1. ロジット関数と逆関数:ロジスティック関数(シグモイド関数)
2値分類(バイナリ分類)では、対象のデータを2つのクラス、通常は 0 と 1 に分類する。
ロジスティック回帰はこのような分類問題に用いられる手法で、線形予測子の出力を確率に変換するために、ロジスティック関数を利用する。また、対数オッズ(ロジット)として
$$ \text{logit}(p) = \ln\left(\frac{p}{1-p}\right) $$
と定義され、これの逆関数としてロジスティック関数が用いられる。 $$ z = \ln\left(\frac{p}{1-p}\right) $$ $$ e^z = \frac{p}{1-p} $$ $$ e^z (1-p) = p $$ $$ e^z - e^z p = p $$ $$ e^z = p + e^z p = p(1+e^z) $$ $$ p=\frac{e^z}{1+e^z} $$ $$ p=\frac{1}{1+e^{-z}} $$
2. シグモイド関数の微分
シグモイド関数を以下のように定義する。
$$ S(x)=\frac{1}{1+e^{-x}} $$
シグモイド関数 \( S(x) \) を微分するため、次の形に変形する。
$$ S(x)=\left(1+e^{-x}\right)^{-1} $$
ここで、外部関数 \( f(u)=u^{-1} \) と内部関数 \( u(x)=1+e^{-x} \) と置くと、連鎖律により
$$ \frac{dS}{dx}=\frac{df}{du}\cdot\frac{du}{dx} $$
外側の関数の微分$$ f(u)=u^{-1}\quad\Rightarrow\quad\frac{df}{du}=-u^{-2} $$
内側の関数の微分$$ u(x)=1+e^{-x}\quad\Rightarrow\quad\frac{du}{dx}=-e^{-x} $$
連鎖律の適用$$ \frac{dS}{dx}=-\left(1+e^{-x}\right)^{-2}\cdot\left(-e^{-x}\right) =\frac{e^{-x}}{\left(1+e^{-x}\right)^2}. $$
3. 微分式の形の簡略化
シグモイド関数の定義を用いると、その補数は $$ 1-S(x)=\frac{e^{-x}}{1+e^{-x}} $$ となり、積は $$ S(x)\left(1-S(x)\right)=\frac{e^{-x}}{\left(1+e^{-x}\right)^2} $$ となる。
したがって、シグモイド関数の微分は
$$ \frac{dS}{dx}=S(x)\left(1-S(x)\right) $$
と自身のみで表現可能。
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