2018年6月19日火曜日

magma mixing/mingling

以前に携わった現場にて、花崗岩閃緑岩中に MMEの入っている産状をよく見かけました。
幸い、海底下の新鮮岩を掘る現場でしたので、その産状は最良の状態で、かつ時間をかけて観察できました。が、実力不足のため成因はよくわかりませんでした。
いえ、流れた構造を持っており、マグマ・ミキシングを成因とはとらえていました。が、マフィックなマグマがどこから来たのか、どのように混合したのか想像できなかったのです。

先日、巡検に参加していた際に、このヒントを教えていただきました。

Alexander Semenov and Oleg Petrovich Polyansky, Numerical modeling of the mechanisms of magma mingling and mixing: A case study of the formation of complex intrusions, Russian Geology and Geophysics, November 2017

まずは用語。 mixing でなく、mingling が正解(10数年、間違えて使っていました)。

粘性が小さく、似ていることで混合する (Mixing)。化学組成のコントラストも小さいこと(SiO2含有量で10%以下)が必要。
The difference between them is as follows. Magma mingling results in a heterogeneous mixture containing separate portions of the initial melts; the derivative magma contains discrete fragments of melts of different composition.
Mixing, in contrast to mingling, is thermodynamic equilibration of two or more compositionally different initial melts to form a chemically and physically homogeneous mixture under conditions where the viscosities of the initial components are similar and low (Frost and Mahood, 1987).
粘性にコントラストがあったり、同化するには時間が短い場合は、Mingling (混交)。確かに、30年以上前の文献に書いてありました。
Tom Frost and Gail A. Mahood, Field, chemical, and physical constraints on mafic-felsic magma interaction in the Lamarck Granodiorite, Sierra Nevada, California, Geological Society of America Bulletin, January 1987

その他、いくつか文献を見ましたが、概ねこのように書かれていますね。いや、間違いにすら気づかない無知は恐ろしい。もっと文献を読まねば。

続く。


2018年6月14日木曜日

ソフトの価格

最近のソフトは高いですね。

SPH 900万、PSInSAR 700万、機械学習 500万。
現場用の試験機や車が安く思えてしまいます。

設備投資に関する感覚は支店毎に異なるようで、ある支店から見ると無駄遣いのような要望も散見されます。が、executives が知らない分野では査定が甘く、うまく言いくるめられているようです。
知識の有無は怖いですね。



2018年6月9日土曜日

reverse mentoring

4月より聴講を再開した実践ビジネス英語より。
今月の話題はタイミング的に心に残る内容でしたので、書き留めておきます。

Reverse mentoring helps get older employees up to speed and with the proverbial program in areas that are second nature to digital natives.

ついてきてもらえるか?ついていけるのか?
Technology has empowered digital natives. And it's left older, less tech-savvy executives searching for ways to keep up.

双方向であること。トップダウンでないこと。敵対関係でないこと。
It shouldn't be top-down or adversarial.
Reverse mentoring has got to be a two-way street for it to work.

ガンガン挑んでください。
They also show how some executives feel challenged by all these hard-to-understand young people they find themselves working with.

一方的に、「判断するから説明せよ」「これは指示だ」はダメなのでしょうね。よくわかります。「なぜですか?」に対する答えも理路整然とした内容でないといけません。
上司が「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば」だけでなく、若い方にも「やってみてもらって、教えてもらって、やってみて、承認しようとする」reverse の過程が必要になっているということなのでしょう。キーワードは「双方向」だと考えます。


2018年6月7日木曜日

圧密によるヒ素汚染

Overpumping leads to California groundwater arsenic threat

読めば「なるほど」と感じました。が、今まで見過ごしていた視点でした。
「濃度」というと移流分散や反応といった計算の視点から考えがちです。が、圧密も「あり」でしょうね。一つの現象に集中すると他が見えなくなるという点に、久しぶりに気付かされました。

機械学習ですのでメカニズムの解明は推定止まりです。が、以下のような内容が報告されていました。
  • 過剰揚水により、地下水低下。有効応力増加。帯水層が圧縮。地盤沈下が生じる。
  • 下部帯水層中の薄い粘土層の圧密により、間隙水が帯水層内に放出。
  • 間隙水はヒ素に高濃度であったため、地下水のヒ素濃度が上昇。
驚いたのは、過去の沈下の計測に SAR を利用している点、統計的手法として Random Forest を用いている点。
  • As a measure of overpumping, we use subsidence, derived from Interferometric Synthetic Aperture Radar (InSAR) data, to predict arsenic levels quantitatively.
  • We integrated estimates of subsidence with additional variables known from previous studies to affect arsenic levels into a random forest model that accounts for nonlinear relationships, as well as interdependencies of different variables.

あくまでデータの相関性を論じただけですので、真相は不明。特に、近年の沈下と過去の沈下で同じ沈下速度でも濃度の傾向が異なる点は、flush だけで説明できないように考えます。メカニズムを知りたいところですね。

ま、答えが出ない正攻法より、推定でも答えが出せる統計的手法、機械学習はお手軽です。DInSAR も Random Forestも使えるようにはなっていますので、答えを出せるかどうかは私の意識次第なのでしょう。

2018年6月6日水曜日

熱画像も 3Dモデルへ

レーザーを使う測量機器が増えています。

UAV搭載、handheldなど。据え置き型も付加価値をつけてきています。

handheld は使ったことがありません。が、お手軽そうですね。据え置き型より広い範囲を短時間でスキャンできますが、精度は数10mで数cmと粗め。既知点での補正も必要です。DSM (XYZRGB)で可視化やシミュレーションの地表面として利用する程度でしょう。ある大学の先生は河川堤防の沈下計測に使用するなどと言われていました。その後、どうなったのでしょう?

据え置き型の地上レーザーは以前から欲しいと考えています。
のり面の変位や岩壁の変位などを面的に把握するには良いツールだと考えます。UAVなど上空から測定するよりは、正面や下から測る方が有利な現場もあるのです。
測量担当者によれば機材もピンキリだそうで、のり面の変位を図るのはピンでないとダメ。カタログを見せていただきましたが、道路災などの初動に役に立ちそうです。これから利用例が増えてくるでしょう。

キリの部類ですが、面白そうな機種があります。
BLK360
https://www.youtube.com/watch?v=XU9aQVvVVIg
測量担当者によれば 25m くらいまでしか実用的でないとか。確かに、カタログ上の精度は地上レーザーにしてはイマイチ。
一方、この機種には熱赤外カメラも付いているようで、温度画像が3Dモデルとして取得できるようです。これ、いいですね。もし、XYZ+Tとしてデータが保存されていたら Good です。これまで必要だった合成・差分等の後処理に関し、一気に手間が省けるように感じます。時系列の位置合わせもICP等で可能でしょうし、対象が近ければ2時期の変位も出せますので、熱差+変位といった表現やキャリブレーションが可能になるでしょう。

いずれにしても、便利な機材が増えてきました。今後、どのような発展が待ち構えているのか楽しみですね。


2018年6月5日火曜日

1次元は難しい

再度、1次元の河床変動計算に取り組んでいます。

河床変動計算は初めてで、2次元、3次元には取り組んだことがありません。似たようなことといえば、DualSPHysics で2相のテスト計算を動かしたくらいです。

あらためて感じることは、モデル化が難しいということ。合流や屈曲の位置、計算結果の想定などから、どの範囲をどのようにモデル化するか意思決定を進める作業は、計算経験とセンスで成り立っているのでしょう。基本、3次元の現象は3次元でモデル化した方が、何も考えなくて良いので楽です。が、その現象を1次元まで落とし込もうとすると、本質を見抜くセンスが必要になります。不要なものをこそぎ落とす技術です。3次元ばかり扱っていると、本質を見抜く力が育たないのでしょうね。

そのためか、私には非常に難しく感じます。つくづく、昔の方は偉いなあと。
敬意を払って文献・テキストを読み、先輩に教えを請いながらの作業です。
早く「この現場だとこれくらいのモデルだよ」などと言えるように、センスを身に着けたいものです。


点群から変位の抽出

LP の整備もあり、点群データは多くの方に認知されたようと感じています。

最近では、LP を Web GIS で扱いたい要望や、地上レーザーを購入したい要望などが聞こえてきます。CIM 推しにより、点群が "become  a thing" 状態になったということでしょう。

そうなると次のステップも普及しそうです。例えば、点群の差分表示。差分を取れば地表面の変化を表現できますし、体積変化を出せます。崩壊前後の時系列データで、時点の崩壊・堆積量を求めることが可能になります(崩壊面、すべり面は、これだけではダメですが)。
よく利用されている表現ですが、広域かつ維持管理にまで普及すれば容易に変化箇所を把握できるようになります。広域だとメッシュ処理後の対象より粗いデータになりやすいのでスケールの問題はありますが、PSInSAR や MMS 等の併用でカバーできるでしょう。

次に変位。
何らかのマッチング手法を用いて2時期の変位を表現します。6年前に optical flow を試した時期がありましたが、これはイマイチでした。
https://phreeqc.blogspot.com/2012/02/optical-flow-block-matching.html
近年では ICP による点群同士、あるいは点群とメッシュのマッチングを行い、その結果から変位を抽出する手法が主流でしょうか?これに関してはプラントや岩盤を扱う例の載っている商用利用可能なソフト(GPL)も出ています。
CloudCompare Ver.2.6.1 http://www.danielgm.net/cc/
関連する箇所はコチラ↓
Registration > Align (point pairs picking)
 photogrammetry clouds で有効
Registration > Fine registration (ICP)
Distances > Cloud/Cloud dist. (cloud-to-cloud distance)
Distances > Cloud/Mesh dist. (cloud-to-mesh distance)

Optical Flow では 2D に修正する手間を必要としましたが、コチラは 3D の点群で、そのまま処理・表現できるところが長所でしょう。
ただ、過去にある会社が特許申請していましたので、土木分野では気を付けないといけません(結果はどうなったのでしょう)。
こういった海外のソフトの説明書に既に載っている例を国内で特許申請かけようとする姿勢は、消化し難いですね。誰でも使えるソフトや技術が、ある分野では国内で使えなくなるというのもイマイチです。

いずれにしても環境は既に整っていますので、すぐに次のステップに進むでしょう。しばらく、動向を見守りましょう。