2021年4月3日土曜日

PCR 検査の FNR

年度末、体調を崩し気味になる方が周りで増えていました。

3月、私も喉を少し痛めました。ほぼ毎年かかる扁桃が少し腫れた状態です。軽い風邪なのかPM2.5なのか、花粉症なのか。発熱はありません。コロナに該当するといわれる症状が喉以外に見あたりません。が、万が一の場合のリスク(周りの方々への御迷惑云々)を考え、仕事帰りにPCR検査を受けました。

規模の大きな病院だったためか非接触が徹底されています。web問診、web診断でPCR受検が決まり、キットに唾液を入れて、最後にアクリル越しの対面診断という流れでした。医師、看護師の安全を最優先という方針がよく伝わりました。たった1年で全国にこのような仕組みが作られていることに感心。各自治体がもっと住民にアピールした方が良いと思います。HPだけだと詳細がわからないですからね。動画なりTV番組なりで周知すべきです(私が知らなかっただけかもしれませんが)。

今回、受診する際に知ったのですが、PCR検査は医師でなくても取り扱い可能なようです。医療とは無関係な民間事業者もサービスとして多く参入しています。低価格を売りにしている事業者も見かけました。
急に事業者が増え、安い検査が出てくると、受ける側としては精度の担保が気になりますね。ま、情報がないので、診断を提供する医療と安心を提供するサービスといった、2種類の別の検査があると思っていた方が良いのかもしれません。どちらも需要はありますので、使い分ければ良いのでしょう。テレワークを導入できない企業のリスク管理、BCPとしての需要は大きなはずです。従業員全員が定期的に安価な民間検査を受ける、風邪の初期症状のようなものがあれば随時医療機関で検査を受ける、というのがそういった企業での一管理手法でしょうか。

結果は翌日に判明。慎ましく生活していたためか、予想通り陰性でした。が、FNR(偽陰性率)について気になったので調べてみました。

2020/8/18
日本疫学会
https://jeaweb.jp/covid/qa/index.html
https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/M20-1495

PCR検査の感度は?についての結論ですが、PCR検査の感度については、PCR検査自体以外の要因の影響が大きいこともあり、一概に感度は何パーセントであると言い切れないのが実情です。
あえて、Kucirkaらの結果から感度を示すとすると、感染から8日目(症状発現の3日後)に偽陰性割合が最も低くなり、その値が、20% (95%信頼区間:12% ― 30%)となることから、感度として一番よい値になるのが、感染から8日目(症状発現の3日後)の80%(95%信頼区間:70%-88%)となります。
2020/9/28
北海道大学
https://www.huhp.hokudai.ac.jp/wp-content/uploads/2020/09/release_20200928.pdf
https://academic.oup.com/cid/advance-article/doi/10.1093/cid/ciaa1388/5911780
陽性者は唾液 48 例、鼻咽頭ぬぐい液 46 例であり、それぞれの感度は 83-97%対 77-93%、特異度は両者ともに 99.9%以上でした。

評価するには陽性数が少ないと思われますが、昨年9月時点の値としてはFNR=約1~2割のようですね。うーん、スクリーニングなのでもう少し拾っているのかと思っていましたが、そうでもないようです。他に良い手法がないのでしょうね。というか、被検者の感染からの日数が見かけ上の値を左右しているようなので、検査手法自体の評価はできないのでしょう。
そのうち、データが覆されるということは十分に考えられますし、改良されたり良い手法がデフォになるかもしれません。そう思うと、今一番良い選択肢はリモートなんですよね(私の勤め先では、陰性で出社という決まりで選択できませんが)。

後日、周りの体調を崩されている方に受検を勧めたら「いや、受けないよ!」となぜか拒否反応でした。普段、防災に携わっている方々でも、バイアスを取り除くのは難しいようです。

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20210404追記

医師曰く、今年はインフルエンザ患者が非常に少なかったようです。それに対し、コロナ患者さんが一定数出ていますので、感染力は後者の方が相対的に高いといえるようです。

 

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