2018年7月15日日曜日

物理探査への投資

物理探査には機材が必要です。
高価でも継続的に利益を得られる予測ができていた時代には、比較的容易なお買い物だったでしょう。
その後、利益は右肩上がりから下がりっぱなしの状況に変化し、機材の更新は控えられ、先行投資も食いつぶされてしまいました。
残念ながら私の勤め先では、もう先手を打つ余裕はなく、遅れを補填する投資?になっています。

一方、物理探査学会の5月の講演要旨集を見てみると、多くの研究が掲載されています。物理探査を生業の主体として実施されている会社が中心なのでしょうか?いずれも意気込みを感じる内容です。素晴らしいですね。
「高精度」「3次元」というコーワードが目につきます。気になったのは以下の内容。

・HD(高詳細)トモグラフィ:日本地下探査
初動走時の自動読み取りと不確実性の付与、2D/3D初動走時モデリング、インヴァージョン。初動読み取り時、データの質に応じて不確実性を与えるるところが興味を惹かれます。
・フルウェーブインヴァージョン:日本地下探査
そろそろ実用化?P波走時のみでなく、受振波形全体を利用。S波速度、密度も得られる。
・ハイブリッド表面波探査:土研、応用地質
微動探査と表面波探査のハイブリッド。そろそろ実用化にたどり着いてほしいが、まだ解決すべき問題が残る。今後に期待。
・常時微動トモグラフィ:土研、応用地質
これは初めて知りました。微動計49台はちょっと手が出ません。アレイ同様に7台くらいまで減りませんかね。
・グラウンドアンカー残存引張り力の非破壊評価法:応用地質
残存引張り力の大きさにかかわらず精度が良くなれば、現場作業は軽量になり負担軽減となります。今後に期待。
・マルチコプターを用いた地表ソース型空中電磁探査:ネオサイエンス
UAV利用は必ず出てきますよね。小規模であればヘリを飛ばす必要がなくなります。実用化にたどり着いて欲しいところです。

残念ながら、私たちの世代は後追いになってしまいました。が、次世代には責任を持たなくてはなりません。次世代が困らないよう、予算を確保し経験を積ませる機会を生む努力が必要と感じています。

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