2017年2月19日日曜日

段階載荷と定ひずみ速度載荷

段階載荷の圧密試験では、荷重増加分比 1、荷重範囲 10~1600KN/m2、8 段階(Pc の前後 3 段階)が標準となっています。勿論、土によっては荷重範囲外を選択しても良いのですが、旧来の試験室では、5kN/m2 くらいからしか準備されていないでしょう(大きな試験室ではさらに大きな荷重、あるいは定ひずみ速度載荷装置をお持ちです)。

そうすると、難しくなるのが表層部と深部の試験。

例えば、先日の「表層部の簡易CU」と同様に、試料の中心がGL-1mとすると、有効鉛直応力(土被り圧)16-10=6KN/m2、正規圧密で同程度の Pc を想定した場合、1.25、2.5、5kN/m2の軽い側3点の載荷が必要になりす。未圧密であれば、さらに軽い側が必要となります。が、荷重を準備されていない試験室では対応できません。地盤工学会の基準書にもあるように、浚渫粘土などの表層部では、(理屈では)定ひずみを選択した方が良いものと判断されます。

一方、実際に定ひずみ速度載荷を実施するのは、洪積粘土のような硬質粘土が多いようです。段階載荷では重い側 3 点の荷重をかけることができない、あるいはPcを精度良く求めたいのに荷重が飛び過ぎて対応できない、浚渫粘土の様な超軟弱土では、シンウォールから抜いた瞬間に乱れる、自立しない、などといった経験からのようです。
沖積粘土でも GL-20m以深でN値 3 程度あれば、過圧密となっている場合に重い側で3点取れない、などの経験があります。その場合、結果的には定ひずみ速度載荷のほうが良かったなあ、ということになるのですが、なかなかうまくいきません。

現場条件や既往調査のPcを確認し、試験室で対応できるかなどを判断してから調査計画を立てないと、理想的な結果は得られません。ま、逆に言えば腕の差が出てくるところ、と言えるのでしょう。


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