2022年6月3日金曜日

PersianSPH その3

最後に、土‐水連成を作ってみましょう。
と古いサンプルに手を付けましたが、使えないコマンドがありました。

・dom.SeepageType
・dom.Time
・dom.KernelType
・dom.VisEq

Version 違いでしょうね。
Source を見てみると、SeepageType はParticle に対して指定するようです。無駄なので、後で修正されたのでしょう。Time は Private から出してやるとコンパイルが通りました。良いのかな?他に影響が出たらその時考えましょう。
後半2つは新しい?サンプルの書き方に修正することで通りました。

 土‐水連成のキーとなる変数は2つのようです。

・SWI
・SeepageType 

SWI:

0 => The seepage force + The bouyant unit weight of soil
1 => The seepage force + The surface erosion(Lift+Drag) + The bouyant unit weight of soil
2 => The seepage force + The pore water pressure from water particles
3 => Zero interaction force

1の文献が見当たりません。ソースは以下の通り。河床変動のようにせん断力を考慮しているのだろうと想像するのですが、何から引っ張ってきた式かは追えませんでした。

double Cd = 24.0*(P2->MuRef/P2->RefDensity)/(P1->d*norm(v)+0.01*h*h) + 2.0;
SFt = (3.0/(4.0*P1->d)*P2->RefDensity*(1.0-P1->n0)*Cd*norm(v)*v) *K;
SFt(1) += (P2->RefDensity*(1.0-P1->n0)*norm(v)*fabs(P2->S-P1->S)) *K;

SeepageType :

0 => Darcy's Law
1 => Darcy's Law & Kozeny–Carman Eq
2 => The Forchheimer Eq & Ergun Coeffs
3 => The Forchheimer Eq & Den Adel Coeffs

Kozeny–Carman だけかと思っていましたが、他にもありますね。https://phreeqc.blogspot.com/2021/01/kozeny-carman-equation.html
deとd15の片方しか指定する箇所がなさそうなので、こちらの文献に従って組まれたのだと思われます。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0266352X17302318
係数α, βはソース内指定です。透水係数に応じてソースを変更する感じでしょうか。

土‐水連成の場合、強度、透水性、SWIなど調整すべき項目が弾塑性に比べて増えます。計算時間は単純に倍。2次元でもパラスタが容易とは言えません。3次元ならなおさら。
ということで試算は2次元を選択。堤防の越流破堤を想定しモデルを作ってみましたが、SWI=2の The surface erosion(Lift+Drag) が効きすぎ。ここを河床変動式に変更すれば、もっと現実っぽくなるのでしょう。
最終的には流入水の勢いで極端にえぐれるか、越流しても壊れないかの設定になり打ち切ってしまいましたが、現実的な実験値と比較すればそれなりの形状は得られるかもしれません。探してみましょうか。

以上で PersianSPH の試算は終了。弾塑性と浸透+越流の確認は十分とは言えませんので、今後、もう少し試してみましょう。


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