浸透流計算において、より正確な降雨浸透量を推定する必要があり、蒸発散の計測を行う現場があります。
それを提案した技術者から、他に役に立つ手法ないか?と聞かれました。
それなら、同時に土壌水分を測っておけば?と答えておきました。テンシオや、TDRなどでデータを得ておけば、逆解析によって透水係数を求められると考えたのです。モデル作っておけば、降雨量から浸透量を求めることが可能です。その量を三次元モデルの境界条件に使用すれば、良いのです。
ただ、機器の設置が難しい。
孔をあけて埋め戻すと、それだけで間隙比が変わってしまいます。間隙比が変わってしまうと、何のモデリングをするために測っているのか分かりません。
ある大学の現場では、トレンチの壁面に刺して計測されていました。しかし、計算は1次元。壁面からの蒸発は無視。さすがに先生の名前がないと、使えません(率先して使いたいとも思いませんが)。
最近の文献を見ていますと、以下に設置例が載っていました。
地下水地盤環境に関するシンポジウム2011発表論文集
原位置中水分計測による浅地層における降雨浸透量の評価方法
地表面からφ 50mmのライナー採土器を用いて掘削したボーリング孔底に市販の ADR 水分計と、テンシオメーターを設置した。なお、迂回浸透を防止するため機器と原地盤の隙間は低膨張性の石膏で埋め戻した。なぜ石膏?と思いましたが、その答えは以下によるようです。
http://gw.civil.okayama-u.ac.jp/jgs-okayama/others/seminer_report_2002/paper.pdf
http://gw.civil.okayama-u.ac.jp/jgs-okayama/slope/slope2001/No6/OHP010803.pdf
最初は?でしたが、三次元配置であれば迂回浸透回避に着目しておけば良いということなのでしょう。
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