2011年7月7日木曜日

ジオモデラー

ジーエムラボさんに営業に来ていただきました。

もちろん、Dtransu の使用を前提としたジオモデラーのデモです。
製品版ではなくプロトタイプでしたので、以下の機能のすべては確認できませんでした。
が、おおまかなの搭載機能はつかめました。
http://www.gmlabo.co.jp/geomodeler/kinou.pdf

長所は2つ。
  1. ラスターのみからモデルが簡単に作成できること。
  2. 観測結果などから透水係数などのパラメーター同定が可能。(1度に2変数まで)
基本は CTC の GEORAMA と同じです。
プライオリティーを設定しながら断面図(ラスター)の地層線をなぞっていくと境界認識してくれます。それらを補間して面を作り、メッシュを切ります。メッシングは早いですね。1層押し上げるのに数十分もかかる地層研のG-TRANとは雲泥の差です。ボーリングでの境界入力にも対応していますので、補正も可能です。設計屋さんが解析をするには良いソフトだと思います。
パラメーター同定は Visual MODFLOW の PEST と同じ機能です。GWAPであたりをつけ、DTRANSUで詳細を決めるといった使い方もできそうです。
なお、ステップ解析可能なようですが、デモはされませんでした。

短所も2つ。
  1. 入出力機能が弱い。
  2. 改良したソルバーが使えない。
メッシュの読み込み、少なくとも NASTRAN ぐらいは読み込んでほしいですね。しかも材料付きで。
断面などのCADデータも認識してほしいですね。CADデータがあるのに、それをラスターにして境界をなぞるのはありえません。逆に、モデルの書き出しもできないようです。この辺のI/Oの弱さが、私にとっては致命的です。
また、ソルバーが内蔵ということですので、外部のソルバーを使用することができないようです。つまり、独自に改変した Dtransu を使えないことになります。これは、inputファイルの書き出しで対応できますので、比較的簡単に機能追加してくれるでしょう。

一長一短ありますが、地表流が実装されるか、I/Oが改善されたら購入を検討しましょう。


2011/7/9追記 ***********************************************************
その後、メールのやり取りで、地層面、地表面、水位のXYZ読み込みがVer.1.0で対応済みのことが分かりました。地層研さんのG-TRANもできますが、他の実装機能を考えると、ジオモデラーのほうが優位でしょう。早くデモ版を使用して確認したいですね。

トンネル掘削作業員

あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑
トンネル掘削作業員 ~山を貫き町をつなげる~

固い岩盤を、大型重機で掘り進めるのが「トンネル掘削作業員」の仕事です。京都市の山岳地帯にあるトンネル掘削の現場で働く濱岡哲司(はまおか・てつし)さん(29)は、入社8年目。資材運びなどの下積み時代を経て、3年前からトンネルの先端を掘る大型重機「ドリルジャンボ」の操縦を任されています。
 全ての重機を使いこなせて一人前のこの世界。今、濱岡さんが習得しようとしているのが「吹きつけロボット」の操縦です。トンネルの崩落を防ぐため、岩盤がむき出しの掘削面にコンクリートを吹きつけ補強する重要な工程を行います。均一に吹きつけするためには、繊細なコントロールが要求されます。濱岡さんの奮闘を追いま す。 
http://www.nhk.or.jp/shigoto/zukan/285/top.html


テレビをふと見ると、やっていました。ジェンボやロボットが出ています。
このようなマイナーな仕事も紹介されるんですね。嬉しいです。お世話になった方たちを思い出しますね。元気にされているでしょうか?





モールの応力円とEXCEL

三笠の一般全応力法で扱う強度を図示しようと思い、EXCELを触っていました。

ベースにしたのは山海堂「EXCEL土質試験入門」。いろいろな試験結果をEXCELで処理できるように、ワークブックのDLができるようになっています。

複数の試験結果のモール円を合わせて表示するところまでは簡単だったのですが、接線を表示するところで止まってしまいました。
2つの円の外接線の求め方はシートに入っていたのですが、それが誤っているような気がし、他の方法で接点を求めようと考えました。ところが、2円の外接円の接点の求め方が分かりません。ネットで調べてみると、高校生の数学のようです。見ても思い出せないくらい完全に忘れていました。
検算結果はシート内の結果と同じ値になりました。バカですね。

接円外のある点を通過し、円に接する直線の計算の仕方も忘れていました。
あれやこれやでこの時間までかかりましたが、なんとかできました。
今まで通り、手書きでやったほうが早かったようです。
ま、これからはすぐできるということで、良しとしましょう。

2011年7月5日火曜日

地すべりと数値解析

地すべりに対し浸透流と変形を組み合わせた解析を行いたいという問い合わせが時々あります。

私はやったことがありませんが、周りでは2次元定常浸透流>2次元変形解析をやっています。地下水は浮力+浸透力として扱われていました。地すべりなのに浮力+浸透力で良いのか分かりません。ソフト上は3次元も対応可能ですが、どうなんでしょうね。

土―水連成解析にすると、あまり良い結果は出ないように思います。
横ボーリングなどで水位が下がるとすべり粘土が圧密沈下してしまような結果にならないでしょうか?すべり面のみ変形を大きくするというのもテクニックが必要に思います。

FLAC3Dなら以下のような解析が可能なようです。地層研さんのデモです。
3年前、デモに来られていましたが、ノードがずれるのに差分法だといわれて驚いたことを今でも覚えています。衝撃的でした。
動画は誇張もありますが、浸透流の結果を取り込めることや孔内傾斜計の変位も再現しやすそうで使えるのではないでしょうか?
動画のような大変形になると、五大さんのLS-RAPIDが良さそうですね。

最近では、PowerSSAに変形や浸透のオプションが出ています。浸透流で水圧を求めてLEMで安全率を出すということが可能です。浸透流の結果を変形に持っていけるかどうかは分かりませんが、持っていけるとなるとLEMから移行するユーザーが増えると思います。
最近の流行りなのでしょうねえ。

先日も書きましたが、粘性土の円弧すべりでは土質力学が重視され、研究・実績も積まれています。特に港湾基準では強度設定についてTOPを走っているのではないでしょうか?
しかし、同じすべりでも地すべりになると、一気に解くためのパラメーター化してしまします。同じようにせん断モードを考慮するというのも、地すべりをサイエンスで解く一つの手段なのかも知れません。
数値解析はその次の段階なのでしょう。

2011年7月3日日曜日

せん断モードと強度設定

均質な粘性土における円弧すべりで発揮される強度は、圧縮、単純せん断、伸張の3つになります。そのため、適度に乱れた試料の1軸圧縮強度であれば、「すべり面の平均強度」といったものに一致するという Lucky Harmony が生まれます。おかしな話ですが、乱れの少ない高品質なサンプルを採ってしまうと、その試験結果を使った設計ではすべってしまう可能性もあり、逆に「適度」以上に乱れてしまうと過大設計になります。

では、三軸圧縮試験ではどうでしょうか?
再圧縮がかかると本来の圧縮強度に近づきます。そのまま土層の強度として設定してしまうと、すべり面の平均強度より過大になります。それを補正するためには伸張試験などを実施すれば良いのですが、サンプルが倍以上必要になります。

ただし、このような円弧すべりにおけるせん断モードの考慮は古くから研究されており、地盤工学会基準書「地盤材料試験の方法と解説」にも詳細に記載されています。
例えば、表7.3.6では伸張強度が圧縮強度に対し、平面ひずみで0.19/0.34=0.56倍となっています。601ページにはその解説も掲載されています。これらを考慮して強度を設定すれば、試験は今まで通り1種類でOKです。

先日、そのあたりの内容を新しい基準書で変更がないか再確認していました。
が、その解説の最後に引っかかりました。
「安全側の設計値として基準の試験結果の64%をとることになる。」
主語がありません。何がどの基準の64%になるのかが分からないのです。ちなみに、古い基準書にも書いてありました。

部長様に相談したところ、「いろいろな意見があったのでわざと隠したんだろう」とのこと。そうなんでしょうか?それなら載せないはずです。

今日、それについて考えていたのですが、以下のようなことではないでしょうか?
まず、三軸CUの非排水強度をsuとします。
K0圧密した場合は1/1.15倍になりますので、0.87su。これが三軸K0CUC強度。
三軸K0CUE強度は0.87su/0.33×0.16=0.42su。
この平均が設計強度になるので、(0.87su+0.42su)/2=0.645su
安全側で切り捨て64%

つまり、K0状態の補正も考慮すべきということでしょう。ただ、64%の根拠は何も書かれていないので確認できません。
いずれにしても0.64suは1軸+簡易CUでの評価よりも安全側ですね。

2011年7月1日金曜日

Dtransuと回転マトリックス

Dtransuで透水係数の異方性に角度を持たせられるか?
ということでテストしてみました。

マニュアルにはほとんど載っていませんが、materials ラベルの中に、透水係数の方向余弦を入力する欄があります。並びから回転マトリックスと考えて変更してみました。

まず、境界条件です。
水頭10m固定


浸出面境界


地層研の G-TRAN の座標系は上図のとおり。
Dtransu は縦方向の透水係数がk3にあたります。
G-TRAN がなぜこのような座標系を設定しているのか分かりません。ちょっとややこしいのですが、地層研のソフトどおりの xyz 表記と Dtransu のマトリックス表記を併記して進めます。 

まずは通常の異方性

Kx=ky=kz=0.5m/s


Kx=kz=0.5m/s ky=0.005m/s

Kx=0.005m/s ky=kz =0.5m/s


ここから、Kx=kz=0.5m/s ky=0.005m/s固定で、マトリックスを確認して行きます。

x 100
z 010
y 001
あっていますね。回転させていませんので真横に流れています。

次はxとyをマトリックスで入れ替え。
x 001
z 010
y 100
OKです。
次は回転です。

x 0.7 0 0.7
z 0  1 0
y 0.7 0 0.7


Z軸を中心に反時計回りに45度回転。
流速ベクトルはちゃんと45度下向きっぽくなっています。マトリックスの入力があっているかわからりませんが、結果はあっていますね。


今度は反時計回りに30度
x  0.866       0.0       0.5
z     0.0       1.0       0.0
y  -0.5       0.0     0.866

おお、ちゃんと30度っぽくなっています。

今度は時計回りに45度回転!
x   0.7       0.0      -0.7
z   0.0       1.0       0.0
y  -0.7       0.0       0.7


ちゃんと上向き45度のベクトルになっている!

こんな機能が標準であるんですね。
SoilPlusでも可能だそうです。


2011.7.13追記 *******************************************************

日本地下水学会「地下水シミュレーション」p40に、方向余弦テンソルとして説明されていますね。

土層強度検査棒

土研の地質チームが開発した土層強度検査棒(土検棒)を使用してみました。

ロッドが細いので、貫入力が弱いですね。礫に当たると全く入りません。崖錐の調査例が出ていますが、どこまで到達しているのでしょうか?
また、トルク測定時には微妙な力加減が必要です。ベーンコーンでせん断する場合は必ず2人いりますね。

ただ、土検棒だけでc・φを求めるのは難しいでしょう。
経験式を使ってc・φを求めるであれば、今までの手法と大きく変わりません。
力学試験に対して土検棒の結果をキャリブレーションして使用するのであれば、同じ土層であることを確認するだけです。違う土層では別途力学試験が必要になります。
また、軟弱土層を対象にするのであれば、非排水強度か、排水強度かで区分できるような整理の仕方も必要でしょう。

港湾や道路橋のN値とφの相関式のように、今後多くの力学試験結果と土検棒の結果が検証され、経験式の精度が向上すれば非常に使えるツールになると思います。
軽量で現場作業も簡単なので、今後の発展に期待しましょう。