約1年間観測して、改良を施し、安定して測定できるようになりました。
さらに、1滴の振動から観測できますから、時間方向の解像度が転倒マス型に比べ格段に向上します。
前回から約1か月かかりましたが、2相2層での水圧計算に目途が立ちました。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S002076831730286X
上記の78-82式を実装することで解けるようにはなったのですが、まだ土層を出た後の水の密度変化までは安定して解けません。最初の含水率のまま解くことはできるのですが、空中でそれは誤りですし、勝手に密度を上昇させることもできません。圧力が下がって自然に密度が上昇する、というように計算させるとすぐに発散します。そのあたり、この論文では明記されていません。土層の計算だけ追うのであれば、1層での計算が良いと思いますが、まだ何か見落としているようです。
ひとまず、次の drag force を安定して解けるか見てみましょう。
SPHにおいて、two-phase を single-layer で実装するか、double-layerにするか?
前者は計算が速い!
でも、水の流れは表現できません。(工夫すればできるのかもしれませんが、single ではなくなります。)
後者は計算が遅い!しかも圧倒的に。
でも、水の流れは表現できます。
考えた結果、もともと計算してみたかった「崩土から水の抜ける表現」が可能な後者を選択しました。既存のプログラムを容易に変更できそうな点も good です。
2相 を double-layer で解く文献はたくさんあります。が、なぜか式が統一されていません。以下が最も詳しく書かれていましたので、これを参考に実装します。
A coupled fluid-solid SPH approach to modelling flow through deformable porous media - ScienceDirect