2014年8月30日土曜日

PS検層の卓越振動数

國生剛治「地震地盤動力学の基礎」を読んでいますと、面白い話題を見かけました。

PS検層では、ダウンホールかサスペンションの2択だと思います。これらの特徴は以前記載した通りですが、発振波の卓越振動数も異なるようです。p49~50付近です。
  • ダウンホール法 数10Hz
  • サスペンション法 1kHz以上・・・短い伝播距離での測定精度を高めるため。
これ、初めて聞きました。検索しても情報は得られませんでしたので、どこまで汎用性のある情報なのかわかりません。今後気にしておきましょう。


引き続き、波長の話。
  • λ=Vs/f より、ダウンホール法のf=50Hz 程度あれば、150m/sec の層で波長は3mとなる。そのため、30cm程度の不均質性は均されて、平均化された速度で伝播する。
  • サスペンション法のf=1kHz 程度あれば、300m/sec の層で波長は30cmとなり不均質性の影響を受ける可能性がある。
  • 波長の短い波が速度の速い部分を選択して通過する。数Hz以下が主体の地震波に対し、サスペンションでは早い速度を測定する可能性がある。
よくわかりません。

ただ、地震波が数Hz以下主体であれば、ダウンホールで良いのではないかと思います。サスペンションで実施した結果も、層毎で平均化して使用しますし、わざわざ卓越振動数の異なる手法を採用する理由もありません。サスペンションは塩ビ管を入れケースを抜きますので、塩ビ管周りの崩れ(ゆるみ)の影響を受けている可能性もあります。

判断するには、もう少し、知識が必要ですね。

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20250206追記
当時、何がわからなかったのかがわかりません。少し知識がついたのでしょう。


VisualSFM

地すべり学会に参加された方より、UAV による SfM の発表があったと聞きました。

123Dユーザーがクラウドでモデルを作成・投稿しあっている御時世に、単体作成を学会で発表というのは違和感ありますが、ま、そのようなものなのでしょう。

防災研さんが使われていたというソフトは、Agisoft PhotoScan。
http://www.agisoft.ru/products
座標をうまく認識するのか知りたかったのですが、有償のためで試せませんでした。ReCap や 123D に慣れていますので、思わず「高い!」と感じました。が、1000枚もの画像を扱える、座標系を設定できる、3D PDF に吐き出せるということですので、機能的には良いほうなのでしょう(それでも購入しようとは思いませんが)。
http://downloads.agisoft.ru/photoscan/sample04/sample04.pdf


以前読んだ研究報告に出ていた VisualSFM はフリーでした。
早速、ReCAP と同じデータで比較してみました。
http://ccwu.me/vsfm/

CUDA 版を DL し、解凍。80枚強の画像を読み込んで、マッチング、その後に粗いモデル化を行いました。CUDA の効果がどの程度だったかわかりませんが、6コア12スレッドフル活用で約10分程度。案外、早い。

次に密なモデルに再作成しようとしたのですが、別途「CMVS/PMVS」が必要とのことでした。リンク先から探してDL、実行すれば17分で出来上がりました。これも早い。

で、できた結果を見ると、

粗い。

残念。

ま、そのようなものなのでしょう。

恐るべし Autodesk。


2014年8月28日木曜日

ロボットとしてのUAV

先日の共同通信社への映像提供は、ルーチェサーチさん。
検索してみると、橋梁維持管理のロボット技術に関する現場検証に応募されているようです。建技さんや広島工業大学と共同開発ですね。
橋梁は屋外ですので、GPS の電波を拾いやすいのでしょう。UAVの応募は9件あります。誰もが容易に思いつく、お手頃のツールだったのでしょう。
http://www.mlit.go.jp/common/001047636.pdf

それに比べて、トンネルのUAVは2件のみ(全件数も少ないですが)。非 GPS 環境対応を売りに、応募されている会社もあるようです。やはり、屋内では難しくなるのでしょう。ま、そのうち改良されるとは思いますが。
橋梁・トンネル共に、どのロボット技術が進展するのか楽しみですね。
http://www.mlit.go.jp/common/001046751.pdf

めざましテレビでも、広島土砂災害の現場で Phantom を飛ばしていたようです。15分ほどで帰還させないといけないので、下流のみの撮影だと思いますが、意外と多くの土砂が残っています。
http://fcs2.sp2.fujitv.co.jp/text.php?cKey=1&tKey=352


人の入れない場所、危ない場所、手間のかかる場所にロボット技術を用いる、それは自然な流れだと思います。

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22:50追記
NHKニュースでもUAV飛ばしていました(地盤工学会のヘルメットが写っていましたが)。Phantomですね。こちらは、流路に沿って飛ばした映像も放送されました。災害にUAVは、定着しそうです。


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23:50追記
NHK NEWS WEB でもドローンが取り上げられていました。解説は千葉大学の野波教授。要約すると、以下の通り。

「急成長!無人飛行機ドローン」

Facebook、Amazon、Sonyなど、ドローンの使用が産業界に取り入れられようとしている。

ラジコン・・・目の届く範囲(50m程度)、飛ばすのが難しい
ドローン・・・コンピューター制御(5~10km)

広島土砂災害では、1秒間に一枚の画像撮影を行い、3D化(SfM)。土量などを把握し、対策を検討する材料に(ルーチェサーチさん、きれいに作成されていました)。

課題
墜落(名古屋での例)
ドローンに関しては法律一切なし(有人は300mの規制有、航空法)。自主規制で150mまでとする、など。
カメラで撮影・・・プライバシーの問題


144km/h の精度

先日の映像から、気になっていた流下速度を出してみました。シミュレーションンの妥当性に使えますので。

地物からざっくり秒速を出し、ふと、それを時速に直すと144km/h、 !?

意図せず、先日より報道されている広島土砂災害の瞬間最大速度と同値になりました。なるほど、有効数字三桁ではなく、この程度の精度だったのかもしれません。違和感あるわけです。
個人的には、あれだけ家があるところで同じ速度というのは速過ぎると思います。瞬間最大速度を求められた場所は、かなり条件が良かったのでしょう。

と言いながら、砂防分野には昨年より手を付け始めたド素人ですので、土石流の一般的な速度というのを知りません。カメラやワイヤーセンサーを2箇所設置しておけば、簡単に速度を算出できるので、一般値はあると思います。

検索してみたところ、国交省さんのHPにありました。
20~40km/h だそうです。これは逆に遅いように感じますが、ま、その程度なのでしょう。
http://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sabo/dosekiryuu_taisaku.html

毎日新聞によれば、以下の通り。

広島土砂災害:土石流、瞬間時速144キロも…専門家分析
毎日新聞 2014年08月25日 21時53分(最終更新 08月26日 15時50分)
http://mainichi.jp/select/news/20140826k0000m040141000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20140826k0000m040141000c2.html
広島工業大の菅雄三教授(空間情報科学)は25日、アパートが1棟ごと流失するなど特に被害が甚大だった安佐南区八木3の土砂崩れ現場について、分析結果を公表した。
 台湾国家宇宙センターが撮影した衛星画像を三次元衛星画像解析し、地形や地質のデータなどを加味すると、土石流は八木地区の裏山である阿武山の標高261メートルの地点で発生。傾斜20〜28度の急斜面約590メートルを一気に駆け下り、1分未満で住宅地へ浸入したとみられる。平均速度は時速40キロ弱だが、瞬間的には時速108〜144キロに達していた可能性があるという。菅教授は「現地には10トン近くの巨大な岩も運ばれていた。土石流に相当な速度があったことに間違いはない」と話す。
 砂防学会の現地調査でも、安佐北区三入南地区を襲った土石流の速度は時速約40キロに達していたとの試算が出された。
 海堀正博・広島大教授(砂防学)を団長に第1次調査団が23、24両日に安佐南区八木地区と安佐北区三入南地区で調査。三入南地区で土石流が発生した高松山の斜面を調べたところ、土石流の高さは約3メートルとみられ、斜面の勾配や谷底の状態を加味すると、流速は時速約40キロに及んだと試算した。この沢から流出した土砂は約3000立方メートルに上ると推計している。
 同学会会長の石川芳治・東京農工大大学院教授(砂防学)は「崩落現場では表層から深さ約1.5メートル〜2メートルが崩れ落ちており、岩盤には及んでいない。典型的な表層崩壊だ」と指摘した。
108 は 30m/sec ですね。144 は 40m/sec。ひょっとすると、30~40m/sec と話されたのを、新聞社が時速に変換したのかもしれませんね。そうであれば、理解できます。

余談ですが、発災当日、「UAVが出動するかも」と先輩が言われていました。「冠頭部までは撮れないでしょう。土石流では出番ないですよ。」などといっていたのですが、上記リンクに動画がありましたね。被災箇所直近のみですが、共同通信社で使われています。完全に私の読み違いです。まだ、物珍しい部分があるのでしょう。



2014年8月26日火曜日

八箇峠トンネルの事故

南魚沼、八箇峠トンネルの事故報告を読んでいました。
http://www.hrr.mlit.go.jp/saigai/h240524/

「換気を行っている状態では検出できないほどの低濃度のメタンガスが、冬季の作業休止中に坑内にたまって、爆発を起こした」というのが結論のようです。入坑時、換気されていない状態だったのでしょうか。再開時に酸素濃度、ガス検知を行わず坑内に入るのは結構怖いのですが、「慣れ」だったのでしょうね。

事故発生当時、坑内にガスが残っているかもしれなということで、切羽付近を狙って地表からボーリング孔を開け吸引、換気したようです。石油系の技術を使うという文言もありましたので、土木系から見るとやや特殊なボーリングだったのでしょう。私はメタンガスの噴出する山に遭遇したことはありませんので詳細は知りません。ガス田地帯であれば、対応技術や管理基準なども発展しているのでしょう。

上記サイトに掲載されていた再発防止策の要点は、以下の通り。

・坑内の可燃性ガス濃度と酸素濃度の測定を行い、安全性が確保されたことを確認してから入坑する。(坑内の空気を吸引して安全な濃度(5%LEL未満)を確認)
・坑内換気設備の起動は、坑外の安全な場所から行う。
・濃度の管理基準値を設定
・可燃性ガス濃度の測定は、切羽において天井から10㎝と路盤から1.5mの位置で測定。
・可燃性ガスの危険等に関する安全教育や避難・救護訓練を全作業員を対象に実施します。

意外とベーシックなものですね。色々な技術がある中でも、360度回って基本に返っているように思えました。

SILVA コンパスで走向傾斜

Angela L. Coe 「Geological Field Techniques」を眺めていますと、SILVA compass の写真が載っていました。

それを見て衝撃。
普段、SILVA のコンパスを愛用しているのですが、ハウジングが回せるようになっているのはトレッキング用だと思い込んでいました。ところが、これ、走向傾斜を測るときに役立つんですね。

検索すると、YouTubeにもありました。


読みはどちらでも良いとおっしゃっていますが、right-hand rule に従えば dip direction を読まなくて済みますね。 CADに落とすときは楽かも。

lineation のはかり方です。


なるほど。
測定時に針を固定できない、文字が読みにくい、などと感じていましたが、私が規定外の使い方をしていたからでしょう。
http://phreeqc.blogspot.jp/2011/02/blog-post_2956.html
動画のような使い方であれば全く問題ないですね。ただ、両手を使わないといけないので、測り方を変えることはないと思いますが。

単純な道具にも、既定の使い方があるのですね。

2014年8月24日日曜日

振動センサーと崩壊 その2

広島の土石流が発生した際、振動センサーで「波」を拾ったか興味がありました。
http://phreeqc.blogspot.jp/2014/01/blog-post.html

連続波形を見てみましたが、↓のように一番近い広島で応答なし。
http://www.hinet.bosai.go.jp/strace/view.php?orgid=01&netid=01&stcd=N.HRSH&tm=2014082003&comp=&pv=1H&LANG=ja
ちなみに、3:05の波形は九州北部が震源のようです。
http://www.hinet.bosai.go.jp/mtrace/?tm=2014082003&pv=1H&eq=&LANG=ja

スペクトル分析でもダメかな?などと思い先輩に話してみましたが、「ダメ」だったそうです。インター近くの市街地でノイズに紛れたのでしょうか?崩壊や土石流が薄く、その規模(被災の規模ではない)が小さいせいでしょうか?確かに、昨年の台風26号による伊豆大島の場合と比較しても、規模は小さいと思います。振動センサーで拾うことの可能な規模ではなかったのでしょう。

発生位置や時間の特定に、振動センサーは有効かと思います。これから多くの因子が分析され、リバイズされていく技術でしょう。