2018年9月19日水曜日

パイプひずみ計

はじめてパイプひずみ計を設置。

観測は何度もありますが、設置は初めてでした。

ボーリング孔を利用した地すべり観測では、孔内傾斜計かパイプひずみ計のどちらかが使われています。地域性もあるようです。
個人的には、孔内傾斜計の方が変位量、方向を判断しやすいので好んで利用していたのですが、自動観測には向いていません。
パイプひずみ計は自動観測できるところがメリットです。最近では、孔内傾斜計のアルミケーシングが曲がって観測できなくなった後、ケース内に極細パイプを入れて観測を続けることが可能になりました。これもメリットですね。

パイプひずみ計は、1方向2ゲージで50cmピッチだと、15mで30ch。3インチケーシングだと、これくらいが限界。孔内傾斜計のように4インチケーシング(φ86mmコアチューブ掘削)だと良いのですが、基準に示されていないためお客様が好まれません。

自動観測にのせるにしても、30chの接続には時間がかかります。
モノレールで山の上に自動観測にかかわる資機材を運んでセットし、埋設されたコードを接続し、web上での動作確認を行って撤収するには、最初約3時間/箇所かかりました。慣れてくると2時間くらいで可能になりましたが、思ってたより面倒でした。
設置してしまうと観測に出向く必要がなく、機材や観測者の確保が不要になります。台風通過時~通過後に常時監視できるのは大きなメリットですね。

孔内傾斜計とパイプひずみ計の長所を併せ持つ、東京電機「アルミケーシング型3mパイプひずみ計」というものも販売されています。今回、いくつかの孔でこれを設置してみました。http://www.tokyodenki.com/files/1/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%97%E3%81%B2%E3%81%9A%E3%81%BF%E8%A8%88%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88.pdf
今のところ、傾斜計ですべり面深度と移動方向を決定、ひずみ計で常時監視、というメリットを享受しています。(長く使えば問題点も見えてくると思われますが。)

今後の少子高齢化、働き方改革?の面からも、パイプひずみ計の需要は増えるかもしれません。アルミひずみ計を含め、動向には留意しましょう。


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