2022年1月23日日曜日

技術者の階段 その2

数年前にお世話になった御客様から電話を頂きました。

どうも、御一緒した仕事の続きをされるみたいでした。
当時、地質統計学を用いた3次元確率分布の可視化を含め、好評だったと記憶しています。覚えていてくださったのはありがたい話です。で、今の担当部署にバトンタッチ。
結果、executive が「こんなことはできないよ」と一蹴されていました。担当部署では技術的に備えておらず、一般的な調査のみで仕事を片づけられたようです。私も当時使っていたソフトは部署移動時に手放してしまいましたのでサービスできず。残念です。

別部署の後輩さんとの雑談で、水位と透水係数の話が出てきました。

水位を変えるために透水係数をどう設定するかが分からないようでした。先輩さんの専門が異なるので、地下水に関する十分な指導を受けていないのでしょう。
昔 EXCEL で作っていた揚水時の2次元水位変化の book を渡しておきました。単純化しているので正確ではないのですが、透水係数や揚水量に応じてどのような水面が得られるかイメージを掴む程度のことは可能でしょう。
本来なら基礎理論を理解し、水理公式や FloPy などでイメージを掴んでから浸透流計算に移るべきです。が、後輩さんの部署は基礎理論はおろかプログラミングも計算もされないようですので EXCEL ぐらいしか選択肢がありません。残念です。


いずれも単純な技術力不足なのですが、それで通用するのがヒトの世。どこかで技術者の階段を必死に登ることをやめたヒトたちが集まって、バイアスがかかり「常識」が生まれ、技術力不足を感じなくなったのでしょう。怖いですね。

しかも、このような状況に陥らないようにするために技術士の総監があったはずです。専門技術のみならず、管理技術を勉強される方が増えると、お客様にとっても喜ばしいことです。そう思えば日々研鑽される方が出てくるのではないでしょか。

一人でも多く、そのような「技術者」と呼べる方が増えることを願います。

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