LS-RAPID のマニュアルには解析パラメーターの通常値が掲載されています。
参考にされたと書かれている文献を確認してみましたが、大きく外れている値もありました。
Sassa et al.(2010)An integrated model simulating the initiation and motion of earthquake and rain induced rapid landslides and its application to the 2006 Leyte landslide, Landslides, Volume 7, Issue 3 , pp 219-236
すべり面の運動時の摩擦係数の設定値が書かれていませんが、試験結果は39°程度になっています。
他の文献も高めです。
広島の土石流が37.5度。
佐々ほか(2014)高速長距離土砂流動現象の発生メカニズムと地すべり発生運動統合シミュレーション(LS-RAPID)を用いた広島土砂災害の再現, 国際フォーラム「都市化と土砂災害」p85
雲仙眉山は40度です。
Sassa et al.(2014)A new high-stress undrained ring-shear apparatus and its application to the 1792 Unzen –Mayuyama megaslide in Japan, Landslides, Volume 11, Issue 5, pp 827-842
通常値が25~35度とされていますので、公開されている文献は全て高めの値となっています。
土石流の運動時の摩擦係数37.5度は、一見、違和感があります。飽和時の有効応力表示としての試験値かもしれませんが、流下する段階で物性は変化しているでしょう。ま、谷部で計算に使う値は飽和のτss に設定されているでしょうから、実際、φmほど刺激は強くないと思われます。
それにしても、公開されている文献、まだ少ないですね。
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