2021年5月23日日曜日

地下構造のモニタリング

波動を利用した地下構造のモニタリングにかかわる総論的資料2件。導入部分主体ですが基礎知識として有用な個所を ( ..)φ。

中原恒「地震波干渉法 その 2 応用」地震波干渉法による地下構造のモニタリング

実際には常時微動源の分布が等方的ではないことが多く,その場合は常時微動の相互相関はグリーン関数に対応しない.しかし,その場合でも,常時微動源が時間的に安定しているならば,常時微動の相互相関を用いて地下構造のモニタリングを行うことが可能であることが指摘されている[Hadziioannouetal.(2009)].
波形から地下構造の変化を検出する手法は,すでに相似地震の解析のために提案されていたコーダ波干渉法[Poupinetetal. (1984),Sniederetal. (2002),Snieder (2006)]がよく使われる.
常時微動だけではなく,自然地震を用いることも可能であり,こちらの場合は常時というわけにはいかないが,自然地震が発生するたびにイメージングが可能となり,様々な時期の波動場の相互相関関数や自己相関関数を比較することにより,その期間内に地下構造の変化があったのかどうかを監視できる.
大・中地震の震源域では,2000年鳥取県西部地震に伴う変化を相互相関関数により検出したSawazakietal. (2009) や2011年東北地方太平洋沖地震に伴う変化を自己相関関数により検出したNakahara (2015) がある.

澤崎郁「大地震に伴う地下構造変化とその回復過程について」

地下構造変化に関する研究は,高密度かつ高精度な地震観測網の整備[例えば,Okadaetal. (2004)]と,コーダ波干渉法や地震波干渉法に代表される解析手法の高度化[例えば,Sniederetal. (2002),Curtisetal. (2006)]に伴い,この十数年の間に飛躍的な進歩を遂げた.
大地震に伴う地震波速度の変化は,古くは断層運動に伴う断層面近傍での静的応力変化を反映するものとして解釈されることが多かった[例えば,早川(1951),Poupinetetal. (1984),Lietal. (1998)]が,近年は強震動に伴う地盤浅部の損傷が速度変化の主要因として有力視されている[例えば,Rubinstein andBeroza (2005),PengandBen-Zion(2006),Sawazakietal. (2006),Wuetal. (2009a),Takagietal.(2012)].
強震動により地盤の物性が変化して弱震時とは異なる地盤増幅特性を示す現象は,地盤の非線形応答として知られているが,強震動が終息した後も地盤の物性が元に戻らない場合がある[例えば,AguirreandIrikura(1997),PavlenkoandIrikura(2002)].
強震動によりいったん低下した地震波速度は,数か月から数年をかけて経過時間の対数に比例しながら回復する[例えば,Rubinstein andBeroza (2004a),Sawazakietal. (2009)].
この対数比例型の速度回復は,岩石試料に振動を加えた後の固有振動数の変化を測る実験においても報告されており,岩石の物性が加振前の状態に向かいゆっくりと回復していくこの現象は,スローダイナミクス(slow dynamics)として知られている[例えば,TenCateetal. (2000)].

2点間の伝播速度を(Active なり Passive なり)何らかの手法で求める、位相 or 群速度をモニタリングする、といった2段階の流れ。ambient noise だと長期間のデータが必要になるので時間の解像度が落ちます。ちなみに、Hi-net のデータを1年分DLしようとすると、1か所あたり丸1日かかります。そういう意味でも、余震のコーダ波を利用するのが現実的でしょうか。


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