先の洋書よりもハードウェアや原理について詳しく書かれています。先日使用した hDVS について、大まかな流れは理解できました(細かい点はわからないことばかりで先は長い)。
以下、流れの抜粋です。( ..)φ
狭帯域レーザーの出力は、Optical local oscilator (OLO)パスとパルス形成パスに分割される。
前者は角周波数 ω0 で放射され、ELo・exp(jω0t) の形の時間依存電界を持つ。
後者はAcoustic optical module (AOM) によってω0 + Δω のプローブパルスに周波数シフトされる。
サーキュレータ等を使用して、プローブパルスをセンシングファイバーに発射し、後方散乱光を OLO と混合する別の結合器を介してバランス型受信機に導く。
検出器に降りかかる電界は次のように表される。
Eωt = EL0・exp(jω0t)+Eb(t)・exp{j[(ω0 + Δω)t + Φ(t)]}, (3.29)
光検出器は表面に到達する光パワーに応じて電流を供給するので、光電流は次のように表される。
iphot = Rd{EL0^2+Eb^2+2EL0Eb・exp[j(Δωt+Φ(t))]} (3.30)
バンドパスフィルタを使用して中間周波数IF=Δω のみを選択することで、OLO の電界と後方散乱信号の積であるヘテロダイン項ihet(つまり、式 3.30 の 3 番目の項) が得られる。これは、受信器の出力を支配する唯一の光学的寄与である。
ihet = Rd{2EL0Eb・exp[j(Δωt+Φ(t))]} (3.31)
この信号を二乗することにより、後方散乱信号と直接比較できる波形が得られる。つまり、自由空間の各ポイントから返される後方散乱パワーに比例する。
ヘテロダイン OTDR では、バンドパスフィルタ適用時に後方散乱信号の振幅が検出され、位相情報が破棄される。対照的に hDVS では、後方散乱の位相は、位相情報を保持しながらも電子機器で処理できる周波数であるダウンシフト IF を介して測定される。(プローブパルスの周波数が50MHzシフトアップされている場合、ヘテロダイン後方散乱信号の周期は、約2mのファイバーに相当する。)
処理の手順
1.ファイバーに沿った距離として位相を検出。
2.レーザーのショット間の位相差を算出。
3.選択した距離間隔(ゲージ長)にて位相差を空間微分。
※ゲージ長全体にわたる位相の変化をレーザーショット数の関数として記録することも可能。これにより、ひずみの時間微分(ひずみ速度)が得られる。これらの処理後、ファイバーに沿った距離と遅い時間(つまり、プローブパルスの連続に見合った時間スケール)の関数として、アンラップされた位相の画像が利用可能になる。
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