究されてきた昔の方々にあらためて敬意を表します。
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