2014年11月14日金曜日

CIM と 3D

ソフトウェアベンダーが CIM 対応ソフトを売り進めている謳い文句の一つに、「3次元は効率的」があります(CIM=3Dではないと思うのですが)。
これは半分正解、半分誤りだと考えています。

確かに、3D モデルを扱うことで今まで(2次元で)見過ごしていたミスが顕在化するようになります。3次元を扱うのが苦手な方ほどその恩恵を大きく受けることになるでしょう。が、修正箇所が相応に増えるため、今まで以上にモデル作成に時間がかかるようになります。

一方、3次元に手を出さず、2次元を扱い続けていれば、そのような負担は増えません(精度向上もありませんが)。ハイスペックPCも不要ですし、作業スピードも早く利益を出しやすい、ストレスも受けませんので、ある意味、幸せだと思います。「作業単価が上がらない限り、今まで通りの精度で、2次元を扱うのが妥当」と言われると、そうなのかもとも思います。ただ、私は自分の頭の限度を知っていますので、3次元を扱うことをやめないと思います。

先日、ハイスペックPCのBIOSが立ち上がらなくなりました。マザーかな?と思いつつ、半日かけて原因を突き止めたところ、電源ユニット・グラボ・CDドライブの接続不良でした。天井のエアコン取り換え作業を行った翌日でしたので、作業員さんがPCにあたったのかもしれません。組み直すと難なく立ち上がるようになりました。
BIOSが立ち上がらなくなった際、上司に「40万で新しいPCを買いますか?3次元から手を引くのも選択肢の一つですが?」と聞いたところ、「買う」とのお返事。国交省主導で CIM が叫ばれている中、さすがに手を引くことは考えていらっしゃらないようです。

事業規模にもよりますが、これまでの精度で問題が生じない、あるいは生じても軽微と判断されるなら、今まで通り2次元設計で十分だと思います。3次元測量から維持管理に至るまでの費用と、2次元設計+施工時に顕在化するミスの頻度・金額などを、リスクマネジメントの観点より検討することも、現段階では CIM 業務とするかの一つの判断材料になるでしょう。

手書き図面に代わりCADが標準となったように、いずれ 3D モデルやCIM も普及して行くと思われます。が、まだ試行段階です。今後の動向に着目しておきましょう。



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