2016年8月23日火曜日

PS検層からQ値

以前、P・S波速度とともにQ値の設定を地震屋さんからお願いされ、悩んだことがあります。

設定した経験がなく、お願い返しをしてしまったのですが、それ以降、頭の片隅に残っていました。


先週末、長時間の拘束を余儀なくされ、その間に関連資料を見ていました。

そもそも、Q値という言葉はよく聞きますが、物理的イメージを掴めてません。調べていますと、以下のように書かれたものがありました。

山中 浩明 編著「地震の揺れを科学する みえてきた強震動の姿」
 ・1周期の間に減じる地震波エネルギーに反比例する量。
・減衰定数を2倍した量の逆数

Q値とは http://jikosoftcom.blog25.fc2.com/blog-entry-1181.html
振動分野におけるQ値は振幅の増大率として認識しておくと便利です。例えば、Q値=10だった場合、ある構造に静荷重Fを加えたときの変位をUとすると、同じ荷重値Fを固有振動数に一致する周波数で加えた時の(つまり共振時の)変位が10×Uとなります。
ん、これって、これのことでしょう。

土木学会「実務に役立つ耐震設計入門」p24
Xo/Xstatic=1/2h  (式2.3.18)
この図書ではQ値として説明されていません。が、このことでしょうね。これなら、イメージが沸きます。図2.3.6で、共振時(ω/ω0=1)の静的変位応答との倍率として、Q = Xo/Xstatic = 1/2h として思い描けば良いのでしょう。


調べていますと、以下の様な資料もありました。

PS検層からQ値
https://www.nsr.go.jp/data/000034343.pdf 

これは知りませんでした。確かに、ダウンホールであれば深いほど波が届きにくくなる=減衰と理解すれば、減衰定数h や Q値を求められそうです。算出方法はこれでしょう。

信岡ほか「PS 検層の手法を用いた地盤減衰特性(Q 値)の評価」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/segj/65/1_2/65_79/_pdf

これと言って躓くところはないのですが、合点がいくか?というと、そうではないレベルです。実際に計算をしてみても、それで正解かどうかが分からない程度の理解です。何か例題があればよいのですけど。
しかし、相変わらず、大がかりな調査ですね。特にS波の source。ま、この程度で350mまで届くのであれば、小さいとも考えられますが。



地震屋さんが PS検層の結果から Q値を設定してほしいという発想に至ったのは、至極常識的なのかもしれません。
次から次に未解決の課題がやってきます。とりあえずプロと話ができるレベルまで、個々、潰していきましょう。

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