2020年1月19日日曜日

Hydrochemical Evolution in Gabbro

結晶質岩における Hydrochemical evolution を扱った報告が目に留まりました。
斑レイ岩はレアな題材。惹かれて読み始めました。

Christos Christofi et al.
Hydrochemical evolution of groundwater in gabbro of the Troodos Fractured Aquifer.

残念ながら浸透流を考慮した非平衡計算ではなく反応の平衡のみでした。が、このような簡易な仮定・モデル化で地下水の進展を扱った例として参考になりました。

雨+gas(ssolution1)

不飽和帯で鉱物と反応(過飽和:solution2)
      
沈殿(solution3)あるいは沈殿する暇もなく飽和帯へ(closed:solution4)

closed system で鉱物に飽和・沈殿(solution5)


というよりも、感心したのは反応計算以外の点。
基本なのですが、国内の地下水を扱う文献ではあまり書かれていません。
For the purpose of this study, additional quality assurance in groundwater was addressed by utilizing only full ionic samples with equal to or better than 5% ionic balance.
知らなかった知識も。数100mといった深部の結晶質岩を最近扱っていません。
 Porosity and permeability are known to decrease with depth and the so called depth factor has been estimated by a number of researchers. Achtziger-Zupancic et al. (2017) found specific storage, which is directly related to porosity, to decrease in crystalline rocks by a slope of -1.0, at the first 1000 m below surface.
海外では継続的に PHREEQC を利用した文献を見ます。残念ながらなんとか理解できるレベルです。一方、国内では20年前と何も変化しておらず、本当に残念なままのレベル。
海外でも国内でも良いのですが、ついていけない速度で進化した文献が出始めたら面白いと思うでしょうね。

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