2013年4月27日土曜日

プレッシャーメーター試験 その2

個々の試験方法自体に大きな変更はなかったのですが、解説は増えました。

特に強度特性。
個人的には良い方向だと思います。

実務の慣習では、基礎の安定や円弧すべり計算時には2次元(平面ひずみ状態)としてモデル化します。が、その場合でも平面ひずみ状態の強度は使用しません。一軸か三軸(とその補正値)ですね。
今回、基準に軸対称平面ひずみ状態の強度特性が詳述されたわけですが、安定した業界クオリティーは反応するでしょうか?

詳述されているφ'の算定手法は、1977年の Hughes 論文が原著です。
Hughes の方法では、φ'cvかψを決定しないとφ'の値が出ません。そのため、別の試験でこれらの値を求めるか、仮定が必要です。私はこの点を回避する深川先生の提案を利用しています(コレも古く18年前の発表)。少し長めに試験をする必要はありますが、試験のみからφ’を決定できますので、仮定は不要となります。EXCELブックで整理していますが、これも今回の基準にあうよう変えないといけませんね。
https://sites.google.com/site/geochemist001/resources/llt

この点について、基準では「φcv'の一般的な評価値」が示されています(原著は試験値がない場合35度とされています)。いいですね。
この表を見る限り、φ'ではなく、φ'cvが最低30度です。本質はそうなのだと思います。が、実務でそれを使用してφ'を出すと、上記計算には高すぎる値となるでしょう。そりゃそうです、平面ひずみ状態の強度ですから。現行の手法に乗せるのは三軸の値に補正する必要があります。


基準は少し進みました。技術者であり続けるには共に進む必要があります。

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