3次元の解析を行いたい場合、最も手間がかかるのが地質のモデリングです。
解析のことを理解していない地質屋さんが調査をしていると、ほとんど1からモデルを作るようになり、手間がかかります。たとえば、数オーダー異なる透水係数を有する土質を同一層にしていたり、地下水コンターの傾斜が変化しているにもかかわらず、1箇所でしか調査していない云々・・・。水理地質が理解できていない地質屋さんは、調査業務も満足にできません。
変形も同じです。変形モードがわかっているのに、その原因が見てわからないような地質断面図では、使い物になりません。いくら解析しても、答えは合わないのです。
水にしても変形にしても問題を解くには地質屋さんの力が非常に重要であり、出来上がった3次元地質分布が解析結果を決めるといっても過言ではないでしょう。
今回、5箇所程度の揚水量と水位を3次元解析上で再現しないといけないのですが、頂いた地質断面図では、解析領域全域をカバーしていない、3次元ではなく2次元の縦断図のみ、土質区分と帯水層区分が合致していない、帯水層は1枚のみ・・・など、ほとんど解析できないような調査結果で、最初から作り直しです。さらに、広域のボーリングデータも取り込む必要があります。
数値計算への連携を考えると、地質モデリングツールとしてはMVS(http://www.ctech.com/)、GEORAMA(http://www.engineering-eye.com/GEORAMA_CIVIL3D/)などがあります。
MVSは非常に簡単に多数のボーリング結果を、3次元で可視化できます。また、推定した地層境界などをXYZといったTXTデータにも書き出せるため、後のG-TRANやVisual MODFLOWにも取り込むのも容易です。欠点はレンズ状の土層や切った切られたの様な表現が苦手なことでしょうか。
GEORAMAは電子納品のXMLが読み込めるため、電子データさえあれば入力は非常に容易です。コチラはMVSの欠点であるレンズや切った切られたの表現もできますが、古いボーリングを取り込むとなると、MVSのほうが楽になります。
解析ソフトはSoilPlusかVisual MODFLOWですね。
SoilPlusでは土層のTXTデータを取り込む際に、そのデータに基づいた近似面を作成するため、ボーリングで確認した土層深度とずれてしまう欠点があります。薄層では、近似の誤差により土層面がクロスし、逆転する箇所も出て来る場合があります。TXTデータのメッシュを細かくしようとしても、32bitのため取り込めるデータ数に制限が出てきてしまいます。GEORAMAを使用していれば、そのデータを取り込むことが可能なため、この欠点はある程度解消されます。
Visual MODFLOWは、同一層の中で調査結果の透水係数をクリギングにより補完し不均質性を反映する機能があります。また、PESTパッケージにより逆解析による透水係数の同定が可能となります。地質モデルはTXTファイルを反映できますので、問題ありません。
現在、3次元解析は非常に多くなってきています。しかし、3次元でモデルを作ることができる地質屋サンはほとんどいません。断面図も2次元CADを使用している方が非常に多い状況です。反省・努力が必要です。
MakeJibanはダメでしょうか?
返信削除http://www.godai.co.jp/soft/product/products/makejiban/makejiban.htm
動画もあります.ただ,意味のない操作になっていますが...
返信削除http://www.youtube.com/watch?v=l3qwON1tScw
MakeJibanは、五大サンのですね。発売当時にいろいろ話を聞きました。試用もさせていただき、非常に使いやすいインターフェースだった印象があります。ただ、解析(PowerSSA 3Dなど)にデータを流用できなかった(地質の表現のみのソフトだった)ので、そのときは購入しませんでした。今はどうなっているんでしょね。また機会があれば聞いてみましょう。
返信削除やっぱり解析への流用が大きなネックなんですね.ご意見をありがとうございます!.
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