2015年12月6日日曜日

ボーリング調査での確認深度

支持層以外でも、ボーリングで確認する深度は調査対象によりある程度決まっています。
支持層はコチラ→ http://phreeqc.blogspot.jp/2015/12/blog-post_6.html

・切土、トンネル
基本的には掘削面とその下位の状況(主に力学)を確認することがボーリングの目的となります。通常の切土では、北陸地整さんのように、3m毎に1回の簡易揚水試験を実施することは、あまりないですね。掘進時水位記録として、作業後に孔内水を汲み上げる程度です。アンカーが入りそうな場合はその深度まで(北陸地整さんの通り)なのですが、踏査で下部に軟岩が出てくる場合はそこまで確認したいところです(本設アンカーの定着)。
トンネルの水平ボーリングは NEXCO さんの方が長くなっています。これは北陸地整さんがうまくまとめられています。http://phreeqc.blogspot.fr/2015/12/blog-post_5.html


・ため池・河川 
こちらは力学も確認しますが、どちらかと言うと透水性(水理)の確認が主体でしょうか。
どちらも、基礎地盤までの透水性を確認し、危険であれば対策を計画するという流れになります。
ため池では今年の7月に新しい指針が出ましたが、まだ業務で扱っていないため未確認です。下表は昨年度までの改定案(古い基準と変更なし)を示しています。


ため池・河川は、ほぼ決まり通りに進めても問題ありませんが、切土は出てきた地盤に応じ刻々と判断が求められます。支持層にしても、薄層支持で終えそうなのか?さらに掘り進むのか?など、ボーリング1m毎に得られる自然に応じ、判断しなければなりません。指針のルールはあっても、現場は結構忙しくなります。

支持層の考え方

今年話題となった、支持層の考え方について整理しておきましょう。

構造物を設計する際に、ある地盤条件を満たした場合にその構造物の「支持層」として取り扱います。軽いものは、それなりの層で支えると良いのですが、大きな物、重いもの、重要なものはしっかりとした地盤で支えることが必要です。物によって支持層に該当する条件が、変わるということです。調査時は、 その条件がどこにあるかを確認するといった流れです。当然、該当層がでなければ、出ないなりの設計になります。

「支持層」となり得る条件は設計対象によって変わりますし、分布深度によっても(基礎形式が変わるので)変わります。北陸地整さんのように地域や県によって決め事を作られている場合もありますし、NEXCO さんのように 自前の要領を出されている会社もあります。
以下は代表的な指針(道路・港湾・建築)による支持層に関する記載を(個人的な判断も含めて)整理したものです。基本的には、5m以上確認ですね。

 
最近は、工学的基盤も併せて検討する場合が増え、直接基礎・杭基礎と併せて調査深度を判断する必要が出てきました。実務上は、上記指針などに示された「基本ルール」を踏まえつつ、多様な自然とお客様の意向、経済的な条件などに対応・最適化しなければなりません。

2015年12月5日土曜日

北陸地整 地質調査の手引き(案)

北陸地整の設計要領(道路編)には、地質調査の手引き(案)が含まれています。

設計要領(道路編)平成24年4月改訂版(平成25年4月一部改定)
http://www.hrr.mlit.go.jp/gijyutu/kijyun.html#sekkeiyouryou
http://www.hrr.mlit.go.jp/gijyutu/kaitei/sekkei_r/index.htm
第16章  地質調査の手引き(案)
http://www.hrr.mlit.go.jp/gijyutu/kaitei/sekkei_r/pdf/16.pdf

ノウハウや感覚で決めていた事項、説明を求められる箇所が適度に決められ記載されていますので、有用です。ポイントは以下の通り。
  • ボーリングはオールコア、サンプリング・孔内水平載荷試験は別孔
  • 原位置試験から30cm以上離してサンプリング
  • 支持層は5m以上確認
  • 孔内水平載荷試験は3~10m以内に3回
  • 地表に軟弱な粘性土が分布する場合は地表から3m以内で1 回サンプリング

以下、抜粋です。 ====================================================
 
16-1総則
  • 地層確認用ボーリングはコアボーリング、サンプリング用の別孔はノンコアボーリングを標準
  • 各種の原位置試験を行った箇所の下でサンプリングする場合は、それらの試験による孔底付近の乱れを避ける目的で試験最終深度より 30 ㎝以上再掘進を行う。
16-2道路設計
1.予備設計
(1)軟弱地盤上の盛土
  • 標準貫入試験を併用したφ66 ㎜のコアボーリングを標準。
  • 支持層(N値50以上)に達してから、層厚を最低5m(標準貫入試験で6回)確認。(盛土だけでN値50確認はレアですね。)
  • サンプリングの回数は、層厚3m程度に1回を標準。層厚が1m程度と薄い場合でも、盛土の安定や沈下に影響すると考えられる場合、サンプリング実施。
  • サンプリング用のボーリングは、地層確認のボーリングに併設(1~2m位離す)して行うこととし、コアの採取は必要としない。これまでは、地層確認のボーリング孔を利用してサンプリングを行うことが多かったが、採取した い地層の分布が正確に把握されていない段階でのサンプリングは、層厚が薄い場合等で必要な試料が得られないこと があった。
(2)斜面崩壊の危険性のある地山の切土
  • 地層確認を行う場合は、標準貫入試験を併用したφ66 ㎜のコアボーリングを標準。
  • 切土したのり面が地下水の影響で崩壊する危険性がある。→簡易揚水試験を深度3m毎に1回
  • 長大切土斜面(切土高 20m以上)など→弾性波探査実施。
  • 調査深度は、計画路床下3m程度
2.詳細設計
(1)軟弱地盤上の盛土
  • 「予備設計の調査」に準ずる。
(2) 函渠、擁壁の土工部(構造物箇所)
  • 「軟弱地盤における盛土の調査」に準ずる。
  • 支持地盤が地表部に現われている所→平板載荷試験を実施。
  • 軟弱地盤の擁壁計画位置→サンプリング孔で、孔内水平載荷試験を行うことを標準。孔内水平載荷試験は、「橋梁設計のための調査」に準ずる。
16-3橋梁設計
  • 調査深度は、支持層(N値 50 以上)に達してから層厚を最低5m(標準貫入試験で6回)を標準。支持層は、一般に砂層でN値 30 以上、粘性土でN値 20 以上とされているが、ここではN値 50 以上の基盤層の確認を標準とする。
  • サンプリング用のボーリングは、ボーリング位置から1~2m離した別孔で行うことを標準
  • サンプリング頻度は、軟弱層全層で各層または深度3~5m毎に1回地表に軟弱な粘性土が分布する場合は地表から3m以内で1 回
  • 孔内水平載荷試験は、サンプリング孔内で、深度3~10m間で3回を標準とする。平均的な変形係数を求める意味と杭の水平抵抗に支配的な地盤の深さが地表面から1/β程度のため。1/βは一般に 10m以内。
  • 動解を行う場合→繰返し三軸試験,繰返しねじりせん断試験等は、各地層毎または層厚5m程度に1回を標準とする。
16-4トンネル設計
  • 坑口斜面の安定検討および支持力不足の予想される箇所でそれぞれ1~2本を計画する。
  • 断層破砕帯では垂直ないし斜めボーリングを行う。
  • 沢部の土かぶりの薄い箇所では垂直ボーリングを行う。
  • 各坑口部のトンネル天端付近で水平ボーリングを行う。
  • 坑口のボーリング削孔径はφ66 ㎜とし、深度1m毎に1回の標準貫入試験を標準。
  • 垂直ボーリングはトンネル計画高より5m程度深くする。
  • 水平ボーリングは、50m程度を標準とするが、延長の長いトンネルでは地山が安定する位置までとする。(100m~200m程度)
16-5アンカー
  • ボーリングは道路横断方向のアンカー定着部およびアンカー頭部付近の2箇所
  • 調査深度はアンカーの計画深さまたは岩盤の層厚を最低5m確認することを標準。

2015年12月2日水曜日

薄層のモデル化

土木学会「実務に役立つ耐震設計入門」を読んでおりますと、薄層の取り扱いについて留意点が書かれていました(p157)。

地震応答解析で1m程度の薄層をモデル化するか否か?については、以前、書き留めています。
http://phreeqc.blogspot.jp/2012/03/blog-post_28.html
http://phreeqc.blogspot.jp/2012/03/2.html
基本的には平面的な広がりを判断すべき、という考え方だとおもわれます。が、解析については別の視点から検討されています。以下の2例で説明されています。

・軟らかいものの中に硬い薄層が入っている場合
・硬いものの中に軟らかい薄層が入っている場合

前者については、応答変位・応答加速度が変わらず、後者は大きく変化する場合があるので注意が必要という結果。これはこれで、一つの判断材料になります。

1・2次元であればモデル化は容易なので、薄層が広がるケース、広がらないケースの両方で検証すれば良いでしょうね。その結果、安全側の設計を取るのも良し、あるいは対策工の金額差と調査追加費を比較し、後者がかなり安くなるようであれば追加調査を行うのも良しでしょう。いずれにしても、お客様の意向を伺う材料までは提示できるわけです。

薄層の問題は地震応答解析だけではなく、基本的な設計にも関わる課題です。地質屋さんの判断が大きく影響する可能性が出てきますので、難しいですが目をそらさずに向き合わなければなりません。

2015年11月29日日曜日

Windows10

VAIO を Windows10 に上げて、1週間ほどたちました。

Win 8.1に満足していたのですが、Sony さんより VAIO 用の update ソフトが準備されましたので、10にあげてみました。

update 作業は簡単でした(ようやく昔のの MacOS に近づいた感があります)。
データはすべて保存されたまま。Bluetooth マウスのペアリングは飛んでいましたが、やり直せばOK。システムの保護設定(復元ポイントの作成)も飛んでいましたが、再設定でOK。COMODO の firewall もリインストールでOK。大きな問題はありませんでした。

使い勝手は Win 7 寄りに戻ってしまったようですね。Win 8.1はタッチパネルと相性が良かった反面、デスクトップユーザーに酷評されていましたので、仕方ない選択かもしれません。個人的には、タッチパネルでは 10 より 8.1の方が魅力的だと思います。

現段階で、細かい不満点があります。
・ライブタイルが機能しない場合あり。多くの報告あるようですが、未だに原因不明。
・VPN 接続時、VPN 設定画面を表示することが必須になった(1手増えた)。
・「デスクトップ」タイルがなくなった。→タブレットモード切り替えボタンの表示が必須

ライブタイルに関しては Win 8 でも報告多数でしたね。いずれ改善されるかもしれません。その他は仕様変更でしょうから、期待できませんね。
ま、しばらく使って Win 8.1 に戻すか考えてみましょう。

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20160122追記
2か月経とうとしていますね。追加の不具合です。

・「機内モード」が常時点灯。実際はoffの状態。これもた多くの報告があるようです。
・VPN詳細設定で、「従量課金経由接続経由のVPN接続を許可する」「ローミング中のVPN接続を許可する」が、いつの間にかonになる。これも少ないですが報告あるようです。

・プリンタードライバーがWin10に未対応だった。これは不具合ではないですが。ま、VAIOからはほとんど紙に出力しないので良いですが。


2015年11月27日金曜日

Evoluent VerticalMouse 4

8月末に腱鞘炎になってから3か月がたちました。

症状は、良くも悪くもならず。
不便なのは、踏査時ぐらいでしょうか。どうしても木をつかんで斜面を下らないといけない時などは、痛くても離せません。それ以外は「痛!」と思う程度ですので、それほど困ってはいません。

先日、注文していたエルゴノミックマウスがようやく届きました。

Evoluent VerticalMouse 4 Left
http://evoluent.com/products/vm4l/

機能面は満足。専用ソフトを入れると、6ボタンに動作を割り当てることが可能です。ソフト毎にも個別設定可能です。
http://evoluent.com/buttons/

海外製だからでしょう、サイズが大きめ。しかも思ったよりがっしりした造りです。
そのためか、痛みが残るためか、あるいは慣れていないせいかは分かりませんが、若干動かしづらい。特に、画面下方向への動きはまだ慣れていません。

プログラマブルキーボード、マウスがそろいました。痛みはまだ治っていませんが、当分はこれで試してみましょう。

LS-RAPID 土塊内部摩擦

LS-RAPID では、土塊内部の抵抗を基本的に取り扱いません。

しかし、それでは計算が破綻するようで、後付で内部抵抗に似たパラメーターを追加されています。

一つ目は、土塊内部の動摩擦係数。ただし、全土塊内部を計算するわけではないようです。土塊縁辺部において、尾根部よりも土塊カラムが高くなった場合等のみ、その土塊カラム内部でせん断抵抗を計算し、尾根越えを許容するオプションがあります。尾根越え計算をするかどうかのチェックが該当するのですが、チェックしない場合は単なるエラーでしょう。

2つ目は、 異常な速度を制限するために設けられた、α(1/2)mv^2。このチェックを有効にすると、設定速度以上でこの外力が発動するようになります。あくまで速度に応じた抵抗力を設けるというだけであり、速度を制御するパラメーターではないようです。ま、こちらも解析上の不具合をなくすために設けられたパラメーターだと思います。

これらのパラメーターが引用文献や解説書の支配方程式に入っていない点が、理解を妨げています(先の Bss も支配方程式に入っていません)。
他にも、計算中に保存則が効かず土塊体積が増えていく現象?があり、それをタイムステップ毎に割り戻すパラメーターも設けられています(これも支配方程式には入ってきません)。
このあたり、市販ソフトのためプログラムの中身が見えませんので、 手の出しようがありません。

LSFLOW と LS-RAPID、どちらもパラスタ(合わせこみ)は必要ですが、個人的には前者の方が自然に近い支配方程式やアルゴリズムを採用しているように感じます。

LS-RAPID、使い勝手は良いので今後に期待です。