【研究成果】土石流発生リスクを地下水の温度で予測
この研究、ビジネスに展開するには次の3点をクリアしなければならないでしょう。降雨がある程度強くなると、地下水位が上昇するために、地盤内でも下から上に水分が広がっていきますが、通常は地表から地下に降りていく雨水によって地表面の熱が伝わっているために、地下水の温度は上昇します。ところが、平成30年7月豪雨では地下水位上昇時に水温が急激に低下することが観測されました(図)。これは、地下深いところにある岩盤内の水圧が高まって、岩盤から表層の風化層に冷たい水が供給されて地下水位が上昇したことを示しており、豪雨時に基盤から表層斜面に水が供給されることを裏付ける貴重なデータとなりました。
・非発生斜面との比較(非発生斜面では温度低下が認められない?鈍い?)。
・流域の全斜面はもちろん、全国に温度計を設置するのは不可能。代替案が必要。
・短期雨量に起因する土石流発生。
1点目。研究の根源でありビジネス以前の問題です。今後、他の谷での観測結果を待ちたいところです。
2点目。文献では1つの谷に対し5箇所で観測を行っていました。5箇所でも少ないのに、他の斜面、全国展開となるとお手上げでしょう。が、契約民家裏の谷のみをビジネスの対象とする、土砂災害警戒情報にあわせてメッシュ対応にする、数値実験や SWI を利用するなど、代替え案は考えられます。
3点目への対応は厳しいでしょう。先日の岡山県北部で発生した土石流は拾えないでしょう。
いずれにしても、まだこれからの研究。
今後のデータ蓄積・分析に期待しましょう。
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