2014年11月27日木曜日

CIM と 地盤モデル

CIM に期待しているところは、個人的に他の方と異なっていると思います。

設計者ではないので、数量計算や施工管理等への応用は興味ありません。が、そこのノウハウが利用できるかもしれませんので、CIM の情報は仕入れるようにしています。具体的には、3D モデルの応用が進めば、解析ソフトでのメッシュ作成やプロパティ連携など、いくつか恩恵を受けられるのでは?と、本質と異なるところで期待しています。

本業の地盤や地質などは、CIM といった観点では向いていないように思われます。
例えば、調査会社が3次元のモデルを作成したとします。設計会社がそれを使って道路や橋梁を計画します。そして、施工段階の掘削、あるいはチェックボーリングで、施工会社が3次元モデルを修正する必要が出た場合、CIM、ひいては3次元の恩恵を受けられるでしょうか?答えは限りなく No でしょう。ソリッドやサーフェスを手作業で修正することは難しいでしょう。おそらく、既往ボーリングに新たな情報を追加し、なんらかの境界面推定コードの利用で作成し直す必要が出てくると思います。そうすると、データが増えることによって、遠方まで微妙な影響が出てきます。調査会社と施工会社が同じ推定コードを採用しておれば、その影響は少ないかもしれませんが、別コードだと大きくなるでしょうね。例え、調査会社が同じコードでやり直したとしても、以前のサーフェスやソリッドは破棄になります。
設計側での再チェックも必要になりますが、この時の手間を考えると、はるかに2次元の方が楽でしょう。2次元では遠方を変更する必要がないので、チェック箇所が少なくて済みます。

過年度の CIM 試行業務は、ほとんど構造物が対象でしたので、まだこのような問題点が出るところまでたどり着いていないかもしれません。しかし、いずれは調査、測量へと拡大していくと思われます。事例が増えるにつれ、露呈することでしょう。
解決策としては、ソフトウェアベンダーか官が、統一した推定コードを公開することでしょうね。また、ボーリングデータ追加時に、サーフェスを変更する範囲を指定できる機能も必要でしょう。

現段階でそのような動きはありません。そのため、地盤モデルは3次元で作るべき(そこから2D断面を切り出せばOK)ですが、現段階で CIM には向いていないと思います。あと10年は待つ必要があるかもしれません。


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