Itasca 社 の FLAC3D の Document を読み直していました。
FLAC3D は 陽解法を用いた Lagrangian finite-volume プログラムです。
https://www.itascacg.com/software/flac3d
陽的、Lagrangian。当然なのですが、計算の大まかな流れはSPH と同様でした。
http://docs.itascacg.com/flac3d700/flac3d/docproject/source/theory/theoreticalbackground/formulation.html?node2125
- 速度(→速度勾配テンソル)→ひずみ勾配テンソル、スピンテンソルを算出
- せん断剛性+ひずみ速度テンソル→偏差応力テンソルの共回転微分(ヤウマン微分)+スピンテンソル→コーシー応力のヤウマン応力速度を算出
- 塑性化判定
- 運動方程式を解いて加速度を算出。重力加速度、地震加速度、補正(レイリー減衰、人工粘性)→速度、変位を算出→ステップ1へ
ひずみ勾配テンソル等を求めるのに tetrahedral shape で 有限体積近似 を利用するのが FLAC3D、 粒子配置を利用するのが SPHと理解。文献では差分法と書かれていたのですが、FLAC(2D)のことでした。2D と3D で採用している空間の離散化手法が異なるようです。ただし、運動方程式の加速度の算出(時間方向)は3Dでも差分近似を利用しています。時間方向だけ差分というのは他でもよく見る手法です。
回転を考慮するヤウマン応力速度を利用するかどうかはスイッチで切り替え可能(large-strain mode)。SPH はタイムステップ毎に近傍粒子を更新しますが、FLAC3Dでは初期のコネクトを保存しており更新しません。ある程度 volume がつぶれると精度が悪化するのは変わらないようです。
陽解法なので全体剛性マトリックスを解く必要がありません。解自体は必ず得ることができます。1回の計算時間は少なくて済みますが、初期定常でも動的な挙動を解いて収束値を探しているため、案外、同じくらいになるのかも。並列化はしやすいと思います。
次は減衰。
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