http://phreeqc.blogspot.jp/2011/11/sys-2.html
講習会参加の許可を貰う際に、上司より、どのように業務に役立つか部長様に説明するよう求められました。
が、面倒なので、適当に流して私費で参加しました。例の部長様に、新しい理論の良さを理解して頂く程の力量も根気もありません。また、「どのように業務に役に立つか?」を知りたがる方は、それが発注の仕様に入らない限り納得されないでしょう。ノルマのあるサラリーマン技術者としては、現時点で流すのがBESTです。
今回は個人の力量を稼ぐべく参加したのですが、私にとってちょうど良い内容でした。
第1回であるためか、カムクレイの限界から、太田・関口モデル、下負荷、そして上負荷、SYSカムクレイと順に話が進みました。以前にFEMや連続体力学の講習等で聞いていたためか、非常に理解しやすい説明でした。
私の解釈も含めて概念を整理すると、以下の通り。(実際に手を動かしたわけではないので解釈に誤りはあると思います。誤りとわかった段階で、今後、修正します。)
①オリジナルカムクレイモデル
- 標準圧密試験(1次元圧密)q=0と等方圧密試験q≠0で正規圧密線(NCL)の傾きは同じ(平行)。しかし、1次元圧密のほうが、体積が小さくなる。p'が同じ(ex. σ’⇔ {1, 1, 1 }と {1.2, 0.9, 0.9} ∴ p’=1) でも、1次元圧密試験では、せん断応力qが生じる。p’によって生じる体積変化が圧密に関する項、qによって生じる体積変化(切片の差)がダイレイタンシー。
- 限界状態線(CSL:Critical State Line)もNCLと平行。
- 練返した土はp’,qが決まれば、vが決まる(排水・非排水せん断で異なるvとならない)。>>>q~p’~v空間で一つの面を形成する。これがロスコー面(Roscoe surface)
- NCLの切片をΝ、CSLをΓとすると、ロスコー面は切片がΝからΓまで連続的に変化する直線の集合ととらえることができる。>>>ΝとΓを線形補間してみよう!・・・これがオリジナルカムクレイモデル。
- オリジナルカムクレイの線形補間を曲線補間にした(ダイレイタンシーのモデル化が異なる、特異点がなくなり使い勝手が良い)。・・・これが修正カムクレイモデル。
- ほかにも、指数関数型(ECモデル)、対数関数型(LCモデル)などあり。
②-2:関口・太田モデル
- オリジナルカムクレイは等方圧密。>>>異方(K0)圧密を考慮してみよう!・・・これが関口・太田モデル(特異点は残るので処理が必要)。
- ほかにも修正カムクレイに異方性を考慮したものもあり。
③下負荷面・上負荷面の追加(自然堆積粘土への適用)
- 上記のモデルは練返し粘土の挙動を説明。自然堆積粘土では以下の挙動が説明できなかった。
- 弾性状態(過圧密)から弾塑性状態(正規圧密)へのなめらかな変遷(過圧密の解消)、繰り返し載荷による体積ひずみの蓄積>>>オリジナルカムクレイや関口・太田モデルにオプションとして下負荷面を追加。
- NCLの外側(限界状態線の外側:impossible state)で大圧縮する(構造の破壊)。>>>さらに上負荷面を追加。修正カムクレイ+異方性(関口・太田、橋口)+下負荷面+上負荷面=SYSカムクレイ
案外、対処療法的な加筆•修正の繰り返しなのですね。まだまだ発展しそうです。
理解していない点も多くあります。
- 「過圧密の解消」=「土粒子のインターロッキング・ボンドが消失し、塑性膨張が起こる」といった説明は、ダイレイタンシーによる膨張で、構造の高位化を意味する?つまり、正規圧密状態よりもさらに構造の低位化した状態があるということ?
- 砂の締固め(排水)や液状化(非排水)は、構造の破壊(低位化)で説明されています。では、再液状化を再現できるのでしょうか?
また2年後にでも答えを見つけましょう。
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