今日、応用地質の51巻3号が届いた。
論文として、ボーリングコアを水と反応させ、pHを測定しているものがあった。粉末状にした岩石をclosed な環境で反応させ、その緩衝能力を評価していた。学生実験であろうか、内容的には一昔前の基礎実験レベルであり、海外の参考書にもよく掲載されているような内容だった。このような内容が論文として雑誌に掲載されてしまうところに、日本の「応用地質」の現状が見えてしまう。
海外では、このような実験を通し、PHREEQ や Geochemist's Workbench などのすばらしい地球化学コードが発表され、計算による検証と予測が行われている。もちろん、日本でも大手ゼネコンさんはそれらのコードを改良し、地層処分や地下貯留分野で利用されている。数百年、数千年といった安定性を検証するには、計算するしか手がないのだ。
しかし、国内の研究者やコンサルで、このようなコードが利用されたり、作成されたりしたのはほとんど見られない。実務で使うにはいろいろと問題点もあるが、使わないより良い結果が得られるなら、どんどん利用していくべきであろう。
今後取り組むべきは粒径の影響補正と不飽和の移流分散+化学反応であろう。前者は粒径別実験結果と地球化学コードを用いた計算により、予測できる可能性がある。後者については各々のコードは出揃っている。あとは連成させるだけなのだ。
なんとか1年くらい時間を頂いて、プログラミングと実験に没頭できないものだろうか?
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