AI要約
背景地震による土壌地すべり(EQIL)の体積推定は、造山過程や表層変動の理解に不可欠である。特に2018年北海道胆振東部地震(M6.6)では、多数の浅い土壌地すべりが発生し、その体積推定には高精度なスケーリング関係式が必要とされている。従来の研究では面積と体積の経験的なべき乗則 ( V = α A^γ ) が用いられているが、このスケーリング指数 γ の不確実性が大きく、地域や土質によって異なることも指摘されている。また、高解像度DEM(デジタル標高モデル)の普及により正確な体積推定が可能になってきたものの、多くはフィールド調査や低解像度データに依存していたため誤差も大きかった。本研究では北海道胆振東部地震で発生した1719件の浅い土壌地すべりを対象に、高解像度LiDAR DEMを用いて新たな面積-体積関係式を構築し、不確実性評価も行うことを目的としている。手法対象地域:2018年北海道胆振東部地震による約500 km²範囲内。データ:1m空間分解能の事前・事後LiDAR DEM(事前29.41 km²=校正領域、事後512 km²=検証領域)。地すべりマッピング:既存3つの異なる土地滑りインベントリ(GSIなど)と、新規作成した校正領域内1719件についてDEM差分法で負変化部分から自動抽出し、人手で写真照合・修正。フィールド検証:50箇所訪問し深さ測定など現場確認。面積・長さ・幅算出はGISツール利用。体積計算はセル単位でDEM差分値×セル面積を集計。面積-体積関係式( V = α A^γ ) のパラメータα, γ を最小二乗法等で求める。他文献から得られた既存スケーリング指数との比較、不確実性評価も実施。地殻隆起量との比較検討にはGNSS観測値から補間した垂直変位マップ利用し総隆起量算出。結果新規構築した面積-体積関係式ではスケーリング指数γ=1.15となった。この値は文献中報告されているγ=1.0~1.9範囲内だが、日本国内他研究より若干低めか類似水準。北海道胆振地域全流域から侵食された総堆砂量は6400万~7200万m³と推定された。これは同時期GNSSデータから求めた共震隆起量約555万m³より遥かに大きく、大規模地震および豪雨による浸食作用が局所的隆起効果を上回っていること示唆する。複数インベントリ間および既存文献との比較分析では、材料特性(土質)、地域特有条件(火山灰層厚さ等)、解析方法違いなどによってγ値やα値にはばらつきあり、不確実性要因となっていた。考察本研究成果は、日本特有とも言える厚い火山灰層下に形成された軟弱な土壌条件下で発生する浅層型EQILについて、新しい高精度かつ現場検証済みスケール則を提示しており、その適用範囲拡大への貢献が期待できる。また、大規模EQILイベント時には浸食作用による堆砂量増加が共震隆起効果以上となり得るため、このバランス把握は造山運動や表層プロセス理解にも重要だと論じている。不確実性要因として材料種別ごとの異なるγ設定必要性やDEM精度向上効果にも触れており、更なる多地点多イベント解析への展開可能性も示唆している。
面積-体積関係式( V = α A^γ ) が土質によって異なるよ、という内容です。胆振東部ではγ=1.15でした。
他国の方々が胆振東部を分析されています。どのようなつながりでしょうか?
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