2021年6月25日金曜日

地震波干渉法

地震波干渉法について。

ノイズやコーダ波から相互相関関数を計算し(といっても、周波数領域では乗算)、グリーン関数を抽出する方法として知られているそうです。先日は cross-validation of ambient-noise として、計算していました。

その際に集めていた国内の文献です。時間ができたので、あらためて整理。


山下ほか(2010)地震波干渉法による西日本の地殻速度構造(1)
・F-net
・1ヶ月のデータ
・R, T, U 3成分
・記録長1時間、最大ラグ100秒で相互相関関数を計算後スタック

林田ほか(2014)中京堆積盆地における表面波群速度の推定-Hi-net連続地震観測記録を用いた地震干渉法に基づく検証-
・F-net と Hi-net の地震干渉法結果比較
・1年間のデータ
・毎正時から1時間毎、100秒で相互相関関数を計算後スタック
・前処理:0.05~2.0Hz、Running Absolute Mean Normalization に基づく正規化
※相互相関関数に対しMFTで群速度を算出。
 周波数の刻み幅0.005Hz、帯域幅=対象周波数の0.8~1.2倍の範囲

中原(2016)解説 地震干渉法 その2 応用
・1年間程度が理想
・適当な時間長の抽出
・相互相関関数を求め、スタック
・前処理:バンドパスフィルタ、1ビット化、移動平均RMS振幅エンベロープによる割り算、周波数領域で白色化

起田ほか(2019)福島県の広帯域リニアアレイで観測された常時微動の地震波干渉解析
・F-net と Hi-net
・6ヶ月間のデータ
・3成分
・15分間の相互相関関数を4個平均して1時間重合相互相関関数とし、スタック
・前処理:1秒間の時間規格化、1ビット化、白色化
※相互相関関数に対しMFTで群速度を算出
※Takagi et al.(2014)の方法で群速度から表面波の分離
Vertical-Radial XCORR (ZR)、Radial-Vertical XCORR (RZ)の和からレイリー波の寄与を相殺し、P波の寄与のみを保持。差をとることでレイリー波の寄与のみを保持。


先日実施したのは、
・1ヶ月のデータ
・1時間(50%のオーバーラップ)で相互相関関数を計算後スタック(周波数領域)
・前処理:1ビット化、白色化

1ビット化が効いたような気がします。白色化(正規化)はまだ理解できていません。
 
この手法、デジタル信号を扱う音響分野でも利用されているようです。いろいろな分野で使われている手法の一つなのでしょう。お手軽ですから。

次は時系列変化、実体波と表面波の分離を目標にしましょう。

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20210626追記

実装内容が書かれた文献に、白色化に関する記載もありました。 正規化です。

Emanuel D. Kästle et al.(2016)Two-receiver measurements of phase velocity cross-validation of ambient-noise and earthquake-based observations

Cwhitened(ω) = (U1(ω)U*2(ω))/(|U1(ω)||U2(ω)|)

There are also other approaches to achieve this (e.g. Bensen et al. 2007; Ekstrom et al. 2009); Ekstrom (2014), however, notes that effects of whitening or removal of earthquake signals have only very small influence on the phase-velocity measurement.

ノイズが表面波主体とするなら、当然ですが、目的に応じた成分での使用を。

This procedure is applied to the Z- or R-component recordings for Rayleigh waves and T-component recordings for Love waves.

 

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