2010年11月5日金曜日

地すべり粘土?熱水粘土?

この前、踏査へ行ってきた時にサンプルを4つ取って来ました。

①崖錐、②茶灰色粘土、③灰色粘土、④熱水性粘土(灰色)

このうち、踏査結果では、②と③が地すべり粘土である可能性が高く、④とは違うことを確認するためにXRD分析を行いました。(といっても、当社の研究職の方にお任せです。)結果をRockJock(http://pubs.usgs.gov/of/2006/1036/of2006-1036.pdf)で整理してもらいました。RockJockは計算に時間はかかりますが、EXCELベースで結構使いやすいんですよ。しかもXRDで鉱物の定量(元素ではないところがミソ!)ができます。ただ、XRDの測定に半日かかるところが難かな?
実はXRDで定量分析をするために、1年がかりで整備してきました。まずはXRDデータのデジタル化。島津XD-D1といった古い機械なんで、PC-98とデータ通信基盤を入手するところからはじめました。次に、今のPCにデータを渡すためにMOを認識させたり、config整備したり、基盤の調整したり、で、最後にデータを加工するEXCELマクロを作ったり、RockJockを使えるようになるまで整備したり・・・といった感じです。
データの加工に関しては、コチラのページがあったため、非常に助かりました。
http://tsuyu.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/excel_vba_d265.html
また、こちらにXD-D1用の整理EXCELデータ(マクロ含む)をおいておきます。
https://sites.google.com/site/geochemist001/resources/xrd-xd-d1
で、結果なんですが、びっくりしたことに、①~③まで、Qz、Ab2種の主要鉱物がほぼ同じ値。粘土鉱物も①②は風化が進んでbiotiteがilliteに幾分変化していましたが、それらを合計するとほぼ同じ値になりました。④は主要鉱物が少なく、Calciteが多く含有されていました。

ここまでうまく分かれるとは思っていませんでした。これで、②、③はほぼ源岩が破砕された粘土=地すべり粘土であるということがわかります。XRDは基本定性分析ですが、定量まで整理することで新たな事実が浮かび上がるといった、手本のような解析でした。

3 件のコメント:

  1. はじめまして。
    このHPを拝見して色々と勉強させて頂いております。
    X線回折分析結果 (XD-D1) データ整理のExcelを利用したいと思うのですが、
    入力データのフォーマット(データ配列等)が分からず、断念しております。
    もしよろしければ、入力データファイルのサンプルなどを見せていただけると助かります。
    年度末でご多用のことと存じますが、よろしくお願いいたします。

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  2. 初めまして。

    昨夜、コメントに気づきました。遅レスですみません。
    しかも、残念ながら私からデータの提供はできません。お力になれず申し訳ありません。

    仮に、XD-D1の測定データをお持ちで、そのフォーマットを理解したいということであば、上のリンク先にデータ仕様が記載されています。非常に参考になると思います。頑張って解読してみてください。

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  3. ご返事ありがとうございます。
    ようやく年度末の繁忙期から解放されました。私もご返事が遅れまして申し訳ありません。
    データの件、承知いたしました。
    また今後ともよろしくお願いいたします。

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