Ohki et al.(2020)
Landslide detection in mountainous forest areas using polarimetry and interferometric coherence
https://earth-planets-space.springeropen.com/articles/10.1186/s40623-020-01191-5
ALOS-2 のデータ (Lバンド、空間解像度約6m)を用いた、土砂移動箇所検出の検討事例です。北海道胆振東部地震(2018年9月)と九州北部豪雨(2017年7月)を対象としています。
提案手法は change detection の範疇ですが、画像データを利用していません。波のデータのみです。そして最後はお決りの機械学習です(といっても決定木です)。
特徴
- PolSAR、InSAR、DEM を組み合わせた解析
結果
- すべての特徴量(InSAR、PolSAR、DEM)を用いた場合、kappa>0.6程度の精度。
- 正確な検出には、少なくとも二重偏波(HHとHV)が必要。特に大きな入射角では四重偏波を推奨。
- 精度向上には、より高い空間分解能、より高い時間周波数、より多くの方向からの観測が必要である。
留意点
- Hサイト(北海道)は、試験地周辺の火山の火砕流堆積物に覆われている。そのため、胆振地震では浅い土砂崩壊が多く、比較的緩やかな斜面(<30°)で発生したと考えられている。Hサイトを用いて構築したモデルは,急峻な地形での多発したFサイトへの適用性が悪い。地質の違いに留意する必要あり。
最近の国交省さんの動向を見ていますと、今後、土砂災害分野における各種衛星データの利用は拡大して行くようですね。関連マニュアルも複数出ていますし、ALOS-3へ向けてのシンポジウムでも以下のような報告がされています。
https://www.pco-prime.com/alos-3_alos-4_sympo/pdf/1505.pdf
機械学習を用いた change detection の精度は高いといえない状況ですが、いずれ向上し、災害時の人手不足問題も(change detection に関しては)回避できるでしょう。
検出アルゴリズムの構築以外は特に難しい作業はないので、備えておきましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿