ambient noise を利用した cross correlation にて観測局間の表面波速度を求めている事例は海外の文献で多く見かけます。国内でもたまに見ますが、それらはすべて広帯域の低周波を利用しています。
昨日、はじめて Hi-net を利用した文献を見ました。
しかも、内容が興味深い。
Mapping pressurized volcanic fluids from induced crustal seismic velocity drops (science.org)
- 2011東北地方太平洋沖地震前後で地震波速度変化が認められた(Hi‐net、cross correlation で半年前と比較)。
- 火山地帯での低下率が大きい。
- 動的ひずみと動的応力を、PGV(KiK‐net)、レイリー波の平均位相速度(〜3km/s)、平均せん断弾性率(~30×109Pa)より求めた。
- 地震波による動的ひずみは、static coseismic strain (静的地震時ひずみ?)よりも1~2桁大きい。
- 速度低下率と動的応力の比を seismic velocity susceptibility (地震速度の感度)と定義。この分布には主要な火山地帯の分布との相関性が認められた。
- 地震速度の感度は、火山地帯における熱水やマグマ流体の加圧レベルの指標として使用できる 。
- 火山地帯、特に(静的応力の変化を無視できる)富士山麓での大きな速度低下の主な原因は、東北地方太平洋沖地震による動的応力であると結論づけられる。
使用しているのは Hi-net のデータだけなので、オンタイムでデータを受信し、日々の snapshot を残しておけば、地震の発生毎に全国レベルで速度変化を見比べることが可能かつ容易になります。水位変化や応力変化の把握にも使えるかな?
海外産ツールは多く出ていますが、トモグラフィーまで完走できていません。
https://phreeqc.blogspot.com/2021/05/passive.html
動かせるようにしておかないと。
********** 関連 *********
Static strain and stress changes in eastern Japan due to the 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake, as derived from GPS data
https://earth-planets-space.springeropen.com/articles/10.5047/eps.2011.06.049
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