PHREEQC を用いてバッチ試験を繰り返すことで概念モデルの妥当性を検証した内容です。水‐熱のシミュレーションはすでに実施済みのようで、残された反応部分の報告です。あえて kinetic model を使用せず、扱いやすいバッチ試験を利用されている点では、実務上の利便性が高いと言えます。
この報告、水質計算に目が行きがちですが、地質屋さんとして難しいと感じるのは岩石側、鉱物構成の設定でしょう。地下深い場所の鉱物構成をいかに尤もらしく設定できるかがポイントです。計算で水質を再現できると、設定の妥当性が高くなると考えることもできます。このトライ&エラーは Geochemist しかできないでしょう。
固液比については、感度分析のように複数実施した結果から、尤もらしい設定を採用するだけですので難しくはないでしょう。ただ、浸透流の結果との整合性を考えるのは難しいでしょうね。バッチ試験ですから余計に。
実務では源泉への影響調査などに適用できそうです。一つのベンチマークになりそうな文献です。
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