2020年1月27日月曜日

流出量の扱い

以前、砂防分野の方と話していて、流出量にかかわる時空間の考え方に(面白い)違和感を覚えたことがありました。

彼らはタンクモデル等で洪水流出を計算しています。そのため、物理モデルとしての時間を取り扱う必要性は低いようです。いえ、時間を扱ってはいるのですが、数時間といったオーダーであり、地下水が浸透し数日、数か月、数年かけて流出するといった循環の一部を概念モデルとして取り扱っていません。基本的に対象は洪水時であり、年間を通じた流出量ではありません。

それに起因してか、地下水に年代があることを御存知なかったり、流域貯留量が表流水と地下水に分かれることをあえて意識されないようです。地下水は水頭に比例し即時流出するといったような簡略化したイメージをお持ちのの方もいらっしゃるようでした。

また、場所も「ある地点」のみを対象としているため、FEM のメッシュのようにタンクモデルが水平にいくつも並ぶような概念モデルではありません。空間的にも非常に簡略化されているため、物理モデルとのリンクが切れています。時間的・空間的に非定常な流出という概念までは持ち込まないようです。

簡易モデルで問題を解決できるのですから、それで良いと思います。
が、それに慣れきっている状態はダメ。他の問題に対処できないか、誤って解釈してしまいます。
それは私も同じこと。いろいろな分野の方と話をすると、異なる考え方に触れることができます。面白いだけでなく、気を付けておくべき事項でしょう。


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