2025年8月27日水曜日

conda チャンネル書き換え

 miniconda を入れたら、defults チャンネルを削除できなくなっていました。

$ conda config --remove channels defaults


~/miniconda3/.condarc を書き換えるだけでした。

channels:
  - conda-forge


これで conda-forge がデフォになりました。

2025年8月26日火曜日

分位点回帰のピンボール損失

ピンボール損失の意味

分位点回帰では、目的変数の条件付き \(\tau\) 分位点を推定するために、 ピンボール損失(チェック関数)を用いる。二乗誤差が平均を推定するのに対し、 ピンボール損失は任意の分位点 \(\tau \in (0,1)\) に対応する。

残差を \(r_i = y_i - F_i\)(実測−予測)とすると、ピンボール損失は

\[ L(y_i, F_i) = \rho_\tau(r_i) = \begin{cases} \tau \, r_i, & r_i \ge 0 \quad \\[6pt] (\tau - 1)\, r_i = (1-\tau)\,|r_i|, & r_i < 0 \quad \end{cases} \]

非対称な重み付けにより、アンダーとオーバーを異なる強さで罰する。 例えば \(\tau=0.9\) では、下側(予測が小さすぎ)の誤差に強いペナルティがかかり、 予測は上に引き上げられて 90% 分位点に一致しやすくなる。

ピンボール損失(チェック関数)の具体例

\(\tau = 0.8\)、実測 \(y_i=5.0\) に対し、予測 \(F_i\) をいくつか試す。残差 \(r_i=y_i-F_i\) と損失 \(\rho_\tau(r_i)\) は、

予測 \(F_i\) 残差 \(r_i=y_i-F_i\) 判定 ピンボール損失 \(\rho_{0.8}(r_i)\)
4.0 +1.0 アンダー (\(r_i\ge 0\)) \(0.8 \times 1.0 = 0.8\)
5.0 0.0 一致 0
6.0 -1.0 オーバー (\(r_i<0\)) \((0.8-1)\times(-1.0)=0.2\)

同じ誤差量でも、\(\tau=0.8\) ではアンダー(+1.0)の損失 0.8 が、 オーバー(-1.0)の損失 0.2 より大きい=非対称性が働く。

最小化問題の構成

与えられたデータ \(y_i\) に対し、予測値 \(F_i\) を選ぶことで、損失の合計を最小化する。

\[ F^\star = \operatorname{arg\,min}_{F} \sum_{i=1}^n \rho_\tau(y_i - F_i) \]

分位点の定義

ある分布において、\(\tau\) 分位点 \(Q_\tau\) は、以下を満たす。

\[ P(Y \leq Q_\tau) = \tau \]

これは、観測値 \(Y\) に対し分位点 \(Q_\tau\) 以下となる確率が \(\tau\) であることを意味する。

ピンボール損失と分位点の関係性の直感的理解

ピンボール損失は、予測値 \(F_i\) が \(\tau\) 分位点 \(Q_\tau\) から外れた場合に、外れの方向に応じて異なるペナルティを課すことで、分位点の推定を誘導する。 具体的には、以下の性質が働く。

  • 例:\(\tau = 0.8\) を推定したい状況を考える。もし予測値 \(F_i\) が真の 80% 分位点 \(Q_{0.8}\) よりも1だけ小さい場合、\( y_i > F_i \) となるデータ点(残差が正)に対するペナルティは \( 0.8 \) であり、\( y_i \leq F_i \) となるデータ点(残差が負)に対するペナルティ \( 0.2 \) よりも4倍大きくなる。このため、\(F_i\) はより大きな値に引き上げられる傾向がある。
  • 例:逆に、予測値 \(F_i\) が真の 80% 分位点 \(Q_{0.8}\) よりも1だけ大きい場合、\( y_i \leq F_i \) となるデータ点(残差が負)に対するペナルティは \( 0.2 \) であり、\( y_i > F_i \) となるデータ点(残差が正)に対するペナルティ \( 0.8 \) よりも小さくなる。このため、\(F_i\) はより小さな値に引き下げられる傾向がある。

このように、ピンボール損失を最小化する過程で、データ全体として、予測値 \(F_i\) が \(\tau\) 分位点\(Q_\tau\)に近づくように調整される。

2025年8月25日月曜日

GBDT 二値分類の勾配計算例

前提条件

  • ラベル \( y_i \in \{0,1\} \)
  • モデルのスコア(ロジット値)を \( F_i \) とし、予測確率はシグモイド関数で変換:
\[ p_i = \sigma(F_i) = \frac{1}{1 + e^{-F_i}} \]
  • 損失関数(Log Loss):
  • \[ L(y_i, p_i) = -[ y_i \log p_i + (1-y_i) \log (1-p_i) ] \]


損失関数の微分(勾配)

損失関数の勾配 \( g_i \) は L を \( F_i \) で微分して求める。チェーンルールを使うと、

\[ \frac{\partial L}{\partial F_i} = \frac{\partial L}{\partial p_i} \cdot \frac{\partial p_i}{\partial F_i} \]

各項は、

\[ \frac{\partial L}{\partial p_i} = -\frac{y_i}{p_i} + \frac{1-y_i}{1-p_i} \] \[ \frac{\partial p_i}{\partial F_i} = p_i (1 - p_i) \]

よって、

\[ \begin{align*} g_i & = \frac{\partial L(y_i, F_i)}{\partial F_i} \\ & = \left( -\frac{y_i}{p_i} + \frac{1-y_i}{1-p_i} \right) \cdot p_i (1 - p_i) \\ & = -y_i (1 - p_i) + (1 - y_i) p_i \\ & = p_i - y_i \end{align*} \]

つまり、勾配 \( g_i \) は「予測確率と正解ラベルの差」となる。
この勾配の負号(\(-g_i\))が疑似残差として使われ、回帰木の目的変数となる。


直観的解釈

ロジット値 \( F \) はシグモイド関数を通して確率 \( p \) に変換される。
\( F \) を正方向に増やすと予測確率 \( p \) も1に近付く。逆に、\( F \) を負方向に増やすと0に近付く。

  • F = 2 → p ≈ 0.88
  • F = 0 → p = 0.5
  • F = -2 → p ≈ 0.12

「\( p - y \)」という勾配が、「今のモデル予測\( p \)が正解\( y \)より高いか低いか」を表し、Fの上げ下げ・量を直接教えてくれる量となる。

  • p = 0.9, y = 1 → g = -0.1(h=0.1)
  • p = 0.1, y = 0 → g = +0.1(h=-0.1)

\( p < y \) なら「Fを上げる」ことで予測確率も上げる
\( p > y \) なら「Fを下げる」ことで予測確率も下げる

______________________________________________________________

計算例:5データ点による勾配ブースティング(2値分類)

前提条件
  • 入力 \( x_1 \sim x_5 \),ラベル \( y_1 \sim y_5 \)
  • \( y = [1, 0, 1, 0, 1] \)
  • 初期ロジット値 \( F_i^{(0)} = 0 \) (全データ)
  • 学習率 \( \eta = 0.1 \) (計算簡単化のため)
Step 1. 初期化
初期ロジット値
\( F_i^{(0)} = 0 \) (i=1〜5)
初期予測確率
\[ p_i^{(0)} = \sigma(F_i^{(0)}) = \frac{1}{1 + e^{0}} = 0.5 \] 
Step 2. 勾配および疑似残差の計算

i \( y_i \) \( p_i^{(0)} \) \( g_i^{(0)} \) 疑似残差
\( -g_i^{(0)} \)
110.5-0.5+0.5
200.5+0.5-0.5
310.5-0.5+0.5
400.5+0.5-0.5
510.5-0.5+0.5

Step 3. 疑似残差を目的変数に回帰木(弱学習器)学習
  • 単純化して、\( y=1 \) のデータには \( h(x)=+0.5 \)、\( y=0 \) のデータには \( h(x)=-0.5 \) を出力する回帰木を仮定(本来は特徴量で分岐)。

Step 4. モデルの更新
\[ F_i^{(1)} = F_i^{(0)} + \eta h_i^{(0)} \]  
i \( h_i^{(0)} \) \( F_i^{(0)} \) \( F_i^{(1)} \)
1+0.500.05
2-0.50-0.05
3+0.500.05
4-0.50-0.05
5+0.500.05

Step 5. 新しい確率 
\[ p_i^{(1)} = \sigma(F_i^{(1)}) = \frac{1}{1 + e^{-F_i^{(1)}}} \] 
  • \( F = 0.05 \) → \( p \approx 0.5125 \)
  • \( F = -0.05 \) → \( p \approx 0.4875 \)

i \( F_i^{(1)} \) \( p_i^{(1)} \)
10.050.5125
2-0.050.4875
30.050.5125
4-0.050.4875
50.050.5125

Step 6. 新しい疑似残差 
\[ g_i^{(1)} = p_i^{(1)} - y_i \]  
i \( y_i \) \( p_i^{(1)} \) \( g_i^{(1)} \) 疑似残差
110.5125-0.4875+0.4875
200.4875+0.4875-0.4875
310.5125-0.4875+0.4875
400.4875+0.4875-0.4875
510.5125-0.4875+0.4875

Step 7. (以降のステップも同様)
  • この新しい疑似残差を目的変数として、再度回帰木(弱学習器)を学習しロジット値を更新。
\[F_i^{(2)} = F_i^{(1)} + \eta h_i^{(1)}\]
  • \(h_i^{(1)} = +0.4875\)(y=1のデータ)、\(-0.4875\)(y=0のデータ) 

i \( h_i^{(1)} \) \( F_i^{(1)} \) \( F_i^{(2)} \)
1+0.48750.050.09875
2-0.4875-0.05-0.09875
3+0.48750.050.09875
4-0.4875-0.05-0.09875
5+0.48750.050.09875

Step 8. 新しい確率の算出
  • \( F = 0.09875 \) の場合:\( p = \frac{1}{1+e^{-0.09875}} \approx 0.5247 \)
  • \( F = -0.09875 \) の場合:\( p = \frac{1}{1+e^{0.09875}} \approx 0.4753 \)

この流れを何度も繰り返すことで、予測確率 p が徐々に正解ラベルに近付く。
学習率が小さいほど、各ステップの修正は少なくなり安定するが、収束には時間がかかる。

2025年8月18日月曜日

文献:土層区分 + RF

A machine learning-based approach for constructing a 3D apparent geological model using multi-resistivity data | Geoscience Letters | Full Text

AI要約

背景
台湾の濁水渓沖積扇(CRAF)は主要な地下水盆であり、高速鉄道が地盤沈下帯を通過するため、地下の地質構造を詳細に理解することが重要とされている。しかし、従来の地下モデルはボーリングデータに大きく依存しており、その高コストと疎な配置により、広範囲の領域で詳細な空間的リソロジー分布を把握することは困難であった。また、先行研究では抵抗率データとボーリング情報を十分に統合した包括的な3D地下モデルの構築には至っておらず、この不足が課題となっていた。

手法
本研究では、濁水渓沖積扇において、垂直電気探査(VES)、過渡期電磁(TEM)、ボーリング孔比抵抗(NBR)を含む複数の比抵抗データを統合し、3D見かけ地質モデル(Apparent Geological Model (AGM) )を構築する包括的なアプローチを提示。まず、異なる手法で取得された比抵抗データの厳密な調和(ハーモナイゼーション)を行い、整合性のある比抵抗値を確保した。この調和の必要性は、同じ研究エリア内での測定にもかかわらず、各データセットの比抵抗値の範囲(上限・下限)に顕著な不一致が見られたためである。本研究では、以下の手順で厳密な調和を行った。

  1. データ範囲の制限とサンプリングレートの調整: まず、各1次元データセット(VES、TEM、NBR)の深度を200mに制限し、Piecewise Cubic Hermite Interpolating Polynomial (PCHIP) メソッドを用いて、1m間隔でサンプリングレートを調整した。 
  2. 次に、Min–Max Re-scalingとして知られる正規化手法を用いて特徴スケーリングを実行した。これは、元のデータ範囲を線形変換し、所定の境界内で比抵抗値の関係を維持するためである。
  3. VESデータ範囲を基準とした変換: 全ての比抵抗データセットは、研究エリア内のVES比抵抗範囲(1.02 Ωmから2512 Ωm)を基準として変換されました。この「データ取得(data retrieval)」と呼ばれるプロセスにより、比抵抗データはまず0-1の範囲に正規化され、その後sci-analysisパッケージを用いてVES比抵抗値に一致するように再スケーリングされました。VESデータが基準として選ばれた理由は、そのデータがNBRおよびTEMデータと比較して比抵抗値の最低および最高の境界(1.02 Ωmおよび2512 Ωm)を両方とも示し、かつ3つの手法の中で最も密に分布している測定値であった点にある。 

次に、従来のソフトウェアの限界を克服するため、Pythonベースのモデリングと動径基底関数補間(RBFI)を用いて3D抵抗率モデルを構築した。これは、複数のソースから得られた点の情報(抵抗率データ)を3次元空間に補間するために用いられた。抵抗率データは、VES、TEM、NBR。スムージング係数(この研究では500に設定)は、「データ点への正確な適合」と「滑らかな補間表面」の間のトレードオフを制御し、ノイズの多いデータセットやスパースなデータセットへの過学習を防ぐ役割を果たす。

その後、ボーリング情報から得られた堆積物タイプ(粘土、砂、砂利)をグラウンドトゥルースデータとして利用し、教師あり機械学習(SML)技術によって3D AGMに変換した。SMLアルゴリズムとしては、ランダムフォレスト(RF)、決定木(DT)、サポートベクターマシン(SVM)、勾配ブースティング(XGBoost)の4種を実装し、混同行列分析、評価指標、ROC曲線を用いて性能評価を行った。

結果と考察
本手法により、データカバレッジは従来の62地点から386地点へと大幅に増加し、空間カバレッジ密度が約84.02%向上した。SMLアルゴリズムの評価では、ランダムフォレスト(RF)が全ての評価指標において0.952という最高の性能を示した。構築された3D AGMは、堆積物タイプと抵抗率の明確な相関を明らかにした。具体的には、粘土層は低比抵抗(59.98 Ωm以下)、砂層は中比抵抗(59.98 Ωm超136.14 Ωm未満)、砂利層は高比抵抗(136.14 Ωm以上)を示した。また、近位扇状地では砂利層が優勢である一方、中間扇状地では主に砂質粘土層が、遠位扇状地(西部の沿岸地域)では粘土質砂が主体であることも判明した。
マルチ比抵抗データを統合し、データカバレッジを大幅に増加させたことにより、地下の詳細な特性をよりきめ細やかに把握することが可能となった。特に、データハーモナイゼーション技術によって、異なる比抵抗データの範囲を整合させたことは、3Dモデリングの精度向上に寄与した。この研究成果は、濁水渓沖積扇だけでなく、他の地域における3D AGM構築にも応用可能であり、地盤沈下メカニズムの理解や地下水管理、資源探査など、多様な地質学的応用において貴重な洞察を提供する。

複数の物理探査の結果をソースとして、機械学習により土層分布を推定しています。地下水の有無に留意でしょう。RBFNで一度訛ったデータを用いているので、過学習にはなり難いのかもしれません。
 近年、他国で多数報告されている3D地質モデル作成時の機械学習の利用ですが、ジョイントインバージョンに頼らなくて済みますし、扱いが容易なので普及するのでは?と注目しています。国内では3次元地質が多用されているとは未だに言えませんし、物理探査も縮小傾向のまま低空飛行を維持、機械学習も未だに普及していない、ということで、また日本が取り残されていくのを残念に思いながら眺めています。

文献:Geochemistry Data + SOM

Correlations among large igneous provinces related to the West Gondwana breakup: A geochemical database reappraisal of Early Cretaceous plumbing systems - ScienceDirect

AI要約

背景
南大西洋初期開口期に関連する大規模火成岩区(LIPs)は主に苦鉄質(火山性および/または深成性)岩石で構成され、通常は短期間の活動パルスで形成される特徴を有する。白亜紀初期には、ウェストゴンドワナ超大陸が広範な伸張性地殻変動を経験し、現在の南米プレートとアフリカプレートの配置が形成された。この地殻変動の初期段階(134 Ma以前)において、パラナマグマティックプロヴィンス(PMP)とエテンデカマグマティックプロヴィンス(EMP)が形成され、これらはウェストゴンドワナの分散以前には連続したLIPを構成していた。また、赤道大西洋縁辺では、白亜紀初期の伸張性地殻変動により北東ブラジルのリフトシステムとベヌエトラフ/ナイジェリアが発達し、赤道大西洋マグマティックプロヴィンス(EQUAMP)に分類される苦鉄質ダイク群およびシル複合体が貫入した。LIPsの特性評価には、地球化学データベース、地質年代データ、および空間的範囲の決定が不可欠であるが、大量のデータを従来の分析手法で扱うことは困難を伴う。PMPおよびEMPに関する地球化学的研究は1980年代から2000年代にかけて主に玄武岩(CFBs)に焦点を当てて行われてきたが、過去20年間でダイク群およびシル複合体に関するデータが顕著に増加した。本研究では、機械学習ベースのツールである自己組織化マップ(SOMs)を用いて、これらの問題を克服し、PMP、EMP、EQUAMPの貫入性ソレイアイト質マグマ活動の解析を行う。

手法
本研究では、PMP、EMP、EQUAMPの地化学データセットを分析するために、Tiベースの岩石学的分類と自己組織化マップ(SOM)アプローチを組み合わせて適用した。SOMは、入力変数が定義する空間におけるベクトル類似性を用いてパターンと関係性を見出す計算技術であり、複雑な入力を持つ多変量空間データセットの統合分析を可能にする。データは、蛍光X線分析(XRF)による主要酸化物の決定、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)、原子発光分光分析(AES)、光学発光分光分析(OES)、発光分光分析(ES)、中性子放射化分析(INAA)などの高精度な手法による微量元素および希土類元素の決定から収集された。解析対象から、MgO > 10.5 wt.% の高マグネシウムサンプル、LOI > 3.5 wt.% の変質が疑われるサンプル、およびSiO2 > 65.5 wt.% の珪質・アルカリ性マグマは除外された。SOMの計算にはSiroSOMパッケージが使用され、58行×52列の計3,016ノードのマップサイズが採用された。SOMの出力は、統一距離行列(U-matrix)やコンポーネントプロットを用いて可視化された。また、地質マッピングには、ブラジル地質調査所(CPRM)およびバイーア鉱物調査会社(CBPM)の航空磁気データ、既存の地質図、およびGoogle Earth画像が組み合わされた。磁気データは、還元極性化(RTP)、解析信号振幅(ASA)、および指向性強調フィルターを用いて処理され、ダイク、剪断帯、広域断層の区別が行われた。さらに、GPlates 2.3.0を用いてプレート再構築モデルが操作され、白亜紀初期のマグマ活動と南大西洋関連ホットスポットの古地理学的特徴が視覚化された。

結果
全アルカリ-シリカ(TAS)分類図において、PMP、EMP、EQUAMPのHT(TiO2 > 2 wt.%)スイートは、SiO2 < 56 wt.%、総アルカリ < 6.8 wt.% を示し、宮下線の下にプロットされ、準アルカリ性玄武岩、玄武岩質安山岩、および玄武岩質粗面安山岩に分類された。MgO対TiO2図では、HT群はMgO > 4 wt.% のサンプルにおいてTiO2 = 0.1 MgO + 3.3 の線より上にクラスターを形成し、MgO < 4 wt.% のサンプルではTiO2 = 0.725 MgO の曲線によって他のスイートと区別された。Ti/YパラメーターはEQUAMPソレイアイトにおいて250から325までの連続的なトレンドを示し、高チタンマグマと低チタンマグマの重複が見られた。不適合元素(例:Sr > 400 ppm)が多く、La/Yb > 10 の特徴も示された。進化した岩石(ERs)はSiO2レベルが57~65 wt.%、TiO2 < 2.5 wt.% であり、主に粗面安山岩~粗面岩の領域に限定された。ERはTi/Y対Ti/Zr図においてLTマグマと同様のTi/Y値を示すが、Ti/Zr値は低い。低チタン(LT、TiO2 < 2 wt.%)マグマはHT岩石よりも低いアルカリ/シリカ比を持ち、準アルカリ性玄武岩および玄武岩質安山岩で構成される。PMPとEMPに特徴的なTiO2の遷移的なソレイアイト(TTs)は、TiO2レベルが2.7~1.7 wt.% のサンプルであり、HTとLTの中間的な挙動を示した。

考察
SOMの使用は、専門的な岩石学的知識や既に確立された地球化学的分類を置き換えることを意図するものではなく、むしろデータ集約的な地域比較を行うことを目的としている。SOM手法においては、すべての変数に均等な重みを与えることが可能である。EQUAMPデータベースの検証においては、中央大西洋LIPに属する可能性のあるサンプルを認識し、除去することが必須のステップであった。しかしながら、ナイジェリア地域における初期白亜紀ソレイアイトに関する地球化学的および地質学的情報が不足しているため、赤道大西洋の両側間の正確な相関関係を導き出すことは困難である。

新規性
PMP、EMP、EQUAMPの地化学データセットに対して、Tiベースの岩石学的分類とSOMアプローチを組み合わせて分析を行った点にある。特に、貫入性のダイク群およびシル複合体のデータに焦点を当て、主要酸化物、微量元素、希土類元素、および同位体データ(Sr、Nd、Pb)の定性的な再評価と組み合わせることで、初期南大西洋開口期に関連する苦鉄質ソレイアイト質配管システムを特徴付けた。SOMのような機械学習ベースのツールを用いることで、大量のデータを統合的に分析し、複雑な入力を持つ多変量空間データセットからパターンと関係性を抽出することで、従来の分析では困難であった微細で複雑な関係性の理解を深めることが可能になった点も、本研究の重要な新規性である。

多量の地球化学分析データをグルーピングするのにSiroSOMを使用しています。水質や元素などの分析データをグルーピング、視覚化するのに使えるツールなのでしょう。



文献:水質分析 PCA + SOM


AI要約
背景
北フィンランドにおけるSakatti鉱鉱開発サイトは、複雑な更新世の堆積物と変質した・破砕された基盤岩の領域に位置する。この地域には広範な泥炭地と、地下水、表流水、湿地または泥炭地間の相互作用に関する理解が求められている。具体的には、アーパ泥炭地と呼ばれるパターン化したフェンが存在し、これらは栄養が乏しいが、時折栄養の豊富な泥炭地も見られる。地下水流動の理解は、鉱業活動を計画する上で重要な要素である。

手法
データ収集:
二つの水文化学データセットが使用された。一つはヘルシンキ大学から、もう一つはAA Sakatti Mining Oyから得られた。両者のデータは2015年から2020年の期間として収集された。

データ分析:
  • 主成分分析(PCA): 化学変数を分析し、相関関係を明らかにするために実施された。PCAの結果、主成分はEC、Ca、Mg、HCO₃が含まれる側面と、Al、Cr、Fe、Mn、Co、Ni、Znが含まれる側面の二つに分類された。
  • 自己組織化マップ(SiroSOM): 水質パラメータ間の関連性を理解するために使用され、異なる水のグループが明確にされ、7つの水文化学的クラスタに分類された。
  • SiroSOMはCSIROが開発した教師なしデータマイニング手法で、類似した水質パラメータを持つ水サンプルをクラスタリングする。これは自己組織化マップ(Self-Organizing Maps, SOM)に基づき、最適マッチングユニット(BMU)のベクトルを用いて変数の類似性を2Dマップ上に投影する。
  • 分析に用いたパラメータはpH、電気伝導度(EC)、主要イオン(Na, Ca, K, Mg, Cl, SO₄, HCO₃)、および微量元素(Al, Cr, Co, Ni, Zn)。クラスタは2DシートマップとLeapfrog Geoソフトウェアによる3Dビューで可視化。
地下水流動モデリング:
  • MODFLOW: 事前に構築された3D地質モデルGM2020に基づき、流動のシミュレーションを行った。二つのモデル(PRE1989とPOST2014)を使用し、地域の流れの違いを理解するために、定常状態モデルと過渡状態モデルを計算した。
  • 粒子追跡(MODPATH): 水サンプルの再充填エリアを特定するために、バックス追跡(BW追跡)が行われた。水サンプルの各地点で粒子をトラッキングし、地下水の流動経路を可視化した。
安定同位体分析:
水サンプルにおける異常気象の影響を考慮し、安定同位体のデータを使用して地下水の流入エリアを解析した。

結果
データ分析結果:
SiroSOMにより、7つのクラスタが得られた。
  • SOM 1: 主要な陽イオン、EC、HCO₃、Mn、Feが高く、pHが比較的高い地下水および間隙水(1つの湧水を含む)
  • SOM 2: 主にEC、Mn、Feが高く、CoとZnも高い泥炭地の間隙水(1つの地下水、1つの地表水を含む)
  • SOM 3: Na、K、EC、SO₄、Mn、Niが高く、CoとZnがわずかに高い地下水サンプル 
  • SOM 4: EC、Co、Ni、Zn、Al、Crが高く、MnとFeも高い水(地表水、地下水、泥炭地の間隙水を含む)
  • SOM 5: SO₄がわずかに高く、MnとFeが低い、比較的希釈された地表水 
  • SOM 6: SO₄が高く、pHが比較的高い地表水(1つの地下水、1つの湧水を含む)
  • SOM 7: 最も希釈された地表水(3つの泥炭地の間隙水、1つの湧水を含む)
流動パターン:
水の流動は大規模(>1000 m)、中規模(1000–100 m)、小規模(<100 m)の三つのスケールで確認された。
  • 大規模流路は、泥炭島から始まり、残存した堆積物を通過して、最終的にはキティネン川に至る。
  • 中規模流路は、堆積平野や隣接する指状泥炭地域から地下を経由して川に流れ込む。
  • 小規模流はキティネン川の岸辺やViiankiaapa泥炭地で見られ、地形の変化に関連している。
  • 平均滞留時間: 粒子追跡による平均滞留時間は、大規模流路で約150年、中規模で25年、小規模で6年であった。これにより、流動の特性が明確に示された。
安定同位体データ:
d-excessの分布から、蒸発した水信号(<5)や降水由来の水信号(>8)、混合水信号が確認された。特に、Viiankiaapa泥炭地域では地下水の再充填が確認されており、その水がキティネン川周辺で観察される浅い井戸や湧き水に流入することが示唆された。

水質特性:
大規模流路の水はCa-HCO₃型であることが判明し、SiroSOM分析により、地下水、富栄養な水、希薄な表流水などの水サンプルが異なる水文化学的クラスタに分類された。流れを通じて水の化学的特徴が変化し、特に泥炭層を通過することで多くの化学変数の平均濃度が低下することが示された。

考察
SiroSOMとPCA(主成分分析)の両方の分析結果は、溶解元素濃度が高い3種類の水タイプが存在することを示した。
  • 第1グループ: PCA 1とSOM 1に対応し、EC、Ca、Mg、HCO₃、pHの上昇が特徴
  • 第2グループ: PCA 2とSOM 4、2、3に対応し、Al、Mn、Feが高く、pHが第一のグループ(平均7.2)よりも低い(平均6.3)のが特徴。Cr、Co、Ni、Znといった微量元素も高く、これらは苦鉄質鉱物または苦鉄質硫化物の溶解に関連している。
  • 第3グループ: PCA 3とSOM 6、5、3に対応し、NaとSO₄が高く、K、Cl、Ni上昇
研究成果は、鉱業開発地における地下水のリチャージ領域や流出領域を特定することの重要性を示す。地下水模型と安定同位体分布は、流動経路の検出に適用可能であり、地下水管理や環境モニタリングの計画に役立つ。各水質クラスタとそれらの化学的特徴は、地区特有の水文学的条件に根ざした結果であることが示された。

SiroSOMは商用ツールだそうです。知りませんでした。PCAのみでなく、他の手法と合わせてグループ分割できたという点は実務でも利用価値があります。

2025年8月17日日曜日

文献:淡水pCO₂の決定法

Determining freshwater pCO2 based on geochemical calculation and modelling using PHREEQC - ScienceDirect

AI要約

背景
化石燃料の燃焼により大気中の二酸化炭素(CO₂)濃度が上昇し、これが地球の気候や海洋に影響を及ぼしている。最新の知見によると、大気中のCO₂レベルの上昇はfreshwaterのCO₂分圧(pCO₂)にも影響を与え、これは多くのパラメータによって制御される。また、これまでのところ、現在および過去の淡水pCO₂レベルを測定する標準化された方法は存在しない。

手法
本研究では、PHREEQCという地球化学プログラムを用いて、フィールド、実験室、長期データに基づいたpCO₂の分析方法を記述。PHREEQCは、炭酸の解離定数や、全無機炭素(TIC)、全CO₂濃度(TCO₂)、全アルカリ度(TA)などのさまざまな入力パラメータを使用して、淡水pCO₂を計算・モデル化することができる。このプログラムは、複数の水サンプルの品質と信頼性を評価し、すべての関連する水生複合体の自動計算を可能にする。

結果
実験室データに基づくPHREEQCによるpCO₂計算の結果は、pH、TCO₂、TAといったパラメータに基づくモデル化結果と比較した場合、わずかな乖離が見られた。また、四つの淡水貯水池における長期モニタリングデータでも、PHREEQCによるpCO₂計算は一貫して信頼性が高く、過去のデータとの比較も可能であった。

考察
淡水系におけるpCO₂の変動は多くの環境要因に影響され、これらの要因を正確にモデル化することは容易ではない。PHREEQCを使用することで、過去のpCO₂の変動や気候変動による影響を体系的に評価することができる。特に、有機CO₂種を考慮することが重要であり、今後の研究においてもこのソフトウェアの活用が期待される。

PHREEQCの適用例です。計算は単純で、input例 を先に読んだ方が内容を解釈しやすいと思います。

Temperature °C temp 22.10
pH–value pH 6.406
Density mg kg-1 density 1.00
total CO2 concentration
(TCO2) mg l-1 C(4) # or C 78.66 as CO2 21.45 as C
Alkalinity (TA) mg l-1 Alkalinity 46.34
Calcium mg l-1 Ca 80.09
Chloride mg l-1 Cl 144.46
Magnesium mg l-1 Mg 12.16
Sulphate mg l-1 S(6) 48.06
Potassium mg l-1 K 3.144
Sodium mg l-1 Na 18.62
Oxygen mg l-1 O(0) 37.02
Silicium mg l-1 Si 0.494
Nitrate mg l-1 N(+5) 0.199
Phosphor mg l-1 P 0.150

 EQUILIBRIUM_PHASES Calcite CO2(g)