2017年6月8日木曜日

切れたアンカー

アンカーが切れ、ヘッドが対岸まで飛んで行った現場に行きました。

私が見たのは休み明けで、既に応急対策中でした。
一通りの作業を終え、設計者と話をしていて気付きました。そういえば、維持管理のマニュアル・指針はあるものの、切れた後の危機管理マニュアルは見たことがありません。ま、応急対策手法はある程度限られていますので、レアケースのために備えることを後回しにされているのかもしれません。

ただ、土木的な対応は過去の類似事例に依ってなされるのですが、調査視点での対応は欠けがちです。行った時には抜いたアンカーの穴にモルタルを詰め終えられており、孔内カメラを入れることができませんでした。孔内カメラを入れると、切れた原因は腐食なのか変位なのか、後者ならどの深度で変位が生じているのか、などを確認できます。これが確認できれば、すべり面や崩壊面の決定根拠に使えます。調べないという選択はもったいないですし、今後の為にもルーチンワーク化してもらいたいところです。

これからの維持管理時代、長寿命化とともに危機管理も重要になってくるでしょう。ぜひ、調査・設計の視点も含めたマニュアルを検討し、備えていただきたい所です。


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