2011年3月19日土曜日

東北地方太平洋沖地震 その9

塩竈市出身の後輩がいます。

御両親は御無事なようですが、帰郷する手段がないため、淡々と仕事をこなしています。SPEEDIや汚染の話もします。今後の復興計画についても冗談を交えながら話します。内心、つらいとは思います。

昨日、TOPの一人が「今こそビジネスチャンス」という趣旨の談話をWAN上にUP。それを受けてか、別のTOPの一人が、「不謹慎」とメールで支社構成員に談話を送付。
前者は会社を大きくすることはできるかもしれませんが、構成員に対する発言の時期を見誤っており、求心力に欠ける気がします(もともと好かれていないようですが)。後者は会社を大きくできないかもしれませんが、丈夫な会社を作るような気がします。
現段階で経営者としてどちらが正しい判断をしているのか私にはわかりません。ビジョンの有無だけの話なのかもしれません。ただ、「思っても、口にすべきでないよね」「上層部で起こっている騒動に、構成員を巻き込まないでくださいな」と呆れている構成員が多くいる会社、統一したビジョンが示せない会社は、すでに強くないということでしょう。

塩竈の彼は、この騒動をどう思っているのかわかりませんが、今日も淡々と仕事をしていました。

2011年3月16日水曜日

東北地方太平洋沖地震 その8

Spiegelのonline記事がありました。ソースはAustriaのZAMGという機関のようです。ドメインがacなので、大学のような組織でしょうか?北東の風により、首都にも飛来する可能性があるというのが強調されていますね。
http://www.spiegel.de/wissenschaft/natur/0,1518,750835,00.html

こちらに解説があります。
http://twitter.com/hayano
100kmですか・・・まあ、そんなもんかもしれませんね。当然、国外への拡散を予測した広域解析なので、避難指示に利用できる詳細シミュとは目的も精度も違います。国内での利用価値は無いでしょう。

国内の詳細シミュが出てこない理由として、SPEEDI、観測網が役に立たなくなっていることが取り上げられています。NHKニュースに出ていました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110316/t10014705241000.html
ただ、これは自動化できないだけで、(気象条件等の精度は落ちても)計算は手入力でできるわけですから、公表できない理由にはなりません。ま、国なりの、別の理由があるのでしょう。

次は拡散した物質が土壌に付着し、農作物や地下水へどれだけ影響するかというところへシフトするのでしょうか?それとも近海の漁業への影響評価でしょうか?いずれにしても汚染源、詳細拡散シミュが出ない以上、現実的な解析はできないでしょう。
関東・東北産の風評被害のほうが先行しそうですね。

東北地方太平洋沖地震 その7

韓国の気象庁HPに、福島の原発事故を想定したと思われる拡散シミュレーション結果が掲載されました。
数字は全く見えませんし、精度はわかりませんが、「韓国には届きませんよ」というのを国民にアピールする目的だと思われます。しかし、ハングルはわかりませんね。
http://web.kma.go.kr/notify/focus/list.jsp?bid=focus&mode=view&num=464

twitteやブログで拡散しつつあるSPIEGELのシミュは、online記事が見つかりませんでした。解析結果だとすればかなり地表に近い部分の濃度表示でしょうか?これだけだとガセなのか正しい結果なのか判断できないですね。

ただ「これなに?」とか、「驚いた!」というコメントがあり、一般の方にとっては想像もつかない結果のようです。やはり、日頃から知らせる努力が必要なようです。

2011年3月15日火曜日

東北地方太平洋沖地震 その6

大気拡散シミュレーション、事前に準備されていましたね。

緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を文部科学省のもと日本原子力研究所が開発していたいたようです。気象データや全国の環境放射線のデータを常に収集しているようです。
http://www.atom-fukushima.or.jp/qa/qa-174/anther.shtml

今回のような事故が起こった場合、文科省は放出源データを原子力安全センターに提供し、計算するように指示します。ここからがこのシステムのすごいところで、風速の推定や濃度分布予測を15分で計算してしまうようです。私は早くて1日ぐらいかなと思っていましたが、15分です。それが地方公共団体まで配信されるようですから、行政の避難指示判断にはものすごく役立ちますよね。
http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/030106.html

inputをみると、細かいですね。広域シミュ用に、測定値を入力して拡散させるのかと思いきや、そうではないようです。詳細シミュレーション用でしょうか?放出減情報だけでも、原子炉停止時刻、放出継続時間、放出高さ、放出開始時刻、放出核種名、放出率、燃焼度などが必要なようです。
広域で水平方向100km、鉛直方向4km、詳細で水平方向25km、鉛直方向約2kmの領域を解析するようです。計算も広域から詳細へと流れており、効率がよさそうです。世界版SPEEDI(WSPEEDI)も開発済みのようですね。
http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/030112.html#kaisetsu_09


理想的なシステムですが、肝心の事故で役に立たないのではどうしようもありません。
宮城県や福島県内のモニタリングデータは、全個所調整中のままです。地震・津波の影響で採取できないのか公表しないで中央が判断しているのかはわかりませんが、現場主義ではなかったようです。
何事でもそうですが、人間の知恵はこの程度だと思います。そこに「想定外」を持ち込むと、進歩はありません。

東北地方太平洋沖地震 その5

Australian Radiation Services ロゴの例の絵は、やはりガセでしたね。
東側に隣接国がないので、シミュ結果も出てこないのでしょう。中国や韓国の事故だったら、日本は確実に実施・公開しているでしょうが。

私の携わっている現場の、地震直後の様子が送られてきました。液状化が起こり、多くの観測孔から地下水が噴き出していました。水田でも噴砂が広く堆積しています。プラントは止まったままです。ある会社の社屋は流されたようです。こういった現象が、500kmという広域で発生しているのでしょう。

2011年3月13日日曜日

東北地方太平洋沖地震 その4

拡散シミュによるものと思われる影響予測の例が出てきましたね。・・・海外から。

1箇所がmeltdownした場合、6日から10日で北米西海岸に到達する絵がYouTube、twitter、ブログに拡散しています。3号機もmeltdownすれば、どうなるのでしょう。ロゴのAustralian Radiation Servicesのofficial HPには載っていませんのでコメント通り販売書物からの引用か、ガセかはわかりません。ソースの出所が不明なのと、結果が雑なので、後者の可能性が高いと判断しますが、ネット上の拡散の速さ、レスの付き方をみると、原発事故に対する海外での関心の高さは理解できます。

http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=fukushima-core <こちらによれば、今起こっている現象はstation blackoutと呼ばれ、非常にまれな状況ではあるものの、何十年も前から懸念されていた事象のようです。onsite, offsite powerの両方がある事象によって切断される確率は計算しにくい(想定しにくい)ようですが、三陸沖では地震と津波がセットで来るのが分かっているので、予想されていたはずです。予想以上の津波が来て、両方ダメになったというのは、マニュアル上は良いのでしょうが、住民や世界に対して納得させる説明ができるのでしょうか?
ただ、設計技術者も職員の方も、今は「命をかけて」対応されていると思います。大変なことだと思います。なんとか2次災害に合わないよう、食い止めてください。

一方、国内では、現時点で被爆者が20人以上出ていますが、詳しい状況は公表されていません。情報統制も必要ですが、周辺住民の方、東北地方の方の心情を思うと、どうなんでしょうか。

2011年3月12日土曜日

東北地方太平洋沖地震 その3

「これまでに経験したことのない・・・」「未曾有の大地震だから・・・」は技術論では理由になりません。

以前、中越地震の際も「壊れるべき(壊れるように設計した)ところが壊れたのに、メディアはさも危険なように報道する!」と、設計者の方は嘆かれていたようですが、今回はどうなんでしょう。予想外のことが起これば、放射能漏れも起きるというのでは、住民の方は納得されないでしょう。

「まさかこんなところまで津波が来るとは思わなかった」と言われていた住民の方を見ますと、津波シミュの結果をどう伝えていくかが課題であると感じました。土石流にしても、一般の方は危ない所に住んでいるという情報を案外御存知ないものです。伝える努力、工夫が必要です。

ただ、今は全力で対応されている方々の無事を祈ります。