LS-RAPID の続きです。
LS-RAPID では、すべり・崩壊の発生シミュレーションを扱えるところが特徴の一つです。豪雨による水頭上昇や、地震波による崩壊を扱えます。LSFLOWでは、崩壊した後の土砂移動を扱うと割り切っていますので、決定的な違いです。
発生シミュのうち、豪雨シミュでは水頭の上昇を誘因とするため、間隙圧比 ru (=u/σ)を入力します。
ru の上昇は、水頭の上昇を模擬しています。この間はせん断に伴う過剰間隙水圧の影響は無視され、せん断抵抗角はピーク時の値φpを使用します。崩壊後の定常状態では先の Bss で補正されたτss を使用しますので、そこに水頭、過剰間隙水圧が含まれた形となります。計算上は ru = 0 として Bss にバトンタッチです。
では、ピーク時から定常状態に至るまでのせん断抵抗力低下過程では ru をどのように扱うか?というと、せん断変位で按分するようです。そのせん断変位量の閾値はリングせん断などで決めるという流れです。
ru の入力値は、解説書にあるSLIDEモデルでも、浸透流計算結果でも、観測値でも良いのでしょう。それらを使用することで、すべり・崩壊の発生から一連の流れで扱えるという点が、特徴なのだと思います。
2015年11月21日土曜日
2015年11月20日金曜日
LS-RAPID のτss
五大開発さんの LS-RAPID を使用することになりました。
再度、解説書を読み直しています。
今までは土研さんの LSFLOW を使用していました。崩壊後の土砂移動を扱うシミュレーションコードです。LS-RAPID も土砂移動を扱っているのですが、F=ma の考え方(組み合わせ)が異なります。LSFLOWはナビエ・ストークス経由ですので、着想がより流体ベースなのでしょう。
また、決定的に違うのが全応力(LSFLOW)と有効応力(LS-RAPID)。このあたり、開発者のこだわりが見えます。
LS-RAPID で特徴的なのが、すべり面(移動土塊と不同層の境界)の強度の考え方。すべり面の動摩擦としてφmを設定します。これは、LSFLOW と同じです。が、もう一つ、すべり面の定常状態のせん断強度τss も設定します。これは、リングせん断での残留状態から設定するようです。
では、計算で用いられているすべり面強度はどちらが優先されるのかのか?ということになるのですが、解説書に書かれていました。
定常状態のせん断強度τss の設定は、室内試験にて初期の垂直応力にかかわらず一定となる結果を利用されています。垂直応力によって変わるのが強度でなく、全応力の見かけのφa(ss)。つまり、土塊の高さによって、τssは変化はしないとされています。とりあえずそれを境界全面に設定します。
試験を飽和状態で実施しておけば、最も強度 τss は低くなるという考え方でしょうか、定常状態のせん断面で発生する過剰間隙水圧発生率 Bss=⊿U/⊿σ3 が低くなれば(乾燥に近づけば)強度は動摩擦係数φmと有効上載圧によって決定される値まで上昇する。せん断時の過剰間隙水圧を測定するのが難しいので、実際はBss=0..3程度(尾根で乾燥側、谷部で湿潤側など変化させる)とし、φmを再現計算で同定する、といったような流れでしょう。
再度、解説書を読み直しています。
今までは土研さんの LSFLOW を使用していました。崩壊後の土砂移動を扱うシミュレーションコードです。LS-RAPID も土砂移動を扱っているのですが、F=ma の考え方(組み合わせ)が異なります。LSFLOWはナビエ・ストークス経由ですので、着想がより流体ベースなのでしょう。
また、決定的に違うのが全応力(LSFLOW)と有効応力(LS-RAPID)。このあたり、開発者のこだわりが見えます。
LS-RAPID で特徴的なのが、すべり面(移動土塊と不同層の境界)の強度の考え方。すべり面の動摩擦としてφmを設定します。これは、LSFLOW と同じです。が、もう一つ、すべり面の定常状態のせん断強度τss も設定します。これは、リングせん断での残留状態から設定するようです。
では、計算で用いられているすべり面強度はどちらが優先されるのかのか?ということになるのですが、解説書に書かれていました。
定常状態のせん断強度τss の設定は、室内試験にて初期の垂直応力にかかわらず一定となる結果を利用されています。垂直応力によって変わるのが強度でなく、全応力の見かけのφa(ss)。つまり、土塊の高さによって、τssは変化はしないとされています。とりあえずそれを境界全面に設定します。
試験を飽和状態で実施しておけば、最も強度 τss は低くなるという考え方でしょうか、定常状態のせん断面で発生する過剰間隙水圧発生率 Bss=⊿U/⊿σ3 が低くなれば(乾燥に近づけば)強度は動摩擦係数φmと有効上載圧によって決定される値まで上昇する。せん断時の過剰間隙水圧を測定するのが難しいので、実際はBss=0..3程度(尾根で乾燥側、谷部で湿潤側など変化させる)とし、φmを再現計算で同定する、といったような流れでしょう。
2015年11月10日火曜日
せん断剛性の推定
最近読んだ文献・図書で引用されていた式です。平均有効主応力の関数になっています。いずれも出典は手元にありませんが、いずれ確認しましょう。以下、備忘録です。
初期せん断剛性の推定
「七ヶ宿ダムの動的解析」土研資料2480号, 1987.3
ex.ロック材:G0=5820(2.17-e)^2/(1+e)・σm^0.6
それをもとに岩崎らがまとめた式
「地下構造ハンドブック」建設産業調査会, 1984, pp458-464
ex.砂質土:G=A(γ)B(2.17-e)^2/(1+e)・P^m(γ)
初期せん断剛性の推定
「七ヶ宿ダムの動的解析」土研資料2480号, 1987.3
ex.ロック材:G0=5820(2.17-e)^2/(1+e)・σm^0.6
それをもとに岩崎らがまとめた式
「地下構造ハンドブック」建設産業調査会, 1984, pp458-464
ex.砂質土:G=A(γ)B(2.17-e)^2/(1+e)・P^m(γ)
2015年11月3日火曜日
モビライズド面
ある資料を探して、土質工学会「地盤工学における数値解析の実務」をパラパラ見ておりました。
ふと、目についたのが地下空洞の解析。「20年前の古い図書なのに広範囲の内容が扱われているなあ、いえ、古いからこそ?」などと感心しつつ、見ておりました。
その中に、スリップライン法が載っていました。これ、以前見たときはどのようにしてモビライズド面を決めているのかわりませんでした。この図書でも詳しく書かれていないのですが、ググってみるとでてきました。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/unonet/doctor/chapter1.pdf
現在は原発の指針にも掲載されているようで、検討もなされています。
http://www.ensc.jp/pc/user/HOUDOU/h26/o270326/genshiryou1-1.pdf
http://www.tepco.co.jp/nu/material/files/g10012902.pdf
電力さん特有の考え方、ソフトかと思いきや、そうでもないようです。ググってみると、Soilplusにも表示機能があるとのこと。ちょっと見てみましょうか。
ふと、目についたのが地下空洞の解析。「20年前の古い図書なのに広範囲の内容が扱われているなあ、いえ、古いからこそ?」などと感心しつつ、見ておりました。
その中に、スリップライン法が載っていました。これ、以前見たときはどのようにしてモビライズド面を決めているのかわりませんでした。この図書でも詳しく書かれていないのですが、ググってみるとでてきました。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/unonet/doctor/chapter1.pdf
応力場の検討では、空洞周辺の応力状態をFEM解析により算出する。岩盤のφが一定であれば、モビライズド面は主応力に対して、45°±φ/2の方向となるため、円形空洞の場合には、図1-8に示すような対数らせん状のモビライズド面が形成されることから、このライン上でのすべり安全率を算定するスリップライン解析によりすべり安全率Fs=1.5以上が確保できることを確認する。mobilized というくらいですから、海外の文献が出典なのでしょう。
現在は原発の指針にも掲載されているようで、検討もなされています。
http://www.ensc.jp/pc/user/HOUDOU/h26/o270326/genshiryou1-1.pdf
http://www.tepco.co.jp/nu/material/files/g10012902.pdf
電力さん特有の考え方、ソフトかと思いきや、そうでもないようです。ググってみると、Soilplusにも表示機能があるとのこと。ちょっと見てみましょうか。
2015年11月2日月曜日
ダムの固有周期
ダムの耐震関連の文献を読んでいました。
堤高が高くなるにつれて固有周期が長くなるという傾向は理解しやすいですね。図書にも載っています。
そこから後は、研究段階ということでしょうか(私が知らないだけかも)?
例えば、法長が長くなると周期が短くなる、ア-スダムは経験式にそぐわない場合がある、など。天端/基礎のスペクトル比からE(G)を逆解析で同定する場合もあるようです(3年前に同じような話を聞いています)。
http://phreeqc.blogspot.jp/2012/11/blog-post_17.html
過去の地震動から強振動時の応答倍率の変化を求めたり、G/G0を求めたりと、過去のデータの活用幅も広いようです。
地震応答解析については、以前より短期目標に掲げていますが、あまり進んでいません。少しづつ前には進んでいますが。
学ぶべき知見、たくさん残っています。
堤高が高くなるにつれて固有周期が長くなるという傾向は理解しやすいですね。図書にも載っています。
そこから後は、研究段階ということでしょうか(私が知らないだけかも)?
例えば、法長が長くなると周期が短くなる、ア-スダムは経験式にそぐわない場合がある、など。天端/基礎のスペクトル比からE(G)を逆解析で同定する場合もあるようです(3年前に同じような話を聞いています)。
http://phreeqc.blogspot.jp/2012/11/blog-post_17.html
過去の地震動から強振動時の応答倍率の変化を求めたり、G/G0を求めたりと、過去のデータの活用幅も広いようです。
地震応答解析については、以前より短期目標に掲げていますが、あまり進んでいません。少しづつ前には進んでいますが。
学ぶべき知見、たくさん残っています。
2015年10月31日土曜日
岸壁と常時微動
物理探査学会の133回講演要旨集に、面白い事例発表がありました。
鈴木ほか「岸壁付近で観測される常時微動の特徴-焼津漁港の観測結果例-」
港湾で微動を計る場合に、岸壁からどの程度の離隔を取ると、構造物自体の影響を取り除くことができるか?という視点で測定をされた事例です。港湾だからでしょうか、応用さんなのに JU を使用していらっしゃいました。
結論としては、「高さ10mの岸壁なら、30m離れると良い。」かつ「岸壁と平行方向の成分に着目すれば良い」と言うもの。岸壁に近いと、サイト増幅特性をあらわすピークから低周波側のノイズが取れないようですね。また、離隔が30mなのか、高さの3倍なのかは結論づけられていません。今後のデータ収集に期待です。
鈴木ほか「岸壁付近で観測される常時微動の特徴-焼津漁港の観測結果例-」
港湾で微動を計る場合に、岸壁からどの程度の離隔を取ると、構造物自体の影響を取り除くことができるか?という視点で測定をされた事例です。港湾だからでしょうか、応用さんなのに JU を使用していらっしゃいました。
結論としては、「高さ10mの岸壁なら、30m離れると良い。」かつ「岸壁と平行方向の成分に着目すれば良い」と言うもの。岸壁に近いと、サイト増幅特性をあらわすピークから低周波側のノイズが取れないようですね。また、離隔が30mなのか、高さの3倍なのかは結論づけられていません。今後のデータ収集に期待です。
2015年10月26日月曜日
GSFLOW のモデル作成手順
USGS の GSFLOW が Ver.1.2に up しました。
残念ながら、PRMS、MODFLOW を含め統合された GUI にはなっていないようです。前 Ver. 同様、必要に応じて個々の GUI 等を利用すれば良いという考え方でしょう。
モデルの作成方法は以下に詳細が掲載されています(以前からあったのでしょうか?知りませんでした)。ここでは、ArcGIS が活用されています。丁寧に書かれていますので、理解しやすいですね。
http://wwwbrr.cr.usgs.gov/projects/SW_MoWS/GSFLOW%20-%20Instructions%20for%20Input.html
https://wwwbrr.cr.usgs.gov/projects/SW_MoWS/GSFLOW.html
地表部のデータセットが揃っているとありがたいですね。
現場レベルだと、色々なサイトを巡って収集する必要があります。ある程度揃うかもしれませんが、手間でしょうね。
サンプルデータで計算後、可視化しようとして躓きました。
Model Viewer が MODFLOW の name ファイルを読み込みません。エラーを吐きます。おかしいなあと思って input フォルダーの nam ファイルを確認すると、相対パスになっていました。
input ファイルと output ファイルを一つのフォルダにまとめ、パスを外すと読みました。MODFLOWは相対パスで良くても、Model Viewer はダメなのでしょうか。あるいはパスの長さ?
とりあえず、手元で GSFLOW を動かせる環境は整っていますし、操作上の不明点もありません(実際は、手を動かし始めると出てくるのでしょうが)。
あとは気力でしょうか。地表流に地下水、モデル作成からキャリブレーションまでを考えると、二の足を踏んでしまいます。
どなたかやる気のある方、簡素化できるノウハウをお持ちの方、いらっしゃいませんかね。
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20200523修正
リンクが切れていたので、張り直しました。
残念ながら、PRMS、MODFLOW を含め統合された GUI にはなっていないようです。前 Ver. 同様、必要に応じて個々の GUI 等を利用すれば良いという考え方でしょう。
モデルの作成方法は以下に詳細が掲載されています(以前からあったのでしょうか?知りませんでした)。ここでは、ArcGIS が活用されています。丁寧に書かれていますので、理解しやすいですね。
https://wwwbrr.cr.usgs.gov/projects/SW_MoWS/GSFLOW.html
地表部のデータセットが揃っているとありがたいですね。
現場レベルだと、色々なサイトを巡って収集する必要があります。ある程度揃うかもしれませんが、手間でしょうね。
サンプルデータで計算後、可視化しようとして躓きました。
Model Viewer が MODFLOW の name ファイルを読み込みません。エラーを吐きます。おかしいなあと思って input フォルダーの nam ファイルを確認すると、相対パスになっていました。
input ファイルと output ファイルを一つのフォルダにまとめ、パスを外すと読みました。MODFLOWは相対パスで良くても、Model Viewer はダメなのでしょうか。あるいはパスの長さ?
とりあえず、手元で GSFLOW を動かせる環境は整っていますし、操作上の不明点もありません(実際は、手を動かし始めると出てくるのでしょうが)。
あとは気力でしょうか。地表流に地下水、モデル作成からキャリブレーションまでを考えると、二の足を踏んでしまいます。
どなたかやる気のある方、簡素化できるノウハウをお持ちの方、いらっしゃいませんかね。
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20200523修正
リンクが切れていたので、張り直しました。
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