データ量が多く全容を理解できませんでしたが、調査法として参考になる文献でした。これだけ調査するのは大変だったでしょう。
- ピットを掘るので地下水を低下させる。
- 8㎞西に文化的にも重要な湧水群がある。
- その周囲には貴重な植生もある。
- ピット周辺の帯水層と湧水群の帯水層は別。
- 間に厚い不透水層がある。
が、実際は西方の井戸に地下水位の低下傾向が認められた。
そこで追加調査を実施。
- 不透水層は部分透水だった。(透水係数、若い地下水(年代測定))
- 上部の風化帯を通じて帯水層がつながっている可能性あり(メジャーイオン、放射性同位体組成の重なり、透水係数、若い地下水(年代測定))
空中電探、水質分析、地下水年代測定等を実施することで、地下水流動経路と影響の原因を特定した、という内容でした。
国内では、建設範囲外でこれだけ広域の調査を実施することはレアでしょう。温泉や重要水源への影響検討の場合は実施する場合があるものの、空中電探まではしていないでしょう。が、やるべきなのでしょうね。いろいろな可能性を考えて調査を提案することが、後のリスク低減に繋がります。それが重要である点をこの文献は示唆しています。
実務のお手本になるような文献でした。
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