2012年1月14日土曜日

GTSのSRM

年末より GTS でせん断強度低減法のテストをしています。

3月までお借りしているので、その間に実務への適用性を見極めようと考えています。特に3次元SRMの動作確認が目的です。

今のところ、いくつかのエラーで計算がまわっていません。サポートに伺うと、原因がまだ分からないとのこと。やはり、ソフトによってはクセや回すための細かなノウハウが必要となる場合もあるので、購入前に実際に手を動かしてテストしないといけないのでしょう。また、事前にサポートの反応を見ることも必要ですね。

それでも、いくつかの特徴はつかめました。
ソルバーによっては 32bit 版のものがあります。逆に、64bit 版や、スレッド数の(段階的な)指定が可能な並列化対応ソルバーでは、大きなモデルを扱えます。
SRM では、Fs = 1.0以上を初期値として指定し、そこから収束し難い方へ計算を向かわせる手法が取られているようです。Ga3d とは異なります。なぜ1.0以上なのか説明書には書かれていません。安全率の小さい側から少しずつ壊していかないとなかなか収束しないのでは?と思いサポートへ質問したところ、サポート側にも説明書は残っておらず、詳細は良く分からないようでした。ただ、他社のソフトと同様のアルゴであり、計算もそちらの方が早いとのことです。
ということは、説明の書かれている他のソフトを使用すれば良いということでしょうか?そういえば、FLAC も11月に Ver.7 が出ていましたね。

とりあえずエラーの件、アルゴの件で MIDAS 社の反応はつかめました。
まだ、時間はありますので、ゆっくり検討してみましょう。

2012年1月13日金曜日

Multiphysics Modeling

年末に注文していた本が届きました。

Geochemical Modeling に関する参考書ですが、今年1月2日に発売でした(海外は2日から市場が動いているんですね)。 不飽和浸透、移流分散、熱拡散、化学反応などを連成させる内容です。Multiphysics Modeling の一種ですね。

洋書を購入する場合、Google Books などで事前にある程度の内容が分かります。が、やはり実際に手に取らないと詳細はわかりません。今回、内容をざっと見ると、1/3程度は読む価値がありそうでした(同じ分野の本を多く購入していますので、だんだん重複する内容が増えてきます)。

こういったコア技術となる本は読むのに時間がかかります。大体、2、3ヶ月くらいでしょうか。例の地形の本は、この本が読み終わるまでオアズケです。

じっくり読んでいきましょう。

2012年1月11日水曜日

Win7 + ハイパーターミナル

RS-232C の規格は、古い計測機で使用されています。

最近ではPCから232Cのシリアルポートが消えているため、USBでの変換ケーブルが販売されています。
今日はそれを使って他の方のPCの通信テストをしていました。環境はWin7 64bit + XP 付属のハイパーターミナル限定です。この環境に限っては、いくつか勘所がありますので、備忘録です。
  • ハイパーターミナルは古くから多くの方が使用されており、人気なのでしょう。ネットでも、以下の手順3までは多くの情報が得られますし、その段階でほぼ対応可能なようです。
  • 全て自己責任です。
  1. XPのhypertrm.dll、hypertrm.exe の2ファイルを Win7 へコピー。 (セッション保存の必要がなければ、以下の作業は不要です。これで動きます。)
  2. セッションファイル(.ht)もコピー。
  3. .htをダブルクリックしてもファイルは開きませんので、ハイパーターミナルと関連付けを行います。
  4. それでも、.htが開きませんので、以下の registry を修正します。
    HKEY_CLASSES_ROOT\ht_auto_file\shell\open\command
    "C:\Program Files (x86)\HyperTerminal\HYPERTRM.EXE" %1
  5. それでも開かない場合は、上記の key を削除。".ht" を含む key を検索、全削除して手順3、4をやり直します。
  6. それでも開かない場合は、registry の修正をあきらめ、バッチ処理で対応します。
    例えば、dll と exe をコピーしたフォルダに、AAA.htといったセッションファイルを保存した環境では、「hypertrm.exe AAA」 という1文だけのbatファイルを作成します(「」は要りません)。これをダブルクリックすれば、セッションが立ち上がります。
ハイパーターミナルを使い続けるのと、新しいターミナルソフトに慣れるのとでは、多くの方はどちらを選ぶでしょうか?個人的にはどちらでも良いですが、他のターミナルソフトの方がハードルが低いように思われます。

2012年1月10日火曜日

Eurocode 7

海外担当の方より「Eurocode 7 で安全率の話が詳しい」と教えていただきました。

早速、見てみました。

で、見て思い出しました。
これ、詳しいのは全体安全率でなく、部分安全係数の話です。港湾基準が変わった時に聞いていたのを思い出しました(Eurocode を読むのは初めてなので、「ああ、これが噂の・・・」といった、また別の感想を持ちましたが)。アンカーなど対策工の話もありますが、基本的には順解析での流れです。

道路橋も次回の改定では部分安全係数法が取り入れられるそうですが、こうなると、地すべりだけが浮いた感ありますね。まあ、既に破壊した地盤だけを対象としたカテゴリーというのは土木の中でも特殊でしょう。ある意味、現況再現が可能なため、予測(対策)が簡単なのかもしれません。そういった中で育った2次元逆算法は、レベルの違いは大きいものの「モデル依存実在論」の考え方に沿った簡易で優秀な手法ということになるのでしょうか?真理とは違っても、簡単なモデルによる再現とFs=1.2で安定するといった実績という意味で。
うーん。堂々巡りに入りそうです。

安全率を理解するには、もう少し時間が必要ですね。

2012年1月8日日曜日

海外の安全率

マレーシア・香港・UKの安全率について知る機会がありました。

まず、マレーシア。
Slope Engineering Branch, Jabatan Kerja Raya MALAYSIA. 「GUIDELINES FOR SLOPE DESIGN」2010

All untreated slopes shall be designed with minimum of 2m berm width and
maximum 6m berm height with a Factor of Safety greater than 1.3. Stabilisation
measures can be considered when the design is inadequate. Stabilisation
measures may include the following:-
• soil nailing with slope surface protection
• permanent ground anchors
• retaining walls, etc.
The minimum global Factor of Safety for treated slopes shall be 1.5.

切土の場合です。盛土も似たようなもんです。なぜこのように決めたのか、背景が知りたいですね。非常に興味があります。
計算式については、指定がありません。


次はUK
Transport Research Laboratory 「OVERSEAS ROAD NOTE 14 HYDROLOGICAL DESIGN MANUAL FOR SLOPE STABILITY IN THE TROPICS」

これはどこまで効力があるのか分かりませんが、安全率よりも検討析手法の紹介になっています。浸透流と安定計算(Bishop)の組み合わせで多くのケースを検討しています。最終的には透水係数、降雨強度、勾配などから、チャートを使って簡単に安全率が出せるようになっています。このマニュに沿ったソフトも出ているようです。http://www.chasm.info/
目標安全率の記載はほとんどありませんが、ある表には推奨値として香港の1.2~1.4が掲載されています。


で、香港。
上述した1.2~1.4の出典です。

GEOTECHNICAL ENGINEERING OFFICE, Civil Engineering and Development Department, The Government of the Hong Kong 「GEOTECHNICAL MANUAL FOR SLOPES」

Risk to Life と Economic Risk のマトリックスで目標安全率を決めています。リスクに応じて1.0以上、1.2、1.4の3段階になっています。良いですね。リスクブームの日本でも、将来的にはこのような整理がされるのでしょう。
計算式も多く紹介されていますが、Janbu, Bishop あたりなのでしょうね。


日本では当たり前のように使われている簡便法は、どの国にも出てきませんでした。安全率が日本より高めなのは、それも一因なのかもしれません。背景はよくわかりませんが。

最近では上記の資料を始め、他国のガイドライン等もネットで容易に手に入ります。井の中の蛙であることに気付きやすくなっています。
技術者としてはありがたいことです。

2012年1月6日金曜日

締付け効果と引き止め効果

昨日より、部署内で「アンカー設計の諸問題」が話題となっています。

なにを今更?と思いながらも、珍しくベテラン技術者がネット上で発言されていますので、静観しています。正月明け、時間と心にゆとりのある時期ということもあるでしょう。

その中でも、活発に意見交換されているのが、締付け効果をみるべきかどうか。(うーん。古い。)

LEMでは、すべり面とアンカーの交点に締付け・引止めの両効果が発揮されるとして計算します。具体的には2次元断面上でアンカー負担荷重をすべり面と垂直・平行方向に分割し、それぞれ抵抗力に加えて計算します。
なぜ、ベテラン技術者が引止め効果(平行方向の分割)は考慮して、締付け効果(垂直方向の分割)を無視するのが良いと考えるのか、理屈がわかりません。が、経験則として理解できます。受圧板からすべり面に100%の応力が伝達するわけがないということでしょう。適度に差っ引いて考えたら、実現象にあったということだと思います。ただ、それでは効果が小さすぎると判断すれば、両方見るということも可能です。経済的な意見も出ていました。その辺がベテラン技術者にとって経験則が物を言う、地すべり対策の面白いところなのかもしれません。

ただ、このような議論は本来、経験則をぶつけ合うのではなく、理論ですべきでしょう。正解がわかりませんから。
数値計算を使えば、応力の伝達範囲は視覚化できますし、程度も数値化できます。
あるケースでは、どの効果をどの程度見るべきかも目処がつくでしょう。

例えば、以下の論文では両効果の差についてFEMを用いて検討されています。

蔡ほか(2003)「アンカー工による斜面の補強効果―極限平衡法と弾塑性FEMとの比較」
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jls2003&cdvol=40&noissue=4&startpage=266&lang=ja&from=jnltoc

以下は読んでいません。土研が絡んでいますね。書庫を探してみましょう。

土木技術資料 2009年3月
「地すべり対策に用いるグラウンドアンカーの締付け効果の評価」

日本地すべり学会研究発表会講演集  2008 47th pp375-378
「地すべりにおけるアンカーの締付けおよび引止め効果に関するFEMによる基礎的検討」



その他、議論されている諸問題も、変形を取り扱うことで解決する内容が多いようです。
LEMで変形は扱えません。破壊しか扱えないツールで、変形に起因する現象をカバーしようとすると、小難しい説明やファジーな表現に行きつきます。ベテラン技術者はそこを経験のみで発言することなく、計算なども利用してカバーしていただきたいと思います。
鬼に金棒とはこのことでしょう。

2012年1月4日水曜日

空中写真の立体視

この休みに空中写真判読を復習しておこうと思い、図書館で2冊の本を借りていました。

2冊とも、空中写真と判読結果、解説が載っています。その内、私のレベルに合ったのは、次の1冊です。
大八木規夫「地すべり地形の判読法」近未来社
まだ最初の方しか読んでいませんが、このまま読み進めて気に入れば購入し、実際に手を動かして判読結果を比較しようと思っています。

空中写真は立体視できるように2枚配置されています。平行法です。
個人的に裸眼では交差法の方がやり易く、平行法は少し時間がかかります。
解説を読んで、写真を立体視で確認し、また解説を読んで・・・を繰り返すと、そのたびに立体視に時間がかかって先に進みません。

仕方ないので、簡易ビューアーを近くで販売していないかネットで探していると、老眼鏡を代用している方の記事が眼に止まりました。眼から少し離した老眼鏡を通し、ステレオ写真を見るのです。
半信半疑でしたが、早速、100円ショップに行きました。少し小さめで、+3.5の老眼鏡を購入。帰宅後に写真見てみました。

最初は駄目でしたが、10分ほどの試行錯誤でコツをつかみ、鼻の頭に載せた老眼鏡からすぐに立体視できるようになりました。上下に動かしても立体視は崩れません。試しに老眼鏡なしでも見てみましたが、やはり時間がかかります。これは、なかなか良いアイテムです。
私の場合、右目の視力が極端に悪いので、老眼鏡を手で持って写真に近付けた方が見やすいのですが、それだと視野が狭くなります。右目の画像がぼやけても立体視できれば綺麗な像(左目は普通に見えます)になりますし、鼻の頭に載せた方が視野も広く、両手も空きます。解説を読みながら確認するにはこれが良いですね。


ちなみに、YouTubeは3D対応済みですし、それらのソースをを表示するための3次元ディスプレーも販売されています。中には裸眼で見るために工夫されたディスプレーもあります。
今後は空中写真も大きなディスプレーで表示し、それを裸眼で見ながら直接判読し、ソフト上で書き込んで行くようになるんでしょうね。